リアクション
リネン・エルフト(りねん・えるふと)は、不思議の国のアリスのコスプレをして、
フリューネ・ロスヴァイセ(ふりゅーね・ろすう゛ぁいせ)は、
時計ウサギのコスプレをしていたのだが。
いつのまにか、2人とも、本物になってしまっていた。
リネンは、アリスの姿のせいか、幼い姿になっている。
「大変じゃない! なんとかしなきゃ……」
慌てるリネンだが、フリューネは比較的落ち着いている。
「まあ、こうなったらしかたないわ。
状況を楽しむしかないわね。
……あっ!」
その時、フリューネの顔色が変わる。
時計を確認し、急に慌てはじめたのであった。
「大変、遅刻しちゃう!」
「え、どうしたの、フリューネ!?」
時計ウサギのフリューネは、
急にどこかに向かって走り出した。
「ちょ、待って、フリューネ!?」
アリスのリネンが、それを追いかける。
それは、あたかも、本物の不思議の国のアリスと時計ウサギのようであった。
「フリューネ、待ってったら!」
「急がなきゃ、急がなきゃ!」
フリューネはすごい勢いで走っていく。
「待ってよ、フリューネ!」
「……どうしてついてくるの、リネン?」
「だって、フリューネになぜかついていかなきゃいけない気がして……」
そう言って、リネンはふきだした。
「ふふ、なんだかおかしいわね……」
「そうね、でも、私、まだ、行かなきゃならないところがあるような気がするわ」
フリューネも、くすりと笑い返したが、
すぐさま、どこかに走って行ってしまった。
「ま、待って、フリューネ!」
リネンは、それを追っていく。