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【戦国マホロバ】四の巻 マホロバ幕府開府 決戦、冬の陣!

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【戦国マホロバ】四の巻 マホロバ幕府開府 決戦、冬の陣!

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序章



【マホロバ暦1192年(西暦523年)1月】
 東方(あずまがた)――


 鬼城 貞康(きじょう・さだやす)の足元に、鬼子母帝(きしもてい)の身体がごろり横たわった

 古代種であり、長き時間とともにマホロバで生き栄えた鬼々の母――
 齢五千年を重ねるという彼女の、このような最期をだれが想像できただろうか。
 鬼子母帝は、かすれた声でしきりに子の名を呼んだ

「貞康、さだやす……我の願いを聞き遂げてくださらぬか。天下人とおだてられ、人間の欲にのせられる、か……!」

「母上、わしは……わししかもういないのです。乱世を終わらせ、天下泰平を築く。鬼城の血は、お望みのとおり必ず後世へと残します。そのためにはどんなことでもいたしましょう。だから、どうか……マホロバの土となり、鬼と人の世を御見守りくだされ……!」

 貞康は両手に込め、刀を引き抜いた。
 鬼子母帝は一声叫んだあと、小刻みに震え、やがて動かなくなった。
 貞康はその場に座り込む。

「この呪われた鬼の血を、子々孫々までマホロバの為に捧げる……それがわしの……罪滅ぼし」

 鬼は子供のように泣いた。