リアクション
第5章
一段落し、皆、賞金の話しに戻る。
「ボク達の賞金を全部ホイップちゃんに譲るよ」
エルの提案にみんなが首を縦に振る。
「私達のバイト代も全部譲るですぅ〜」
メイベルも進言する。
仕置き人達も仕事が終わり出て来ていたのだ。
「食費……もごもご」
「……良いじゃない」
抗議をしようとした刀真の口を月夜がふさぐ。
「悪いよ! 受け取れないよ!!」
首を思いっきり横に振って拒否をする。
「前回とか迷惑かけちゃってるしね!」
ウィンク1つし、エルがホイップの手を取る。
「で、でも!」
「……本来なら甘やかすな、と言いたいところだが……皆、その為にやっていたようだし、好意に甘えてはどうだろう?」
「う〜……うん。解った。有り難く使わせてもらうね。有難う!!」
黎の後押しにより、ホイップの心が動いた。
最高の笑顔でお礼を言う。
「ホイップさんに全てを譲るんですね?」
見ていたタノベが確認をする。
「はい」
エルが代表して答える。
「そこの君、参加者の成否名簿をここへ持ってきてもらえますか?」
「へいっ!」
近くに居た、蛮族に頼むと直ぐに用意された。
「では、失敗者の800Gを引いて――」
「えっ? 失敗したら取られるの!?」
「ええ。書いてあったでしょ? チラシの裏に」
慌ててチラシの裏を確認するホイップ。
「……本当だ……」
「それにさっきも言ったじゃないですか。“失敗者からのお金も入りますから”って」
「……あっ」
「ごほん、では計算しますね」
古めかしい算盤を弾いてあっという間に計算が終わる。
「こんな感じですね」
クリア賞金をゲット!
24名 1人800G。
19,200G
失敗者。
13名 1人−800G。
− 9,600G
バイト代
27名 1人300G。
8,100G
「では差額分をホイップさんにお渡ししますね」
ホイップの手に17,700Gという大金が手渡される。
「本当に有難うございました!!」
ホイップがみんなに向かって深く頭を下げる。
皆、晴れやかな表情になっている。
「それと解毒剤は戻してくださいね。また使いますから」
換金出来るかもと思っていた人達は渋々もどいたのだった。
「あ、そうそう。今回ワタクシが簀巻きにされた権ですが」
簀巻きチームの喉が鳴る。
「金額は請求しません」
ほっと胸をなでおろす。
「ですが、体を使う権利は頂きますよ」
にやり笑いのタノベさん。
その後しばらく、このダンジョンでタダ働きをさせられた簀巻きチームでした。
「ねえホイップちゃん、今度デートして」
「う、う〜ん……気が向いたらね」
エルの諦めの悪さは一級品かもしれない。
■今回の返済■
借金
−31,500G
報酬
17,700G
(内訳)
クリア賞金
24名×800G=19,200G
失敗
13名×−800G=−9,600G
バイト代
27名×300G=8,100G
今回の合計
−13,800G
シナリオ参加有難うございました。
まず、すみませんでした。
問題の2問目にミスがありました。
以後、気をつけていきたいと思います。
さて、今回のシナリオでは一気に借金が減りました!
この後も増えるか減るかは皆さんのアクション次第です。
増やしたい方はうまくアクションに盛り込んでみて下さいね。
仕置き人のアクションも楽しいものばかりでした。
簀巻チームも良かったです。
では、次のシナリオでお会いしましょう!