葦原明倫館

リアクション

【最後にボケ隊】
「５９番の〜【最後にボケ隊】のみなさ〜ん、出番でがんすよ〜」
　呼ぶ蛮族が変わったようだ。
　席を立ったのは高務　野々（たかつかさ・のの）、宮辺　九郎（みやべ・くろう）、カタリーナ・ウェイセンフェルト（かたりーな・うぇいせんふぇると）、ロブ・ファインズ（ろぶ・ふぁいんず）だ。

■第１問目〜第４問目■
　問題なくクリア。

『ここまで何もなく進んできましたなぁ』
『つまらんどす〜。柚子ちゃん、踊って〜な』
『嫌どす……』

■最終問題■
「ああ〜……さっきは酷ぇ目にあった……」
　首をこきこき鳴らしながら呟いていて、挑戦者には気付いていない様子の長。
「ごほんっ」
　九郎が１つ咳払いをする。
「って、もう次が来ていたのか！！」
　慌てて戦闘態勢に入る。
「それじゃあ、行かせてもらうぜ」
　九郎が言うと、ロブもアサルトカービンを構える。
　棍棒を振り上げ、野々に向かっていく蛮族の腕をロブが狙い射撃する。
「ちっ」
　舌打ちをすると弾の当たった利き手をさすり、下がる。
「良い腕だな」
「まあな」
「今度は俺の番だな」
　そう告げるとカルスノウトで素早く切りつける。
　さらにその勢いのまま、柄で首の後ろを叩き昏倒させる。
「九郎もやるじゃねぇか」
　九郎とロブがハイタッチで微かに笑う。
「なんだか、出番なしでしたね」
「そうですね」
　カタリーナと野々は呆気なく終わってしまったことをくすくす笑い合う。
「さて、問題ですね」
「これは、商い益々繁盛と読めますね」
　カタリーナが素早く答える。
「私にもそう読めます。では答えはこっちですね！　左です！　間違いありません！　つまり、閑古鳥が鳴いてるほうに行けば客の回転が早まってさらに儲かる！」
「えっ！？」
　ぎょっとして野々を見つめる。
「答えが解ったのか」
　そう言うとロブが野々についていき、左の扉へと消えていった。
　後に残ったのは、止めることができなかったカタリーナと九郎だ。
「とりあえずゴールしましょうか」
「そうだな」
　出口の扉をくぐれたのはこの２人だけだった。

■女王様コース■
「な、何事ですかー！？」
「……！？」
　間違った扉を通った２人の頭上にはあらゆる虫、虫、虫。
　百足にゲジゲジ、蛭と蜘蛛……その他数えきれないほどの虫達。
　突然上から降って来たのだ。
「ふふふ……楽しくなりそうね」
　エレクトリックとメニエス、ミストラルが２人に近づく。
　２人はそれに気付くことすら出来ないほど虫でパニックになっている。
「こんな解り易い問題を解けないなんて……カメムシ以下ね」
「まあ、本当。こんなところに大きな害虫が居るわ」
　メニエスとミストラルが罵りながらロブを蹴り倒し、踏みつける。
「うっ！」
　ロブは片足で押さえつけられ、服の中に入ってきた蛭やゲジゲジを取り出せずもがく。

「この“ピーーー”で“ピー”！　ほらほらもっと踏んであげる」
『スクリーンをご覧の皆さま、申し訳ありません。ちょっと聞き苦しい発言があった為、伏せさせて頂きました。ご了承ください』
　スクリーン前の人達はエレクトリックがどれだけ酷い言葉を発したのかと背筋が寒くなっていた。

「あなたの虫、取るのを手伝ってあげる」
　今度は薄笑いを浮かべたエレクトリックが野々に声を掛け、鞭を振るう。
「きゃーーっ！！」
　色んな意味で阿鼻叫喚な部屋となったのだった。


【正統派チーム】
「次〜６８番の【正統派チーム】〜、出番でがんす〜」
　扉へと歩いていったのはクレイ・フェオリス（くれい・ふぇおりす）と陽神　光（ひのかみ・ひかる）、レティナ・エンペリウス（れてぃな・えんぺりうす）。

■第１問目■
　コウモリが飛びまわり、それを２人が追いかける。
　クレイはそんなのお構いなしに、問題文へと近寄り正解を探す。
「待ちなさいよ〜！　逃げるなんて卑怯よ！」
　光はダガーを投げ、飛んでいるコウモリに当てようとするが外れてしまう。
「きっと頑張れば当たります！」
　レティナはそんな光を応援しながら、自分もホーリーメイスを振り回す。
「ふむふむ、これは３回ですね……」
　携帯片手に問題を容易く解いていく。
「これで、どうだー！！」
　ホーリーメイスから逃げ、天井に掴まろうとしたコウモリ目がけて投げるが、またも失敗となる。
「もう少しです！」
　ひらり、ひらりとまるでからかうように飛んでいる。
「良し、解けました。答えは左ですよ……行かないんですか？」
「だって、モンスター倒さないと！」
「いえ、もうそのまま扉をくぐってしまえば早いと思いますよ」
「……そっか」
　クレイの言葉に頷き、素直に左の扉へと入っていったのだった。

■第２問目〜最終問題■
　クレイが素早く問題を解き、光とレティナがモンスターを撹乱してクリアとなった。