葦原明倫館

リアクション

最終章　聖なる夜にサンタはやってくる

　少年は一冊の本を持っていた。

【　聖なる夜にサンタはやってくる　】

　心優しい少年の元にやってくる暖かいサンタさん。
　サンタが大きな袋から取り出したのは本当の幸せでした。
　本ではそれが何かと言う事は書かれてはいません。
　幼い権兵衛少年はその幸せの袋の中身が気になっていたのです。
　今日は色々な物を貰ったし、たくさんの楽しい事をしました。
　でも、何かが……
　何かがおかしかったのです。
　それが何かかはわからなかったのですが、その夜に権兵衛は不思議な夢を見ました。

　パーティーが終わり疲れて眠りこんだ彼の枕元にサンタさんがやってきて、小さな箱をプレゼントしてくれました。
　大きな袋から取り出した物は本に書いてあった幸せでしょうか。
　そして、サンタさんは女の人みたいな声で言ったのです
「これは、どんな願いでもかなう魔法の石だ。一度だけ君の願いをかなえてくれるとても不思議なものだ。大切にしてほしい」
　サンタさんはその後、出て行きました。
　夢か現実かわかりませんでしたが、朝起きると権兵衛の枕元に小さな箱が置いてあったのです。

　彼はそれを空けました。
　中には小さな石が入っています。
「………………」
　そして、それを小さな手の中に入れて願いを祈ったのです。
　彼がもっとも望む事を……
　彼にとって、一番のプレゼントは…………




　それはもうすぐやってくるようですね。