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約束のクリスマス

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約束のクリスマス
約束のクリスマス 約束のクリスマス

リアクション

 アリア・セレスティはルイと一緒に会場内をぶらぶらしている。アリアはヴァーナーを見つける。
「お願いがあるの」
 アリアは、ルイの傷をヴァーナーに見せる。
「天使の薬箱」
 頷くヴァーナー。クリスマスの奇跡が起きた。

 はるかぜ らいむは司会が終わった後も、子どもたちと一緒に歌っている。女の子たちにとってらいむはステージに立っているらいむは憧れなのだ。
 
 泉 椿は、子どもたちを輪にして用意したプレゼントを一人にひとつ渡した。右にくるくる回して歌が終わったときに持っていたのが自分のプレゼントになる。
 歌が終わり、袋を開けた子どもたちは目を見張った。以前自分たちが作ったおもちゃが色がついたり車輪が付いたりきれいな品に生まれ変わっている。
「椿、ありがと!」
 小さな男の子が背伸びをして、椿の頬にキッスをした。

 早川 あゆみは、持参したキーボードで皆の伴奏をしていた。
 ゆる族のメメント モリーは、日本で局地的に流行していたキャラクターだけあって、子どものあしらいが慣れている。
 あゆみの伴奏に合わせて、体をゆすり、子どもたちと戯れている。


 仏滅 サンダー明彦には、一人の男の子が張り付いている。
「ロックって儲かるの?」
「お、おめぇ、俺ほどのロックスターつったら大金持ちよ!」
「おっさん、金持ちにみえねー」
 悪態を付く子供の目はギターに注がれている。
「触りたいか?」
「いいの?」
「ほんとは駄目だが、今日は特別だっ、なんつたってクリスマスだからな」
 サンダー明彦は子どもにギターの弾き方を教えている。


 浅葱 翡翠とアリシア・クリケットは、大なべの前で大忙しだ。
 出来るだけ温かいまま食べてもらおうと、焼いた石を鍋に入れている。ぐつぐつ煮えた鍋で子どもが怪我をしても大変なので、
 二人は鍋に張り付き、おわんによそったり、食材を追加したり、鍋奉行として腕を振るっている。
「足りなくなりそうです」
「雑炊を作りましょうよ」
 ご飯があると聞いて、空になった鍋で雑炊を作る二人。
 食欲をそそる香りが満ちてくる。
 鍋の前には行列すら出来ている。
「人が苦手なんていってられないよ」
 人見知りするアリシアだが、いつの間にか誰とでも話せるようになっている。


 黒崎 天音は、会場の隅で愛馬を傷つけ落ち込んでいる鬼院を見つけ、声をかける。
「お疲れさま。君のお陰で無事にクリスマスパーティが出来そうだよ」
 自分の首に巻いていた臙脂色のマフラーを鬼院の巻きつける天音。
「気が向いたからあげる……クリスマスプレゼントみたいなものかな」
 新品のマフラーだが、鬼院が気を使わないよう配慮した。
 鬼院は、天音のプレゼントもそうだが、その気持ちが嬉しかった。

 ブルーズ・アッシュワースは、相変わらず子どもたちに大人気だ。鼻先に白いひげを貼られて、サンタのように仕立てられている。
「クリスマスは初めてだが、まさかこんなに賑やかなものだとは思わなかった。これが普通なのか?」
「……さあ、どうだろうね。あまりアットホームには縁がないから……それにしてもその髭似合うよ」
 隣にきた天音、笑いをこらえている。

 遊具作りをした飛鳥 桜は、ヒーロー「ヴァルキュリア・サクラ」に変身している。子どもたちにボールと剣玉をプレゼントした桜は、剣玉は実演している。
 剣玉が動くたびに取り巻く子どもたちから「すげぇ」声が上がる。

 虎鶫 涼は、巧く出来ない子どもから剣玉を借りた。器用に操る涼。
「クリスマス…か。そんな言葉、随分御無沙汰だったな」

 吉永 竜司はメシを食うという名目でパーティにやってきた。厳つい自分は子どもに好かれないと思っているのだ。しかし、竜司は子どもたちに大人気だ。モヒカンを引っ張ったり竜司の肩に登ったり。とりあえず大柄な男の背中には登ってみようと子どもたちは思っているようだ。

 イーオン・アルカヌムは走り回る子どもの首根っこを捕まえては、注意を繰り返している。
「イオ、小言が多いと思うぞ」
 フェリークス・モルスは子どもをしかりつけるイーオンにはらはらしている。
「誰かが叱らなければならないのだ。私がその役目をやろう。急に優しさに囲まれて子どもも少し度を越している。節度を教えるのも教育であろう」
 セルウィー・フォルトゥムが頷いている。
 大鋸が来た。
「管理人、俺もやりたいと考えているのだが。決定はお前に任せる」
 イーオンの背中をポンと叩く大鋸。
「ああ、後で発表する」
 大鋸の心は決まったようだ。

 料理はどれも好評で食べつくされている。
 ケーキは・・・コンテストのことは皆忘れている。手付かずのケーキもあることにはあるのだが、それは本人そっくりな「顔」のせいかもしれない。



 大鋸がマイクを取った。
「今後の話だ。管理人は、ナガンとヴェルチェに頼む。ナガンはここに住んでもらう。てきとーでいいぜ、好きなときに好きな場所に出かけてくれていい。ヴェルチェは、まあ、副委員長みたいな立場だ。ナガンが留守のときの孤児院を守ってくれ。院長はメイベルだ。空京の寄付集めはコウに頼む。イーオンの肩書きは校長だ。なんか思いつかなくてよ、俺は用心棒だ・・・なんでもアリなかんじだが、そんなんでどうだ?」

 又吉とともにガツガツ料理を食べていた武尊が拍手をした。
「ああ、管理者が一人だけって方が心配だ。やりたいやつが全員で仕事を分けるのはいいと思うぜ」

 久多 隆光は、ナガンの肩を叩く。
「協力するぜ」

 服を着替えた姫宮和希は、ヴェルチェを見つけた。
「俺は、この子達に何かしてやりたいと思ってる。影からの援助は惜しまない。イリヤ分校の兄弟校として運営や農業のノウハウの伝授を頑張ってみるぜ。」
「ありがと、助かるわ」
 二人は固い握手を交わす。

 弁天屋 菊は、大鋸のそばに歩み寄った。
「ここまで良く頑張った!おめでとうキング」
「菊、いろいろありがとなっ!」


 瀬蓮とアイリスが大鋸を見つけて駆け寄ってくる。
「私たちはもう帰るが、楽しかったよ。ありがとう!」
「又来ますね」
 瀬蓮は愛らしい天使の笑みを見せる。
「ああ、ここから百合園に通うやつも出るかもしんねー、そのときは宜しくな」

 パーティはまだまだ続いている。
 ナガンは、一人外から孤児院を眺めていた。
 無宿生活の長かったナガンに、「家」が出来たのだ。


おしまい



担当マスターより

▼担当マスター

舞瑠

▼マスターコメント

ご参加ありがとうございます。舞瑠です。孤児院が無事完成いたしました。ありがとうございます。
管理人さんはナガンさんになりました。投票結果のほかに
孤児院に住み込めるパラ実の生徒をとの意見を多く頂きました結果です。
次は、まったく趣の異なるコメディにチャレンジする予定です。
よろしくお願いいたします。