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女王陛下と兵隊アリ(S@MP第2回)

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女王陛下と兵隊アリ(S@MP第2回)

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最終章:そして……


 その後、アルコリアは味方の戦闘を妨害したとして処罰されかけたが、彼女が手に入れた地図を上層部に供する事によって処罰から逃れた。
 そして、レオと美羽は敵部隊を追跡し、中国の山奥にある基地を発見した。だが、謎の電波によって機体を操られ、あやうく同士討ち仕掛ける。
 それはかつて中東の基地攻撃の折に検出された電波と同じ波長だった。
 そしてアルコリアの提供した地図とレオと美羽の報告にある基地の場所が一致したことから、天御柱学院は全学校に向けて寺院討伐を依頼した。

 S@MPのライブ自体はその後続けられて成功に終わった。フレイはライブ成功を祝してギネスシチューを振舞ったが、カノンたちの鏖殺寺院への裏切りを受けて祝賀ムードとはとても言えなかった。結局、ミレリアはライブの妨害は表向きで、その実彼ら裏切り者を迎えに来ていたことがはっきりとしたからだった。
 御空と奏音は情報の第一発見者として教員会議に呼ばれ、サーバーからダウンロードしたデータを発表した。しかし強化人間部隊のコンピューター群は時限型のワームによってゼロフォーマットされ全ての情報が消え去った。結局奏音が見つけた情報以外は調べることができなかった。
 また、朝斗の調査により鏖殺寺院とミレリア所属のアイドル事務所にはいくつかのダミーを経由して資金のやりとりがあることが判明。また、メールサーバーのログからもいくつかのプロクシ経由で鏖殺寺院との通信記録が発見された。要するにアイドルが寺院に加入したのではなく、寺院がアイドルを育成していたという朝斗の推察は正しいものであったということである。
 そして今回の戦闘時の会話のログから補足され、鏖殺寺院はメディアによって民衆の洗脳を行おうとしていたことが判明した。今後各国政府は自国のメディアの洗い出しを行って寺院への対応を行うことになる。だが、中東やアフリカに金を出している寺院のスポンサーが誰かはまだはっきりとしていない。あるいは先進諸国の政府の中にすらそのスパイがいるのではないかとの疑いはますます色濃くなった。
 
(――しかし、これで機密漏洩ははっきりとした――)
(――獅子身中の虫も外へ消えた――)
(――だが、これだけか?――)
 コリマ校長のパートナーたちの会議は紛糾していた。
 そこにフレイが訪問する。
「次回の作戦ではS@MPも出撃させてください。ミレリア・ファウェイの『歌』には俺達の『歌』で対抗します」
(だがパイロットとしての技量ではおまえたちは大きく劣る)
「それでも! やらないわけには行きません」
(まあいい。お前の信じる『歌』に本当に力があるのなら、それは自然と結果を導くだろう)
「ありがとうございます」
(だがあの電波……機体のコントロールを狂わせるあれにはどうすればいいものか)
「それならば対電波シールドコーティングをしてはいかがかと? 無線やレーダーも機能しにくくなる欠点はありますが――」
(ふむ。そうしよう。用件はそれだけか?)
「はい」
(ならば帰るがいい)
「失礼しました」
 フレイが帰ったあと……
(――ミレリア・ファウェイ以外に鏖殺寺院の『歌』の使い手はいないのか?――)
(――ひとりだけ、と考えるのは不自然だ――)
(――ならばさらに調査を進めねばなるまい――)
(――その通りだ。件の事務所所属のアイドル全員を疑う必要がある――)
(――全部が全部ではないだろう――)
(――とは言え、調査する必要はある――)
(――他にも鏖殺寺院と関係する事務所も――)
(――あるだろう。榊 朝斗には情報の提供を要請しよう。今回の調査で判明したダミーを追うだけでも意味はある――)
 そのコリマ校長の会議の結果に従って朝斗は呼び出され、情報を提供した。
 そして教官たちがそこから資金や人の流れを追いかける。その結果、世界各地の芸能事務所に、関連の有りそうな人物がいることが判明した。『歌』の使い手はミレリアだけではないようだ。
 だが、ミレリア程の才能に恵まれたものはおらず、彼女は例外的に抜きん出ていると考えたほうが良さそうであった…………

 次回へ続く




担当マスターより

▼担当マスター

樹 和寿

▼マスターコメント

 どうも外れたと本人で思っていらっしゃったアクションほど当たったようです今回。
 その逆もまたしかり。
 あと、誰かと絡んでいないアクションは必然的に外れやすいというのも法則のようです。
 今後の参考にでも。

PS:体調の心配してくださる私信を多くいただきました。ありがとうございます。なんとか回復しました。今後このようなことがないように心がけますのでお許しくださいませ。