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料理の激人

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料理の激人

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「さてさて! ハラマタチームの方も料理を提出し、三チームとも出揃いました! ここから審査タイムと行きたいと思います! ではパーパス斉藤さんお願いします!」
「むふふっ♪ 待っていたわよん♪」
「それではまず、『秋を感じる一品』から! ハラマタチームの硬焼き秋刀魚のピリ辛揚げ!」
「それじゃあ、早速いただくわね」
 斉藤が秋刀魚を口に入れる。少しすると目を閉じてゆっくりと咀嚼し始めた。
「……エクセレントッ!」
 そして、いきなりカッと目を見開く。
「このぴりりっとした辛さ、そして歯ごたえ。なによりご飯が欲しくなるこの料理、実にエクセレントッ! 良いわぁ♪ 良いわよぉ♪ みなぎってきたわぁ!」
 最初からいきなり暴走していた。
「良い評価もらえるとホッとしますねぇ」
 レティシアが嬉しそうに言う。
「おっ! いきなり高評価ですね! では次、激人チームのサーモンステーキ!」
 次なる料理が斉藤の前に置かれる。
「いただくわね……。流石ジョニーちゃんね。期待を裏切らないわ。この、サーモンとこのタルタルソースのハーモニー。良い音色を奏でているわぁ! 惚れ直しちゃう♪」
 クネクネと不気味な動きをしていた。ジョニーは当然だと頷いていた。
「そして、最後! 的場チームの栗ご飯!」
「あら、シンプルにせめて来たわね……。こ、これは!」
 斉藤の目が光る!
「シンプルだけに味は難しい。だけれど、しっかりとした栗の風味。ご飯にも栗の風味が伝わっている……。私は栗ご飯を舐めていたわ……! この胸の高まり抑えられなくなっちゃう♪」
「良かったー……。みんなすごい料理で心配したけど、良い評価もらえて」
 ミートンが安堵の声をもらした。
「……いつもあんななのか」
 斉藤を見て、げんなりする海だった。
「さぁ、採点タイムだ! 得点は最高各テーマ十点評価の三十点満点評価だぁ! では、斉藤さん得点をどうぞ!」
「難しいわねぇ……。よし、決めたわ。ハラマタチーム九点、激人チーム七点、的場チーム八点よ」
「よし、まずは一歩リード……!」
 トニーが小さくガッツを決める。
「おっと! ハラマタチームが一歩リードだぁ! だが、まだ勝負は分からないぞ!」

「では『肉料理』に行ってみよう! ハラマタチームから里芋と肉の煮物だ!」
「煮物とは、頑張ったわねぇ……。あら! この短時間でもしっかりと煮込まれていて、軟らかいじゃない! お肉は色んなお肉を使ったみたいねぇ。少しずつ違う味を楽しんでもよし、里芋と一緒に食べるもよし! 良いわ! エクセレントよ!」
「ふぅ……良かった」
 海は小さくため息をついた。
「次は激人チームの肉詰め青梗菜のクリーム煮!」
「これまた、見事なハーモニーねジョニーちゃん♪ 肉と青梗菜がクリームでとってもまろやかクリーミィー♪ 言う事なしよ♪」
「それでは最後! 的場チームの豚のしょうが焼き さつまいも添え!」
「また、シンプルで来たわね……。でも、今のは私はシンプルのと・り・こ♪ このしょうが焼きも家庭の味がして良いわぁ♪ あら、やだ。興奮してきちゃうわ♪」
「……見てられないわ」
 雅羅もげんなりしていた。
「さぁ、斉藤さん! 採点をお願いします!」
「うむむ……」
 斉藤は唸り始めた。
「(どうしようかしら……。どの料理も素晴らしすぎるわ。ジョニーの料理も負けてはいないのは確かだわ。でも……。いえ、まだ一品あるわそこで決めましょう)」
「決めたわ。ハラマタチーム七点。激人チーム八点。的場チーム七点よ」
「現在ハラマタチームが十六点! 激人チームが十五点! 的場チームが十五点! ハラマタチームが今だリード! このまま逃げ切れるかぁ!?」
「これなら……!」
 トニーが再びガッツポーズ。流石のジョニーの顔にも焦りが浮かんでいた。

「さぁ! 最後のテーマ! 『可愛いデザート』だぁ!」
 海がそんなことを気にしている間も審査は進んでいく。
「では、ハラマタチームの絵本のケーキ!」
「あら、これは……。懐かしいわぁ。少し前、はやっていた料理題材に描いた漫画の一コマねぇ。私もこの漫画は好きだったわ。主人公がみんなを喜ばせるために頑張る様は素敵だったわぁ……♪ 登場人物達もしっかり作りこまれている。味は……。甘酸っぱくて美味しい……。食べるのがもったいないくらい素晴らしすぎるわ! インフィニティよっ!!」
「なんで、インフィニティかは分かりませんが良い評価でよかったです」
「次は激人チームのサツマイモのムース、秋の果物添え!」
「……サツマイモと乳製品との相性がバッチリね♪ さっきのクリーム煮同様まろやかでいくらでも食べられちゃうわ!」
「さぁ、これが正真正銘最後の一品! 的場チームの兎栗きんとん!」
「あら、可愛らしいのが出てきたわね♪ これも食べちゃうのがもったいないわぁ♪ しかも、私の知っている栗きんとんと味が違うわ……。なんということなの! こんな栗きんとんを食べてしまったら普通の栗きんとんなんて食べられなくなっちゃうわ! ブラボーよ!!」

「さて、斉藤さん! 最後のジャッジをお願いします!」
「…………」
 今度は唸る事もせず、真剣に考え始めた斉藤。だが、ふと顔を上げた。
「ハラマタチームのケーキなのだけれど、あの本をモデルにした理由を教えて頂戴」
「あ、はい」
「はい、マイクです」
 柚が立ち上がる司会者からマイクを受け取る。
「トニーさんとジョニーさんの子供の頃の思い出の本ということでトニーさんから借りまして作りました」
「そう……」
 それを聞き再び考え込む斉藤。
「ありがとう。私も決心がついたわ」
「では、斉藤さん。採点をお願いします!」
「……ハラマタチーム十点、激人チーム五点、的場チーム十点よ」
 それを聞いてジョニー達、激人チームの面々の表情が一気に驚愕の表情へと変わる。
「これにより、ハラマタチーム二十六点! 激人チーム二十点! 的場チーム二十五点! ということでこの勝負ハラマタチームの勝利です!」
「やった!」
「……よし!」
「やったわね!」
 トニー達、ハラマタチームの面々が歓声の声を上げる。
「どういうことだ! 説明しろ!」
「どうなっている! 話が違うぞ!」