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パーティーは大失敗で大成功?

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序章 「Stand by Ready?」

 気温が下がり雪が降ってきた。
「さみいぃ。このままだと先に凍死しちまいそうだぜ」
 ベルク・ウェルナート(べるく・うぇるなーと)が震える両腕を抱きながら言った。
 その横でレティシア・トワイニング(れてぃしあ・とわいにんぐ)が雲のように白い息を吐きながら大剣を構える。
「的になれば少しは暖かくなるだろうよ」
「そんなの嫌に決まってるだろ! ……俺は後方から魔法をバンバン撃たせてもらうぜ」
 ベルクは二カッと笑うと、向かってくる敵の軍勢を見つめる。
 広い芝生の敷地を≪猿魔エシュ≫と≪機晶ドール≫が入り乱れて向かってくる。
 後方には≪灼熱の猿王――タル≫と≪雷鳴の魔人使い――アンダ≫が控えているはずだが、この軍勢を抜けて挑むのは厳しい。
 今は耐えて好機を窺うしかない。
「どうしたの、おねーさま?」
「え? な、なんでもないです。集中集中……」
 ぼんやりパーティー会場を見つめていたフレンディス・ティラ(ふれんでぃす・てぃら)は、魔鎧となっているアリッサ・ブランド(ありっさ・ぶらんど)に声をかけられ、慌てて自分の頬を叩いた。
 そんなフレンディスにジェイナスが話しかける。
「パーティーに参加したいのだろう? 好きに参加すればいい。ただし――」
 ジェイナスはサーベルを鞘から引き抜くと、狐のような面を被って告げる。
「それはこいつらを全て滅してからにしてもらおう。全員……行くぞ!!」
 生徒達が積もり出した雪を踏みしめながら一斉に駆け出す。同時に敵も一斉に向かってきた。
 華やかなパーティーを背後に今、生徒達の激しい戦いの火蓋が切られた。