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リアクション
「……」
周りを警戒していた鏖殺寺院達が一カ所になって集まり始めていた。
何でも、トイレに行ったきり帰ってこない乗客が居たという話だった。
「よく分からないけどチャンスよね」
雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)は立ち上がり、近くに立っていた鏖殺寺院を勢いよく蹴り倒した。
蹴り飛ばされた鏖殺寺院は勢いよく、通路に倒れ込んだ。
「何をしている!」
それに気がついた鏖殺寺院が遠くから銃を構えながら駆けつけてくる。
「ぐあっ!?」
だが、その鏖殺寺院は突然前のめりになって転けてしまう。
倒れた鏖殺寺院の後ろに立っていたのは白波 理沙(しらなみ・りさ)だった。
それに連れられて、カイル・イシュタル(かいる・いしゅたる)、ランディ・ガネス(らんでぃ・がねす)も立ち上がる。
「血の気多い人達ばかりね」
「ふん、そこまでだ」
鏖殺寺院が1人、雅羅のこめかみに銃口を向けていた。
「ランディ出番よ」
理沙は笑顔でランディを呼んだ。だがランディは口を大きく開けて驚いた表情で理沙の顔を見る。
「ぶ、武器もなしに?」
「何を言ってるのよ、モンクだから行けるでしょ。ほら早く早く」
理沙はランディの襟元を掴むと、勢いよく雅羅の方へとなげつける。
「えっ!?」
雅羅は飛んでくるランディに驚きの声を上げる。
「うわぁああああああっ!?」
鏖殺寺院達の腹部へと綺麗に、ボーリングのようにランディの体があたる。
鏖殺寺院達は叫び声を上げ倒れていった。
「お前達何をしている!」
3名の鏖殺寺院達が騒ぎを聞きつけ、一気に駆けつけてくる。
残りの1人が、ボスへと連絡をとろうとする。
だが、連絡を取ろうとする鏖殺寺院の背後に突然人影が現れる。
連絡を取ろうとしていた鏖殺寺院はすぐに背後の気配に気がつき振り向くが、遅かった。
「きさ――ぐっ!?」
カモフラージュで姿をくらましていたセレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)は一気にとどめの一撃で打ち倒す。
「さあて、反撃ね! みんな好き放題やっちゃて良いわよ」
セレンフィリティが声を上げると、雅羅の周りを囲んでいた鏖殺寺院達が叫び声を上げながら倒れていく。
倒していたのは、セレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)とカイルだった。
「なるべく殺さない方が良いだろ?」
「時と場合によるわ」
カイルの問いかけにセレンフィリティは、きっぱりと答えた。
だが、セレンフィリティはライトニングランスを弱めにしながら鏖殺寺院を倒している。
「ひとまず外へ!!」
「待って!」
雅羅が声を上げながら客室のドアへ手をかけていると、理沙が止める。
「私が先に安全を確認するから、雅羅は後ろからついてきて」
「でも……」
「私なら、いざとなれば超感覚で逃げられるから、大丈夫!」
理沙は胸をグーで叩いた後、客室のドアへと手をかけた。
「わっ――」
客室の出口には1人の鏖殺寺院が立っていることに気がついた理沙は無言で目の前の鏖殺寺院に足蹴りを与えようとする。
だが、鏖殺寺院は華麗に後ろに飛び下がった。
その背後には2人の鏖殺寺院が立っていた。
「っと、もう君たち出てきたか〜」
「えっ……あれ?」
男達は頭につけていた布袋を脱ぎ始めた。
理沙や雅羅を含め全員がその場で目を点にした。
目の前に居たのは鏖殺寺院ではなく、先ほど出て行ったセリオス、クローラ、梅琳だった。
3名はなぜか鏖殺寺院の服装をしていた。
「ふむ……どうしましょうか李大尉」
梅琳は雅羅達を見回した。
「爆弾と運転室を両方叩く必要がある。私はどうしても爆弾解除をしなければならないんだが……」
「私が運転室へ向かうわ」
そう答えたのは雅羅だった。
「……しかし、危険だぞ」
クローラーが厳しい口調で聞く。
しばらく硬直が続く中、不意に雅羅の背後で銃声が響いた。
「ぐわっ!?」
クローラーの背後に、鏖殺寺院が迫ってきていた。
「ふう……危ない。あまり長く話をしてる暇はないよ」
雅羅の背後で二丁拳銃を構えてスナイプしたのはセレンフィリティだった。
その横でセレアナが構えを取っていた。
「私達が背後から援護しますから、雅羅さん達は運転室へ向かってください」
雅羅はセレアナの言葉に強く頷くと、4階、階段の方へと向かっていった。
「そう言うことです、軍人さん達の援護も出来る限り私達が引き受けます」
セレンフィリティの言葉に梅琳は険しい顔をしながらも頷いた。
「そうね、時間は無い。お願いしましょう」
梅琳達は4階、飛空挺の後ろの方へと向かっていった。
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