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リアクション
「せいやっ!」
「……それ、やぁ」
「っと、はっ、あらよっと!」
「そぉい!」
一方的な攻勢を見せる、地球人メンバー。
「ちょっと、厳しいかな……」
体感速度を強化できる二人と人間観察が趣味で、その観察力を持って、的確な攻撃をしかけてくるクリス。
美羽がチラッと後方を見ると、乱れ飛ぶ魔法を掻い潜る二人の姿。
「余所見はいけませんよ」
「っとと」
「……美羽さん、ってミニスカであんなに動いているのに中は全く見えないんですね……。不思議です」
美羽の鉄壁スカートの不思議を観察し始めたクリス。だが、攻撃のチャンスは逃さない。
「よっと」
「……! そこ――」
「シュート!」
着地した美羽へ攻撃をかけようとしたクリス。だが、クリスの持つ大剣へ紅鵡の弾が刺さる。
「っとと!?」
その反動でよろけるクリス。
「! チャンス! チェストー!」
それを逃さなかった美羽の高速キック。
「なんとぉーー!!」
直撃したクリス。
「……ぁ」
吹き飛んだクリスの後ろにちょうどいたサーシャ。巻き込まれて二人は場外へ吹き飛んでいった。
「姉さん!?」
「今のうちに!」
予想外の出来事に反応が遅れたミーシャ。そのうちに美羽は魔法を放つパトリシアのほうへダッシュ。
「むっ!? パトリシア殿、衝撃に備えよ!」
「え?」
美羽の接近に気づいたヴェイン。盾を構え迎え撃つ。
「ジャスティース!!」
美羽の飛び蹴りを真正面から受けるヴェイン。
「ぬうぅぅぅ!!」
ガリガリ地面を削りながら、後ろに飛んでいくヴェイン。もちろん、後ろにいたパトリシアもだんだんと下がっていく。
「ヴ、ヴェイン踏ん張って!」
「ぬぅん!!」
二人が止まったのは場外ギリギリ。
「っととと!?」
パトリシアが落ちそうになる。
「パトリシア!?」
「パトリシアさん!」
助けにいこうとするセレアナとミーシャの前に立ちふさがる美羽。
「ここから先はいかせないよ! さぁ、紅ちゃん、セレンちゃん! よろしくっ」
「……目標を狙い撃つ!」
「終わり!」
紅鵡とセレンによる乱射。少しずつ押されていく
「む、無念っ!」
「わわわっ!? ちょっ! 落ちてこないでぇ!!」
パトリシアとヴェインが場外に落下。
「さぁて、後二人だね!」
「……失礼な話ですが、正直、僕には勝機が見出せないのですが……?」
「そうね。でもやれるところまでやるわよ」
「さぁ、いくよ!」
「僕が……!」
高速で迫る美羽を迎え撃つ、ミーシャ。
「さぁ、いくよセレアナさん!」
「手加減はしないわよ!」
「こちらこそ」
セレアナがフロンティアソードを抜く。
そして、始まるセレンフィリティと紅鵡の弾幕パレード。
「くっ……!」
もちろん、それに近づけるわけもなく……。
「しまった……」
剣を弾き飛ばされる。
「これで終わり」
二人が銃を構える。
「……降参よ」
「チェストー!」
「うっ……」
美羽の高速キックを回避できずミーシャは場外へ飛んでいった。
――客席。
「あいつらもよく頑張るなぁ……」
「よく戦況を覆せるなぁ……」
「うん、そうだね。ナナシどうだった?」
「……ふむ。あのミニスカは不思議だな」
「あなたは何に感心しているのよ!?」
「あんなに、動いても見えないというのだからすごい技術だ」
「まぁ、ほとんどの男子があれに惹かれてたよな」
「鉄壁のスカートだから見られはしないと思うけどね。って、僕が聞いたのはそうじゃなかったんだけど……」
「今のところ、一番怪しいのはサーシャ姉弟あたりだな」
「……そっか」
「さてと、良いもの見れたし勧誘としゃれ込むかな」
「勧誘?」
「あぁ、元々オレの目的はパラ実への勧誘だったしな。この映像あれば、会話の種にはなるだろうし」
「そっか。頑張ってね」
「おう。じゃあなー。そこの君、ちょっといいかな?」
早速生徒に話しかける武尊。
「……さて、僕らも美羽達を迎えにいこうか」
「そうですね」
それを見送ってからコハク達も美羽達の元へと向かうのだった。