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【祓魔師】大掃除には早すぎる…葦原の長屋の泥棒掃除屋

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【祓魔師】大掃除には早すぎる…葦原の長屋の泥棒掃除屋

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第14章 報告会

 魔法学校に帰還した祓魔師たちは、校長室へ向かいさっそく報告を開始した。
「お帰りなさぁ〜い♪順番に、報告をどーぞ」
「エリドゥの近辺で突然、砂嵐が起こったらしいわ。町の人に地図を描いてもらって、実際に…見に行ってみたわ」
「話で聞いたよりも予想以上に、すごい風でとても近づけるような感じではありませんでした」
 フレデリカと綾瀬がエリドゥで得たことを報告する。
「レスリーが怪我をしてしまったのだけど、砂粒でって感じじゃないわ」
「傷を見せてください。ふむふむ…、これは魔性の力による傷ですねぇ」
「フリッカが、アークソウルに反応はなかったといってたよ?」
「おそらくもっと先のほうにいるのでしょう〜。むむ、風の魔性が相手になりそうにですねぇ」
「ビフロンスたちみたいに、操られちゃっているかもってこと!?」
「その可能性はありますぅ〜」
 砂嵐の向こうに操られている魔性が存在する可能性があるとエリザベートが告げる。
「風っていったら俺たちが、教室で相手になってもらったやつみたいなのってことか」
「んー…。たぶん、そうかもですねぇ、刀真さん。1種類の魔性と全て、魔法学校と関わっているってわけでもないですからぁ〜」
「シルキーもそういうことか?」
「えぇ、グラキエスさん。あなたたちは、地下訓練場で同種の相手と会いましたよねぇ?」
 授業が終わった後、魔性から彼らの様子を聞いていたため、グラキエスやフレンディスたちはすでに知っているだろうと思っていた。
「全体と関わっているってわけじゃないんだな」
「性格もそれぞれでしょうけど…」
「ボコールから離れた後は、凶暴な感じはみれなかったぜ?」
「なるほどですね、はい。えっとでは、尋問で確認しましょうかぁ」
 捕縛されているボコールへ寄り、こほんと軽くせきをして見つめる。
「憑依は、あなたちが強制していること…ということですねぇ?」
「さーぁて?」
「せぇええいっ」
 答える気のない相手の腹を陣が殴る。
「拷問やないぞ、尋問やからな?答えなきゃ、もういっぱついっとくか?」
「―…フンッ。それが、わりーかよ?強制憑依は、狂気の落として憑依させるってやつだぜぃ」
「憑かせるのは、まったく別の第三者にもってことなんか?」
「ノンノン術者自身にだけだなー。器に主導権があんのに、なんで第三者に憑かせなきゃなんねーんだよ」
「ほーぉ…。強制憑依させる時って、魔性どーやって操ってんや」
「そぁんなに知りたきゃ、黒魔術を学んでみりゃーいんじゃねーのか」
「たわけが。生命を縮め、傷つけるだけの下法の能力など、誰が学ぶものか!」
 ふざけた態度を取り、下法の術へ誘う相手を睨んだ甚五郎が怒鳴る。
「なぜ、どうして、魔性を操る必要がある?」
「狂気にさぁ、狂わせて取り込まれたくするようにすんのー。暴れたほうが、たのしーだろ」
「何をばかなっ」
「まぁーすすんで協力するよーなやつは、残念ながらいねーんだよなぁ」
「ニクシーやグラッジにも、声をかけたようで…。プリンの愛称がついている相手の名前を、聞きましたよ?」
 せっかく和解した魔性まで巻き込もうとする連中を見下ろして、レイカもニクシーから聞いたことを報告する。
「プリンねーさんなー」
「…その、方の名前は…ディアボロス……だそうですね。純粋な、魔性のようです」
「おぉーよくわかったなぁ?」
「そいつが、テスタメントが食べるはずだったプリンまで買い占めたのですか!」
「時期的に考えれば。遠く離れたところへ、大量のデザート系を運ぶなんて無理だわね。あの気候じゃ、熱で食べられなくなっちゃうわ」
「むむ、となれば…。プリンねーさんは、あの砂嵐の向こうにいる可能性が高いですね!きっとそうですっ」
 恨みの相手はそこに潜伏しているとテスタメントが断言する。
「平和になった地で、また何かやらかそうとしているのか。レイカさん、ニクシーたちと彼らの関わりはあったのかな?」
「いいえ。ありませんでした、涼介さん。ただ、気になることが…」
「何かな…?」
「えっとですね、ニクシーが言っていたのですが。ディアボロスが、赤い髪をした小さな子供を連れているのを見たようです。残念ながら…それは、ヘッドと呼ばれる者ではないですが」
「ふむ、人かな…それとも魔性?」
「どうでしょう。あまり確定的ではなったような…。彼らの仲間……というわけでもなさそうですが」
「ディボロスの特徴は、分かっているするかな」
「それは、テスタメントが説明します!短い髪で、赤紫色をしているようですよ。背はそんなに高くないですが、バストは真宵よりもおっきいようで!」
 比較対象として真宵の名をまたもや口にしてしまう。
「余計なことは言わないっ」
「こ、これも、大事な情報かと。いたたたっ」
「―…先生、あまりにも多数の人が呪われてしまうと解呪に手間取ってしまう。魔道具や術式の開発は行わないのかな?」
「ん〜〜そうですねぇ。少し考えておきますぅ…。エリドゥの砂嵐についても考えたいことがありますからねぇ」
「あぁそうだ、ラスコット先生これを…」
「(これは恋のプリン作戦ですね!)」
 真宵としては社交辞令なのだが、テスタメントは何やら勘違いをしてしているようだった。
「えーっとプリン?…あ、そうそう。これさ、戻ってきたときにあげようと思って」
「な、何ですか。…えっ」
 期待度マックスだった真宵の感情が、いっきに急落してしまった。
 プリンをあげてプリンで返されてしまったからだ。
「皆にもあるんだよね。校長が、どうしても食べたいっていうからさ」
「食べながらお話しましょう♪私のおごりなんで、遠慮なくどーぞ」
 エリザベートはにこにこと嬉しそうに、テーブルへ全員分のプリンを並べた。
 今回の任務について日が沈むまで話しを聞いたという…。

担当マスターより

▼担当マスター

按条境一

▼マスターコメント

大変、お待たせしました。

エリドゥの砂嵐の突破についてなどの、デスク会議プラスアイデア術の考案の予定です。

●能力の上昇。

大掃除リアクションの結果を見て、きっちりいろいろ書きたいなーということろです。
皆さん、いろいろ考えててよいなぁ、と。
元々の道具の能力に合わせてになりますが。


●今回、配布されなかった方の称号配布は、次回行う予定となります。


一部の方に、称号をお送りしました。

それではまた次回、シナリオでお会いできる日を楽しみにお待ちしております。