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平行世界からの贈り物

リアクション公開中!

平行世界からの贈り物
平行世界からの贈り物 平行世界からの贈り物

リアクション

 上映会会場。

 北都達やグラキエス達からの推測などが混じった情報を得た後。
「これが送り主の本か。映像も同じような方法でここに送りつけたのじゃろう。しかし、こちらが得る事の出来る情報が調整されているとすると……」
 アーデルハイトは上手い具合に揃った情報に少しばかり気になっている様子であった。
 その胸の内を代弁したのは
「嫌な予感がするね。まるであの人物みたいだ。ただ逆だけど」
 北都だった。関わった事がある悪事を働く正体不明の魔術師とどこか似ている気がしていた。向こうは情報を残さないようにしていたがこちらは上手い具合にどれもこれも残っている。
「あんな存在があちこちにいるもんなのか?」
 やり合った事がある白銀が忌々しそうに言い放った。
「それは分からぬが、嫌な予感はするのじゃ」
 アーデルハイトは首を振りながらも胸騒ぎは消えぬ模様。
 この話はここで区切りをつけ、次は手紙だ。
「……手紙ですかぁ〜」
 北都から手紙を受け取ったエリザベートはまじまじと確認。
「映像に出ていた手紙とそっくりね」
「宛名の字も同じだから間違いないですよ〜。送り主からですぅ」
 映像から情報収集していたミリアとスノゥが話しに加わり指摘した。
「となれば、映像と同じ事が書かれている可能性があるという事かのぅ。開けてみるのじゃ」
 アーデルハイトは有用な情報があると見て開封を急かした。
 開封し、数枚の紙切れを取り出し、読み始めたエリザベートの表情は強ばり、
「……同化……平行世界……準備はこれの事……向こうにも知らせて……こちらのみんなにも知らせを……」
 読み終わった紙切れを封筒に片付けながらぶつぶつと何事かをつぶやき始めた。
「どうした? エリザベートよ」
「大変ですぅ。大変が迫ってるですぅ。他の学校にも知らせないといけないですよ〜。ここは任せるですぅ」
 中身を問うアーデルハイトを放置し、エリザベートはすごい勢いで校長室に走って行った。おそらく他の学校に手紙の内容を知らせるためだろう。
「……何があったのじゃ? 後で手紙を確認せねば」
 アーデルハイトは危惧が現実となりつつあるのかと不安そうであった。
 それはこの場にいる皆も同じだったが、この日の内に手紙の内容を知る事は出来なかった。

 上映会終了後。
 北都はレシピか手記が映っているかもと思い許しを得て映像をチェックしていた。
 すると
「……この手前の棚に入っているのは旅団の手記だねぇ。こちらからあちらに行ったのか、あちらにもいるのかは分からないけど」
 北都は翠達が登場している大図書館の映像から黒色の表紙を発見した。名も無き旅団に関わった事があるためすぐに発見出来た。
「おいおい、平行世界じゃ手に入れられないぞ」
 白銀は肩をすくめながら言った。まさにその通りである。場所が判明しても簡単には取りには行けない上になぜそこにあるのかの疑問も残っている。
 その事はすぐにアーデルハイトに報告された。
「……一体どういう事なのじゃ」
 北都と同じ事を考えるアーデルハイトは顔中を疑問の色に染めていた。

 とにかく無事に上映会は終了し、希望者には映像データのコピーが配布され、収集された情報は手紙の内容以外皆に拡散された。
 そして、エリザベートは他校の校長達に手紙に指示された通り、内容を伝えて収集された平行世界の情報をまとめた報告書とにらめっこをしていた。アーデルハイトは言葉通り手紙を確認し、迫る問題に苦い顔をしていた。
 その問題の手紙の内容とは、機密事項とばかりに口を閉じていた。実際は、話す機会を選んでいるようでもあった。
 ただ、明確なのは何か問題が起きつつある事だけであった。

担当マスターより

▼担当マスター

夜月天音

▼マスターコメント

 参加者の皆様お疲れ様でした。そしてありがとうございました。
 ガイドの時点で平行世界版の双子の名前は無かったのですが、リアクションにて不便だったためヒスナとキスナと名前を入れました。
 その二人と絡んで頂いたり大切な誰かと過ごして頂いたり賑やかに盛り上げて頂いたりと皆様のアクションを楽しみながら書かせて頂きました。
 そして、調査員の方々のおかげで何やら不穏な事が起きる事が判明し、エリザベートが慌ただしく動き始めました。イルミンスールは本日も大変です。
 下記からはリアクション最後に登場しました本日収集して頂いた情報の報告書となります。

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【平行世界からの映像データについて】


■映像の撮影者・送り主について
姿は未確認、声は感情が無いかのような淡々としたもの。サイコメトリによる読み取り調査にて撮影者と送り主は同一人物である事が証明された(大図書館にて調査員が撮影者が自ら正体を記したという書物を発見した。書物は現在分析中)。

■手紙について
(映像)
シャンバラ教導団、金鋭峰に渡された手紙だが、映像では内容の確認は不明。

(現実)
当校の校長宛に届き、中身を確認したが内容は、校長達の意向により伏せされている。
校長の言動から何らかの危機を伝えるものである事は確かな模様。おそらく、「同化」というものが関わっており、今回の贈り物もそこに起因する模様。
内容については校長により、他校に知らされた。

■物品から読み取った内容について(視点は全て撮影者である)
・カード
「これを見れば貴方達は平行世界があると知り準備をしてくれるだろう」(カード封入の際)
・リスト
「貴方達鑑賞者が馴染みが持てるように同じ年齢か確かめておいた」

・USB
「平行世界のそれぞれの学校には警告を送ったのでこちらの世界は貴方達に任せる」

・書物
「貴方達がこれを見れば自分について知る事が出来るだろう、発見されてもされなくても構わないのだが」(本を置きながらであり時期は映像が届く前)

上記により、こちらが読み取る事を念頭に伝言を残した事が明白である。
そして、書物の読み取りにより、以前ここに来た事があるらしい事が判明し、映像を送った方法は本と同じ方法(こちらに来訪したか物だけを転送したかは不明)である可能性が高い。
伝言以外、読み取れない事から現在イルミンスールを騒がしている正体不明の魔術師との類似性を感じる調査員あり。警戒が必要。

■付属品について
カードやラッピングに使用された包みは普通の文具店で購入可能な物。
媒体であるUSBは普通の家電店で購入可能な安物。
媒体の容量を遙かに超えた映像が入っていたが、映像自体に圧縮した形跡や魔法の気配は無し。調査員の推測によると撮影機器に何らかの工夫がある可能性が高い。
映像ファイルは年以外は同じであったり別だったりとばらばらの模様。ファイル作成者は全て撮影日になっている。

■その他
上映会終了後、調査員により現在当校が保管し、調査中である名も無き旅団の手記を発見した。黒表紙である。
ただし、平行世界に存在する理由は不明。仮定として下記が挙げられる。

・何らかの方法でこちらから送られた。
・平行世界に旅団が存在する。

現在、確認する手段は無いため一時保留。

今回、収集された情報の確認作業は現在も続行中だが、報告は以上である。

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