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第三章:奇跡のサンタ大作戦

「まずいぞ。大急ぎでサンタを探さなければ」
 その夜、斎賀 昌毅(さいが・まさき)はクリスマスで賑わう街を駆けずり回っていました。
 せっかくのクリスマスなのに、皆と一緒に浮かれている余裕などありませんでした。
 恐怖の『サンタクロース捕獲作戦』が始まってしまうのです。
(なんてこった。俺は見てしまった……)
 それは、今年もクリスマスが近くなってそろそろクリスマスの準備をしなければならないと思っていたときの事でした。
 昌毅の家に住むパートナーの年少組が、何やらこそこそしながらノートを広げて話し合っていたので、また悪巧みでも企んでいるのかと思い隙を見てノートを盗み見たら……。
 そこには、『サンタクロース捕獲計画』がびっしりと書き込まれていたのです。
 クリスマスに家で一人留守番してる少年が泥棒をやっつける某映画並みに殺意に満ち満ちたトラップが満載の計画書でした。
 昌毅にはすぐに想像がつきました。パートナーたちの腕ならクリスマスまでにあのトラップ全て完成させるのは容易だろうと。
 立場的にサンタさんをやらなくちゃいけないのは昌毅なのですが。あんな魔窟に飛び込んだら確実に死ぬ自信があります。
 それくらい凶悪だったのです。
 誰か代わりに生贄もといサンタさんをやってくれる人はいないのでしょうか。でないと、彼が死にます。
「すいません、家の子供達は悪い子だからサンタさん来ないんです。可哀想なので誰か代わりに彼女達のサンタさんになってやってくれませんか?」
 昌毅は、街行く人たちに必死で呼びかけます。写真紹介つきです。あの子たちは、見てくれは可愛いのです。きっと引っかかる人がいるはずです。
「お願いします〜。サンタさ〜ん!」
 彼の呼びかけに答え、困難から救い出してくれる人は現れるのでしょうか。

 いったん場面を移しましょう。