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目からビーム出そうぜ! ビームだよビーム!

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目からビーム出そうぜ! ビームだよビーム!
目からビーム出そうぜ! ビームだよビーム! 目からビーム出そうぜ! ビームだよビーム!

リアクション

                              ☆
 

「その話、乗ったのだあああぁぁぁっっっ!!!」
 クドの呼びかけにいち早く立ち上がったのは、木之本 瑠璃だった。倒れたままの相田 なぶらを無理やり立ち上がらせ、再び輝き出したクリスタルを握りしめる。
「……よし、やろう瑠璃、これで最後だあああぁぁぁっ!!!」
 なぶらと瑠璃の二人は、最後の力を振り絞って、熱いビームを放った!!
「勇者ビィィィィィィム!!!」


 小鳥遊 美羽とコハク・ソーロッドも、いいところで邪魔された青春のたぎりを、ビームに昇華させて夜空に放つ!!
「ハートビート・ビィィィム!!!」


 リュース・ティアーレは遠野 歌菜に合図をする。
「フハハハ……やはりこうなりますよね、最後はみんなでビーム!! これでこそ!! さあ、目と口からビィィィムッ!!!」
「マジカル☆アイドル☆ビィィィムッ!!!」


 ネージュ・フロゥは最後の激辛カレーを食べ、ディアーヌ・ラベリアーナと共に最後のビームを放つ!!
「オーーー!! バーーー!! キーーーーーーールッッッ!!!」
「ぽ、ぽぽぽぽーーーんっ!!!」


 コトノハ・リナファとルオシン・アルカナロードも二人合わせた合体光線を放った。
「ラブラブ夫婦ビィィィムッ!!!」


 地味にクラゲ駆除を続けていた水神 樹と東雲 珂月も気力を振り絞って、珂月の髪から協力ビームを発射する。
「ハエトリソウビィィィムッ!!!」


 クロス・クロノスは狐の獣人、カガミの尻尾をもふもふしながらも、強力な波動砲を撃った。
「波動砲、発射ーーーーーーーーーっっっ!!!」

 ライカ・フィーニスはレイコール・グランツに驚きの声を上げた!!
「すごいよレイ!! さっきお腹の中から声が!! お腹の中から!!」
「クリスタルを食べるからだっ!!」
「よーし、エネルギー充填だ!!」
「何バナナを食べているのだっ!!」
「バナナビィィィムッッッ!!!」
「もういい加減にしたまえーーーっっっ!!!」
 ライカのアホ毛からはビームが放たれ、レイのハリセン型クリスタルは最後の仕事をしに、ビームと化して飛び去っていく。


「俺は!! 環菜を世界で一番!! 愛しています!!!」
 影野 陽太の身体から竜のようなオーラが立ち上り、それらのビームをひとつにまとめあげて金色に輝いた。


 そこにさらに、宇都宮 祥子のレプリカ・ピックディッパーが唸りをあげた。
「レプリカビックディッパー…私に力を貸して!グランシャリオ・ネメジス!!!」
 そして、樽原 明は空中に飛び上がって激しく回転!! そして全方向にビームを撃ちまくる!!
「グロリアスレヴォリューション!! 3・6・0!!!」


 その飛び散ったビームをクリスタルの箸で集めて、情熱クリスタル本体へと向けたのが朝霧 垂である。
「よっと……、撃ち漏らしはいけないねぇ!!」


 そこに、五条 武、ルカルカ・ルーの協力ビームが炸裂した!!
「いい加減、終わりにしろやーーーーーーーーーっっっ!!!」
 武の怒りの炎に、ルカルカの光術ビームが合体し、極大魔砲となって放たれる!!
「行っけーーーーーーーーーっっっ!!」
 そして、その一部始終を録画しておいたダリル・ガイザックは呟いた。
「安心しろ、あとでこの様子を配信しておくから、知名度は多少上がる。……まあ、望むべく知名度かは知らんがな」


「あ……『そ』でしたら『蒼空のフロ』
 ラムズ・シュリュズベリィの呟きに、クロ・ト・シロは大きなダメ出しをした。
「はいダメーッッッwww、メタ発言禁止!!wwwww」
 まだしりとりしてたんですか。


                    ☆


 街中から数限りないビームが情熱クリスタル本体へと集まっていた中で、匿名 某と大谷地 康之の準備が完了しようとしていた。

「よっし、某!! 準備はいいかあああぁぁぁ!?」
 気合の入った康之につられて、さすがの某も気合を入れる。
「ああ!! いつでもいいぜ!!!」
 目からビームこそは撃たないが、必殺技と聞いては黙っていられないのが男の子。
 アウタナの戦輪を、サイコキネシスで某が着込んだアーティフィサー・アーマーの前に高速回転させ、その戦輪の中にロケットパンチを両手が組まれた状態で差し込んである。
 某の右肩に康之が手を沿え、左肩にフェイ・カーライズが手を置いた。
「ったく……なんで私が……」
 文句を言うフェイを、全員の後ろの立った結崎 綾耶がなだめた。
 綾耶の背中には今ははっきりとした形で輝く翼がある。長時間情熱クリスタルの力に影響をうけたことで、彼女の身体に変化が訪れたのだろうか。
「……行きますよ……某さん……!!」
 綾耶が精神を集中させると、四人が光で満たされていく。
 それは、徐々にアーマーから戦輪、ロケットパンチへと満たされていき、やがてはひとつの大きな光になった。


「天魔光滅!! ファントム・ストライク!!!」


 某と康之の叫びに、巨大なビームが放たれる。

 そこに、ビルの谷間から鬼崎 朔が飛び上がった。
 月読 ミチルが母であると知り、魔鎧である彼女を装着した朔は、白布を基調としたヒーローへと変身したのだ。

「真・月光蝶仮面、参上!!」
 ミチルの中の、父親の声が朔に話しかけた。
「さあ……行くぞ、わが娘よ。全ての力を出し切るのだ!!」
「――はい!!! ムーンライト・ビィィィムッッッ!!!」
 裂ぱくの気合と共に、朔からビームが放たれる。
 それは、まるで月の光のように美しく、清らかな光だった。


 影野 陽太の出した竜のようなオーラビームと、五条 武とルカルカ・ルーの極大魔砲。そして某たちのファントム・ストライク。
 さらには真・月光蝶仮面のムーンライトビーム、そして数限りないビームが情熱クリスタル本体に照射され、先ほどまでとは比べ物にならないほどの輝きを放ち出すのだった。


                    ☆


 その頃、緋ノ神 紅凛(ひのかみ・こうりん)は目を覚ました。
「ん……」
「良かった、目を覚ましましたね」
 見ると、自分を抱き起こしている男がいる。
 パートナーの奏 シキ(かなで・しき)だ。
「シ、シシシシシキッ!?」
 状況が良く飲み込めていない紅凛は慌てた。
 紅凛もまた情熱クリスタルを手に、クラゲの脅威から街を救うべく活動していたのだが、やはりビームの打ちすぎで倒れてしまったのである。
 そこに、パートナーであるシキが駆けつけた、というわけだ。
「そ……それはいいんだけど……」
 紅凛は頬を赤らめて呟いた。
 倒れていた紅凛を抱き起こしたので、シキと紅凛は密着している。
 紅凛は可愛い子には見境ないのだが、本当に好きな相手にはなかなか触れられないのだ。

「いいえ……この手は離しません」
「……え」
 しかし、シキはいつにともなく紅凛の瞳を真剣な表情で見つめた。
「この間のお花見での……返事をしようと思います。今、ここで」
 先日、二人で行った花見で紅凛は飲みすぎ、その場の勢いで告白してしまっていた。
 酒に酔っていたこともあってまだその返事は聞けていなかったのだけれど。
「そもそも紅凛が覚えているかわかりませんからね……でも、いいのです。私は私の気持ちに正直でありたい」

「……シキ……」
 紅凛もまたシキの瞳を見つめた。深い瞳の色に、吸い込まれそうになる。
「紅凛……私も紅凛のことが、好きです。
 紅凛の夢のため……いいえ、紅凛の全てのために、私の全てを捧げましょう」
 そう言って、シキは紅凛を抱きしめる。
 紅凛もまたシキを抱きしめて、うっすらと涙するのだった。
「うん……ありがとう……」

 だが、今が非常時であることに変わりはない。シキは立ち上がって、紅凛の手を改めて取った。
「……立てますか?」
「ああ! 当然だ!! これまでにないほど気力がみなぎってる!! さっさと片付けて、帰ろう!!!」
「はい!!」

 紅凛とシキの二人は、互いの手を取ったまま、前方に大きく撃ち出した。
 目標は当然、情熱クリスタルの本体である。


「必殺!! シャイニングハート・ビィィィィィィムッッッ!!!」


 その様子を遠くから眺めてたのが、姫神 天音(ひめかみ・あまね)ブリジット・イェーガー(ぶりじっと・いぇーがー)だった。
 ようやく想いを通じさせた二人に、天音は涙を流して喜ぶ。
「ああ、見て下さいブリジットさん……あれが愛の力なのですね……」
 その言葉に、ブリジットもまた大きく頷いた。
「そうだな……愛とは、かくも偉大なものなのだな……」
 紅凛とシキから放たれたビームが、最後に情熱クリスタル本体に輝きを与えた光景を眺め、天音は呟いた。

「これで……これで紅凛のセクハラが収まるといいのですけれど……」


 天音さん残念でした、セクハラは別腹だそうです。



                              ☆