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図書館の自由を守れ

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図書館の自由を守れ

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7日目 土曜日




 放課後・図書館。
 今日はいつも以上に図書館に活気があった。
 解放された娯楽図書を棚に陳列するため、多くの生徒が手伝いを申し出てくれたのだ。
 その中には、先生の説得に貢献した生徒たちの姿もあった。
 棚に本を並べながらも、時折本を手に取り読みふける、そんな光景もちらほらと見受けられた。
「ようやく図書館にも活気が戻って来たね」
「でも、この一週間も結構騒がしかったけどね」
 初島伽耶と久世沙幸は、笑い合いながら廊下を歩いていた。
「なんだろ、これ?」
 伽耶は掲示板の張り紙を見つけた。
「この者達、校則違反につき、一週間の図書館大清掃を命じる……、だって?」
「何したんだろうね?」
 二人は首を傾げた。


 立ち入り禁止区画では、昨日の戦闘の片付けが行われている所だった。
 勿論、掃除にあたってるのは図書館制圧チームとゴーレムスレイヤーの面々である。
「まさか、本当に図書館大清掃する羽目になるとはね……」
 蒼空寺路々奈はため息を吐きながら、散らかった本の片付けをしている。
「自業自得とは言え、いっぱい本投げたからなぁ……」
 そこら中に転がってる本を見つめ、御風黎次は気が遠くなるのを感じた。
「俺も本読みに行きたいぜ……」
 葉月ショウは肩を落とし、昨日投げた物理学の本を手にし、また肩を落とした。
「ほらほら、無駄口叩いてないで、しっかり掃除しろよ」
 そう言って注意したのは、東條カガチだった。
 彼と風森巽は、ゴーレムの破壊を食い止めた功績が認めらた。
 ただ、立ち入り禁止区画に入った点で怒られ、罰として掃除の監督を命じられている。
「うう、この裏切りもん……」
 床の雑巾掛けをしながら、ウェッジ・ラスターが悲壮な声で言った。
「あのなぁ。監督って言っても、結局掃除させられてんだぞ……」
「柳川先生からの差し入れ持ってきましたよ」
 大量のペットボトルを台車に乗せて、巽が現れた。
「なんだかんだで、結局優しいんだよねぇ」
 ペットボトルを受け取り、カガチは静かに微笑んだ。


 図書館の一角では、山のように積まれた本を前に、生徒たちが唸っていた。
 唸っているのは、先生を口説いていた彼らである。
 先生から「年間読書量が500冊以下の人とはお付き合いしません」と言われ、途方に暮れている。
「つーか、こんなに読めるか!」
 瀬島壮太が吐き捨てるよう言った。
「なら、僕が読みます」
 本の山に駆け寄り、大草義純は物色し始めた。
「あ、てめ……」
 しばらく黙っていた壮太だったが、結局本に向かうのだった。


 そして、貸し出しカウンターでは……。
「先生! お勧めの本を教えてくださいっ!」
 小谷愛美は元気に言うと、カウンターの向こうの人物を見つめた。
「いいですよ。じゃあ、私の大好きな恋愛小説を……」
 そう言って、柳川先生は明るく微笑んだ。




 おわり。

担当マスターより

▼担当マスター

梅村象山

▼マスターコメント

楽しく書かせて頂きました。
今回は五名の参加者の方に、称号を贈らせていただきました。
どうぞご活用ください。