First Previous |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
Next Last
リアクション
「無理は禁物ですよ」
本郷翔は雷発生装置を起動させる起木保の前へ。雷の発生と共に【轟雷閃】を繰り出す。全てを尽くした攻撃に、魔物の数は減少していく。
「ふぅ、やっと減ってきた気がするねぇ」
額の汗を拭い、佐々良縁は【スプレーショット】を周囲の魔物に浴びせる。
わらわらと無数にいるように見えた魔物だったが、今は数えられるほどだ。
「もうひと頑張りだねぇ」
眠そうな顔を笑みに変えて、アーミーショットガンを構える。背後で蚕養縹が警戒していることを感じながら攻撃を再開した。
「はいはーい、攻撃はこっちにどうぞー」
木刀を回し、グレムリンの注意を引く八神誠一。
「死なない程度にがんばるのだよ〜」
オフィーリア・ペトレイアスが、そんな彼に軽く告げた。
「リア……」
返す言葉を失いつつも木刀を振って、グレムリンの突撃を振り払う。前方では起木保の雷発生装置による雷が炸裂。
八神誠一が振り払ったグレムリンを撃つ。再び雷発生装置を使用しようとする起木保を確認し、木刀を構えた。
アントライオンの進行を止めるために、木刀を突き立てる。すると横からグレムリンが体当たりしてきた。
「うっ……」
怯みつつ【光条兵器】で反撃。遅れてオフィーリア・ペトレイアスの【ヒール】が彼を癒した。
【奈落の鉄鎖】の範囲内に入ったグレムリンを、起木保が攻撃する。見届ける九条風天。
「雷発生装置起動!」
連携した雷がいくつも重なり、アントライオンやグレムリンを一網打尽にする。
「先生、だいぶ戦闘に慣れてきましたね」
九条風天は、魔物達が倒れていく様を目にしながら、起木保に語りかける。
「ああ、少しコツをつかんできたようだ」
頷いて起木保が雷発生装置を使用。そのとき流砂の中から、新たにアントライオンが飛び出てきた。起木保を狙っている。
「邪魔はさせません」
九条風天が妖刀村雨丸で斬り攻撃を防ぐ。
無事に起木保が発生させた雷に合わせ、ソア・ウェンボリスが【雷術】を使用。威力を増した雷がグレムリンを倒す。
「あと少しですね、先生!」
「先生が頑張ってるからだぜ!」
ソア・ウェンボリスも雪国ベアも起木保に微笑みかけた。魔物の全滅は近い。そう感じられるほどに、魔物の姿が減っていた。
「いや、僕は何もしていない。頑張っているのはコレだ」
心から嬉しそうに、起木保は雷発生装置を撫でた。ソア・ウェンボリスはそんな起木保の様子を微笑ましく見守った。
「みんな、気を抜かないようにね!」
岩陰に潜むグレムリンに【光条兵器】のクロスボウを撃つ椎名真。残りの魔物を掃討することに心を砕く。
「あれ、蒼は?」
感じた疑問もすぐ魔物の攻撃に消える。
一方、その背後では彼方蒼が使い物にならなくなった火炎放射機を抱えていた。
「むうぅ……これもガシャーンバキーンって動かないかなー」
彼方蒼は機械が微動だにしないことに頬を膨らめ、かじりついた。部品に傷がつき、唾液にバチバチと音を鳴らす。
「!」
彼方蒼は思わず身を引く。【隠れ身】を使用し、【ヒロイックアサルト】を使用する椎名真の背後へ。
「左之助兄さん直伝……気合の、いちげ……って蒼!」
叫んだその瞬間、放置された火炎放射機に増強された【轟雷閃】の雷がぶつかった。
「先生逃げてー!」
「先生、あぶねぇっ!」
危険を察知した七枷陣が叫び、蚕養縹は起木保を突き飛ばした。
ドオオオオオオオォン
「うわっ!」
「ひゃっ!」
「あぢゃぢゃぢゃぢゃーっ!」
蚕養縹は叫び、その場にのたうち回った。
火炎放射機が爆発。蚕養縹のほか、近くにいた日比谷皐月、雨宮七日、譲葉大和、東條カガチ、七枷陣を爆風に巻き込んだ。
気を失い、傷を負い、倒れた人々を見た彼方蒼の表情が崩れる。
「ごめんなさぁーーいーー!!」
「まさか今の蒼!? ごめんっ! 本当にごめんっ!」
耳と尾を伏せ大泣きする彼方蒼の様子に事態を察知した椎名真が、何度も頭を下げた。
「椎名くん……保護者なんだから、ちゃんと見てないと駄目だよー」
東條カガチは椎名真に言ってぱたりと砂に顔をうずめた。
「わ、皆さん、大丈夫ですか!?」
爆発に巻き込まれた人々に、ソア・ウェンボリスが近付いた。
「今回復します!」
告げて【ヒール】を唱え、爆発に巻き込まれてしまったメンバーの傷を癒した。
ヴァーナー・ヴォネガットも、とてとて近付いてきて愛の宿り木を取り出した。
「みんな元気になるです!」
くるくると回って愛の宿り木を振り動かし、掲げて爆発に巻き込まれたメンバーを回復する。
「ヒールより治るぜ。任せとけよ」
駆けつけた夏侯淵も、愛の宿木を使用。全員の傷が癒された。
「あぁ……僕の機械が、また……」
「しっかりしろよ、機晶姫が待ってるぜ」
落ち込む起木保の背を、雪国ベアが押す。【ヒール】や愛の宿り木で、なんとか持ち直した面々もそれに続く。
「先生、ここですよね!」
黒脛巾にゃん丸が嬉々とした声を上げる。
「……そうだな」
起木保が足を止めた。目前には、立入禁止区域を示す立札。
「ほら、行くわよ!」
虎鶫 涼の手を引き、リリィ・ブレイブが進む。
今まで後方から銃で支援していたエヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)が飛び出した。
最前線で攻撃していたロートラウト・エッカート(ろーとらうと・えっかーと)と合流し、前へ。
「すまん、俺はゴーレムを倒しに行かせてもらう! 幸運を祈るぜ、友よ!」
振り返らずにそのまま言い残して、駆け出した。
「ゴーレムは、この先か……」
ハンドガンを用いてグレムリンを掃討していたデューゼ・ベルモルド(でゅーぜ・べるもるど)が、立入禁止区域の先を見遣って呟いた。
そんな彼の背後に、ロア・ワイルドマン(ろあ・わいるどまん)が近付いた。
「ゴーレム退治に行くのか? 俺も行くつもりだ。共に来ないか?」
「好きにしろ……」
そっけなく言いつつも、ロア・ワイルドマンに従い歩くデューゼ・ベルモルド。
八重歯を光らせて微笑み、ロア・ワイルドマンが立ち入り禁止区域に踏み込む。デューゼ・ベルモルドも続いた。
そんな面々に、ゴーレムと戦おうとやってきたメンバーも続いた。
「先生、行こうぜ!」
緋桜ケイの言葉に頷き、起木保が一歩を踏み出した。
First Previous |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
Next Last