空京

校長室

建国の絆(第3回)

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建国の絆(第3回)
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リアクション


始めに



 本リアクションは、以下のようなページ構成になっております。
 目的のページを探す際の目安とされてください。


 2014年      1
 百合園レース展 2
 イリヤ分校    3
 パラ実校長探し 4
 略奪対策     5

 内通者探し    6
 ドージェ     7、8
 教導団の戦い   9

 空京市内防衛  10
 寝所突入     11、12
 誘拐少女救出  13
 ヘル・ラージャ  14
 砕音とヒダカ   15
 救世主復活    16、17、18




2014年


 2014年、東京郊外。
 マンションの一室に、多くの警察官が出入りしていた。殺人事件が起きたのだ。
 被害者は、その部屋に住む大学準教授、小野谷章吾。パラミタのゆるヶ縁村で発見された古代線路と魔列車の発掘に携わった一人だ。
 警部が被害者の書斎を調べていると、リビングで若い女性のヒステリックな声が響いた。
「金品目当ての強盗のワケないでしょうッ?! 彼は暗殺されたのよ!」
 警察官を押しのけて、その女性が書斎に飛び込んでくる。
 捜査中だった警部が鼻を鳴らす。
「部外者を入れたのは誰だ?」
 彼女は警部に食ってかかる。
「部外者じゃないわ! 私は小野谷準教授の友人よ。彼は空京建設に反対して殺されたの。残されたデータを調べれば分かるはずよ」
「それなら間に合ってますよ。データは、パソコンも盗まれてますし残ってませんねぇ。……おい、お前ら、彼女をお送りしろ」
 周囲の警察官が女性を取り押さえにかかる。彼女は警察の態度に驚き、そして口元に歪んだ笑みを浮かべた。
「……そう。これが日本国政府のやり方と言うなら、こちらも相応の方法で相手してあげるわ」
 警察に、彼女の言葉の意味は判らない。だが、その異様な目のギラつきに気圧されて後ずさった。


「章吾……、馬鹿な人」
 マンションを飛び出し、彼女はつぶやいた。小野谷準教授の言葉が脳裏に蘇る。
(ゆるヶ縁村の地下には大いなる禁忌が封じられている、と俺が証明してみせるよ。その上に多くの人々が暮らす街を作るなど、ありえないって。だから君も、仲間が殺されているのは辛いだろうけど、手荒な事はしないで欲しい。君の手を汚させたくないんだ)