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リアクション
ゴーストイコンとの戦闘
天御柱学院のイーグリットとコームラント合計40機が出撃し、
ゴーストイコン部隊に接敵する。
中世の騎士のような姿のゴーストイコン部隊は、
剣や槍、弓といった武装を持ち、
随伴歩兵部隊も、同様の姿のアンデッドである。
随伴歩兵には、飛行能力のあるものとないものがおり、
飛行能力のないものは、地上を進んできていた。
アルファ小隊は、各個撃破を目指し、進軍する。
天司 御空(あまつかさ・みそら)と
白滝 奏音(しらたき・かのん)の搭乗するコームラントは、
遠距離支援機であることを生かし、
指揮官機らしきものの有無や、
ゴーストイコンの機体間連携の有無、
戦場の変化への対応の有無が存在するかどうか観察していた。
(今のところ、目立った動きをしている機体は存在しないようです)
精神感応で奏音は御空に伝えてくる。
カメラとレーダーを交互に確認し敵の位置を確認するのが、
奏音の役割であった。
「了解。随伴歩兵に弾幕を張る」
実弾式汎用機関銃で、攻撃担当の御空は随伴歩兵を蹴散らす。
■
「ヴァイスハイト、突撃する。
援護を頼む」
柊 真司(ひいらぎ・しんじ)と
ヴェルリア・アルカトル(う゛ぇるりあ・あるかとる)の搭乗する、
イーグリット、TACネーム「ヴァイスハイト」が、
ビームライフルを連射しながら、接近し、
ビームサーベルでゴーストイコン部隊に切り込む。
「了解、援護します!」
月舘 冴璃(つきだて・さえり)と
東森 颯希(ひがしもり・さつき)の搭乗するコームラント「アーラ」は、
大型ビームキャノンで、「ヴァイスハイト」を援護する。
「真司! 前方から敵機接近!」
ヴェルリアは、パートナーに注意を促す。
「お前の相手は俺だ」
真司は、横をすり抜けて「アーラ」に接近しようとするゴーストイコンを
ビームサーベルで薙ぎ払う。
「冴璃、随伴歩兵がヴァイスハイトに接近してるよ!」
颯希は、パートナーに指摘する。
サーモグラフィーに映らないと予想していたアンデッドの随伴歩兵だが、
たしかに、目視で確認して対応していく必要があった。
「了解です」
「アーラ」は、実弾式汎用機関銃で、随伴歩兵を撃破する。
(ビームキャノンは無駄撃ちしないように注意です)
敵の能力は未知数だからと、慎重に行動していく冴璃であった。
■
アルファ小隊の天司 御空(あまつかさ・みそら)だけでなく、
榊 孝明(さかき・たかあき)と益田 椿(ますだ・つばき)、
笹井 昇(ささい・のぼる)とデビット・オブライエン(でびっと・おぶらいえん)が、
それぞれ搭乗するイーグリット2機も、
敵を観察するため、敵全体を見渡せる場所に移動していた。
(自律行動ができないなんてことはないだろうが、
生きている人間と同様の行動ができるかと言えば怪しい。
どこまで連携を取っているんだ?
相手も小隊単位で行動しているのか?)
孝明は、冷静に見極めようとする。
「問題はどこから監視しているかだが、
森の中だと視野が制限されるから、
ゴーストイコンの中に紛れているか、
空戦空域のさらに上空から見ているかのどっちかだろう。
見つけ出して、そいつを叩けば戦況を打開できるはずだ」
昇も、パートナーのデビットの提案通り、
高高度に上がって、集団から外れて行動している存在を探そうとする。
「おそらくは無人機なんだろうが……。
指揮官機はいないのか?」
デビットがつぶやく。
「指揮官は存在しないが、
機体間の連携や、戦場の変化への対応なら多少はできるようだな」
昇は、ゴーストイコンを見回して言う。
「……それにしても、
あんなにボロボロになってもまだ戦わなきゃいけないなんてどんな気分なのかしらね」
椿は言う。
(もし、操られてるなら、いつかあんたたちの仇も取れるかもね)
「……ま、まずはそこまで生きてなきゃいけないけど。
!? 孝明、まずいよ!」
椿はパートナーに注意を促す。
外れた場所にいるイーグリット2機に複数のゴーストイコンが接近してきたのだ。
「しかたがない、隊列を組みなおそう」
孝明は答え、2機は友軍に近づいていく。
■
ミルト・グリューブルム(みると・ぐりゅーぶるむ)とペルラ・クローネ(ぺるら・くろーね)、
和泉 直哉(いずみ・なおや)と和泉 結奈(いずみ・ゆいな)の搭乗するイーグリット2機は、
山葉 聡(やまは・さとし)と
サクラ・アーヴィングのコームラントに通信を入れる。
「うわーん、オバケ怖いようっ!」
ミルトは、途中もずっとサクラに話しかけたりしつつやってきたが、
ゴーストイコンを見て怖がっているフリをする。
幼い容姿を武器にしたミルトの作戦であるが、サクラは無視している。
「ミルトは落ち着いてくださいな。
先ほどの声、若い男性の声のように感じましたわ……。
ゴースト、死者の世界からやってきたと言うのなら
ナラカから湧き出してきたのでしょうか?
サクラさんは、何か感じますの?」
ペルラは、ミルトをなだめながら言う。
「サクラさんは『あれは死人よ』って言っていたけど、
もしかしたら敵の正体に心当たりがあるのかな?
本当に死人なら、ネクロマンサーのような存在が操ってるのかな……?」
結奈も、サクラにたずねる。
「ただ、穢れを感じただけだから」
サクラはそっけなく答える。
「サクラ、一緒に戦ってるんだから、もっと仲良くしようぜー?
わりいな、後でよく言っておくから」
「私は聡さんだけを見ているの。私には聡さんだけ……」
「……おいおい」
聡はサクラのフォローのコメントをするが、
サクラが聞く様子はない。
一方、ミルトは、
精神感応を使用して、謎の声の主の場所を探ろうと思っていた。
(あれがテレパシーに近い能力で
通常パートナー同士の間でしか合わない周波数のようなものを、
合わせてきているのなら
発見できるかもしれないかな?)
しかし、ミルトの側から、謎の声に語りかけることはできなかった。
(ほらほら、そんなことしてると攻撃されちゃうよ)
「!?」
突然、その謎の声が聞こえて、
索敵が一瞬おろそかになったミルトとペルラのイーグリットに
随伴歩兵が群がってくる。
「大丈夫か?」
「今のうちに!」
「あ、ありがとう!」
直哉と聡の攻撃で難を逃れたミルトは礼を言い、一緒に随伴歩兵を倒す。
「ちっ……本当に死人なら、大人しく寝てやがれってんだ!」
直哉は、倒したゴーストイコンのコックピットとおぼしき部分を、
ビームサーベルで切り開く。
「からっぽだ……こいつら、やっぱり、無人機なのかよ」
直哉は、ゴーストイコンにはパイロットが
乗っていないことを確認する。
■
地上では、飛行能力のないアンデッド随伴歩兵との戦闘が行われていた。
須藤 雷華(すとう・らいか)と北久慈 啓(きたくじ・けい)、
戦部 小次郎(いくさべ・こじろう)とリース・バーロット(りーす・ばーろっと)は、
随伴歩兵として前線に立ち、
アンデッド達を食い止めようとする。
雷華は、雷術やエレキギターで相手方随伴歩兵の撃破を、
啓は、破邪の刃での攻撃を行う。
「牧神の笛で牽制をと思ったけど、アンデッドには聞かないみたいね」
「破邪の刃の効果があるのが救いか」
一方、小次郎は、打撃での攻撃を味方に指示していた。
「相手は骸骨ですから、
生身相手に有効な銃や刃で切る斬撃武器は効果が薄いと思います。
鎚のような叩き潰す武器並びに魔法が有効でしょう」
しかし、実際には、武器の種類というよりも、
戦力差の方が大きかった。
ブリザードを敵の一軍に撃ち込みながら、
リースは、小次郎に言う。
「味方の損傷が激しいですわ」
「思った以上に手ごわいですね。
やはり、イコンの数が足りなかったということでしょうか……」
地上で必死に随伴歩兵と戦う一行だが、
人手が足りない。
友軍が次々にやられていく。
■
上空では。
空飛ぶ魔法↑↑を使用した牛皮消 アルコリア(いけま・あるこりあ)は、
パートナーの魔鎧ラズン・カプリッチオ(らずん・かぷりっちお)を身に着けて戦っていた。
桐生 景勝(きりゅう・かげかつ)と、
リンドセイ・ニーバー(りんどせい・にーばー)の搭乗するイーグリットが、
アルコリアの支援を行う。
「きゃはは、イコンイコン! サロゲート・エイコーン!
ラズンと同じ人が着るもの
ラズンも死んだらアンデッドになれるかな?
きゃはははっ!」
ラズンは、自らの力をアルコリアに与え、はしゃいで笑う。
ラズンの能力である神速で、スピードを得たアルコリアは、
魔道銃を連続で随伴歩兵に叩き込む。
「引き立て役だが、きっちり仕事はこなしてやんよ、
馬鹿な事を真面目にやれてこそ、漢ってもんだよな!」
景勝は、頭部バルカンで随伴歩兵を吹き飛ばす。
「人の身で、どれだけイコンと戦えるか……。試させてもらいます」
アルコリアは、眼前に現れたゴーストイコンを見据え、
携帯で通信をする。
「こちら、ヴァーダント・ディーヴァ、葬儀の鐘を鳴らす」
「了解、ヴァーダント・ディーヴァ、無事に葬儀から帰ってくる事を祈る」
景勝の応答とともに、
アルコリアは、叫びを使用する。
「さあ、葬列に戻りなさい。この歌声で」
すさまじい音が発生して、随伴歩兵が消し飛ぶ。
ゴーストイコンの鎧にも亀裂が走る。
アルコリアは、魔道銃をゴーストイコンの鎧の隙間に叩き込む。
ゴーストイコンは撃墜されていく。
「アルコリアさん、こちらへ!」
リンドセイは、イーグリットをゴーストイコンの一団に接近させ、
アルコリアの囮役となる。
「やほー、ここは一つ共闘でもしないかえ?」
セシリア・ファフレータ(せしりあ・ふぁふれーた)と
ミリィ・ラインド(みりぃ・らいんど)は、
光る箒に乗ってゴーストイコンとの戦闘に参加していた。
なお、ここに来るまでに、
「また戦いかあ。
はぁ、もうしょうが……っておねーちゃん、
何で一番見た目が強そうなのに突っ込んでるのー!?」
「なんかノリで突っ込んだら異常に強そうでびっくりじゃがもう引けぬ!」
というやりとりもあったのだが。
セシリアは、同じく生身で戦っているアルコリアを発見して接近してきたのである。
「いいですよ。
でも、私の歌に巻き込まれませんように」
アルコリアは答える。
セシリアは、ゴーストイコンや随伴歩兵の
武器の射程に入らないように注意しつつ、
魔法を放つ。
ブリザードとファイアストームを連続でゴーストイコンに放ち、
セシリアはミリィに言う。
「今じゃミリィ、今は脆くなっておる! 多分! きっと! もしかしたら!」
「自信なさげに言わないでー!?」
ミリィは、幻槍モノケロスでゴーストイコンを攻撃するが、
実力不足で弾き返されてしまう。
「支援するぜ!」
景勝のイーグリットはビームライフルで攻撃し、セシリアの攻撃していたイコンを攻撃する。
「礼を言うぞ!」
「もう、おねーちゃん、だから無茶だっていったのに……」
セシリアとミリィは感謝する。
「……生身であっても攻撃はできるが、かなりの実力が必要ということか?」
セシリアはアルコリアを横目に独りごちる。
綺雲 菜織(あやくも・なおり)と
有栖川 美幸(ありすがわ・みゆき)のイーグリットも、
中距離からビームライフルで牽制しつつ、
間合いを詰めてビームサーベルでセシリアの攻撃したゴーストイコンを一閃する。
「よし、撃破したぞ!」
「落ち着いて1機ずつ対処して行きましょう」
菜織と美幸は言う。
サーモグラフィで周囲の空間に異変がないか観察していた菜織は、
飛行する熱源であるアルコリアやセシリア達を感知して、
支援に来ることができたのであった。
「伏兵や、妨害の気配は今のところないようだな」
菜織はセンサーを確認して言う。
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