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エピローグ

 ここは蒼空学園の校長室。
「もうっ。なんなのよ、この量は」
 御神楽 環菜(みかぐら・かんな)は机に山のように積まれている書類の処理に追われていた。
 コンコン。
 ドアをノックして入ってきたのはルミーナ・レバレッジ(るみーな・ればれっじ)だった。
「お忙しそうですね。出直しましょうか?」
「いつ来たって一緒よ。用件はなに」
「先日のクリスティア村の件について報告書が届きました」
「かいつまんで読み上げてみて」
「身体が徐々に消えていくという怪異現象にかかっていたアーリア・ルーデですが、もうそのような現象が起こることはなくなったそうです。また同現象により村人たちはクリスティアを離れることが出来なかったのですが、そちらも解消されました」
「ふーん」
 環菜が手元の書類に目を落としたまま、聞いているのかわからない生返事をする。
「後日、ヴォル遺跡に調査チームを派遣したところ、風化が激しく技術回収は不可能だとのことです。……人ひとりで膨大な魔法エネルギーを生み出せる『ヴォル魔法体』、手に入れておきたかったんじゃありませんか?」
 書類にサインをしていた環菜の手が止まる。
「……珍しく冗談を言うのね」
「そういうと信じていましたよ」
 ルミーナの表情が少しだけ和らぐ。
「それでは失礼いたします。引き続きお仕事頑張ってください」
 ルミーナが校長室を出て行った。
 環菜が背もたれへと身体をあずけ、大きく息を吐く。そしてぼんやりと天井を見つめる。
「……さすがにそこまで盲目してないよ」
 呟くようにして言った彼女の言葉は部屋の静寂へと溶けていった。

担当マスターより

▼担当マスター

九辺ケンジ

▼マスターコメント

 はじめまして、九辺ケンジです。このたびはシナリオへのご参加ありがとうございました。とてもためになるシナリオ制作でした。この経験を活かし、これからも皆さまに喜んでいただけるものを書けるよう努力していきたいと思います。それでは機会がありましたら別のシナリオでお会いしましょう。