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アトラス・ロックフェスティバル

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アトラス・ロックフェスティバル

リアクション


TRACK 06

「RIAJUだ!盛り上がってくれよなー!!」
 ステージに上がったリア・ヴェリー(りあ・べりー)が観客を煽る。手にはギター。かなり濃いビジュアルバンド系のメイクを施している。観客の女性から歓声が上がった。

 リアは本来そんなに目立つのが好きなわけではないのだが、パートナーである明智 珠輝(あけち・たまき)が「一緒に出場したら猫の写真集をあげましょう、ふふ」というので渋々承諾したのである。

「本日のために一生懸命作りました。
 リアさん、共に天下を取りましょう…!」
 珠輝は三味線を手にしてリアに話しかける。
「待て珠輝、何を作ったんだ?」
「もちろん曲ですよ、ふふ」

 不安に駆られたものの、演奏が始まった。曲調はハードロックだが、三味線が使われたことにより和風となっている。


薔薇艶歌』

唄:リア・ヴェリー 作詞・作曲・コーラス:明智珠輝



(※カッコ内は明智のコーラス)


満たされぬ想い 抱える(カ・カ・エ・ル)
薔薇だけに告げる 僕の秘密(セ・イ・ヘ・キ)

美しく(コ・カ・ン・ニ)
咲き誇る薔薇 まるで君のよう
棘があってもいいさ この手で掴みたい(カ・ハ・ン・シ・ン)
大丈夫 優しくするから (ハ・ジ・メ・ダ・ケ)


 はじめのうちはこぶしを効かせて歌っていたリアだが、珠輝のコーラスに気づいてからは顔を赤らめつつ、それでも必死に歌い続ける。


僕に流れる(ハ・ク・ダ・ク・ノ)
血で 君の赤を汚したい
痛くないよ 愛してるから(コ・ウ・コ・ツ)
もっと もっと 君の棘 深く入って(ウ・シ・ロ・カ・ラ)

僕から全て 奪いきって(ゼ・ン・ラ・デ) 


「これが目的かーーー! 珠輝ーー!!」
 ついに耐えかねたリアが珠輝に蹴りかかる。直撃を受けた珠輝は陶然として
「ふ、ふふ。そんなに照れないでください、ふふ」
といいながら、よろけて観客席に落ちていくのだった。