リアクション
ACT9 終わりの始まり?
ミスターカメレオンの脅威はなくなり、ガートルードたちも去っていった。
サンドタウンは戦いの傷痕でアチコチ滅茶苦茶になってはいたが、ようやく日常であった平穏な時を取り戻そうとしていた。
ミスターカメレオンたちの処遇だが町の者達が相談した結果――ミスターカメレオンはガーディアンナイツに引渡し、他のゴロツキどもはサンドタウンの復興のためにその力を使わせることにしたようだ。
「みんなー、まちの人たちのいうことをちゃんときいてお仕事がんばるですよー♪」
そう言って元カメレオンの部下達に手を振るのはヴァーナー・ヴォネガット。
「わかったよ、ヴォネガットちゃん! 俺がんばるですよォッッ!!」
「かめっへ〜っ♪」
とむさ苦しい荒野の男たちはだらしない顔をしながら必死に手を振りまくる。
部下達はヴォネガットに回復魔法で治してもらった時に、ハグされたりほっぺにちゅーをされながら「もうわるいことしちゃダメですよ♪」と言われてすっかりと改心してしまったのだった。
「……あんた達、じゃあこいつのことは頼むよ」
と酒場のオヤジがもう芋虫のようにも動けないように体をぐるぐる巻きにしたミスターカメレオンをガーディアンナイツに引き渡す。
「確かに引き受けた」
そう言ってミスターカメレオンの身柄を受け取るのはレン・オズワルド。
「キミは残りの一生をルールの厳しい牢屋の中で過すことになるだろう。まあ、いままで自由すぎたキミにはちょうどいいかもしれないな」
そう言ってカメレオンの肩をポンポンと叩くのは橘カオル。
「んっーんっー!(嫌だー!)」と声にならない声をあげるのはミスターカメレオン。
「さて、ではそろそろ行こうか」
そう言ってミスターカメレオンを護送する馬車の中へと運んでいくのはアルフレート・シャリオヴァルト。
ミスターカメレオンを馬車に乗せたことを確認するとガーディアンナイツたちは進路をツァンダに向けて進んでいく。
するとサンドタウン人たちが集まり、ガーディアンナイツたちに別れの挨拶を告げる。 と、そんな和やかな雰囲気を切り裂くように突然銃声が響き渡った。
見ればバイクに跨るサルヴァトーレとヴェルチェたちが銃撃を加えている。
相手の奇襲にガーディアンナイツたちは対応が遅れた。
その隙に、ヴィトがミスターカメレオンの入った馬車を奪い、馬にムチを入れて連れ去っていく。
「しまった!?」
ガーディアンナイツの中からそんな声が起こる。だが、もう後の祭り。
馬車やサルヴァトーレたちの乗ったバイクはどんどんと遠くへ走り去っていく。
サンドタウンにはサルヴァトーレの捨て台詞が響く。
「俺達も力を蓄えることにしよう。そしてガーディアンナイツを倒し、堂々と荒野の正義を名乗らせて貰おう」
してやられたガーディアンナイツ。
だが結果としては人質は無事に救い出し、町にも平和を取り戻すことができた。
そして何よりも人々の心に勇気をもたらすことができた。
もしこれから何かあったとしても、人々は今回のことを思い出し、決して負けることなくこの町を守り抜いていくことであろう。
この町には名も無き英雄たちがたくさんいるのだから――。
結成、ガーディアンナイツ
<了>
まずは面白いアクションを届けてくれましたプレイヤーの皆さんに感謝致します。皆さんのおかげでとても楽しく執筆できました。
さて、はじめてのリアクション小説でしたが皆さんいかがでしたか?
楽しんでいただけましたでしょうか? もしそうであるならば幸いです。
ではまた皆さんにお会いできる時を楽しみにしております。
最後になりましたが、今回のリアクションの公開が遅れてしまいましたことお詫びさせていただきます。
ご迷惑をおかけしまして、誠に申しわけありませんでした。