First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last
リアクション
「パートナーとは一緒か……」
ヒューリが残念そうに呟くと、彼をセレナリスが睨みつけた。
「ねーちゃん。めがねにーちゃんたち向こうだねー」
「ちさーも向こうね。潰し甲斐があるわぁ」
縁は睦月にそう答え指を鳴らした。
「【エアーガン/パッフェルカスタム】の使用はOKでしたね。問題はどこにフラッグを置いて防衛するかかな」
「なら、いいところがあるわよ」
持参の銃をチェックする陽太に同じ『赤鬼』チームの祥子が話かけた。
「妙案がお有りのようで。で、それはどこなんですか?」
「まあ私に任せておいて。ふふふ……」
祥子が答えもせずに不敵に笑う。
陽太は不思議に思ったが、敵チームも近くにいるこの場で自分たちのフラッグの設置場所を言うのは得策じゃないから答えてもらえなかったと思うことにした。
壇上でのマリエルの挨拶が続く。
「この後、各チームに別れて作戦及びフラッグの設置と防衛の準備になります。勝利チームには豪華な料理をたくさん用意してますので、頑張ってください! マケタラ罰ゲームダケド」
「なに小声で罰ゲームがあることをサラッと言ってるんだよ」
壇上のマリエルに洋介が突っ込む。
罰ゲームについて前に配られたお知らせには一言も書かれていなかった。
「あはは、お知らせに書き忘れていたわけじゃないんですけどねぇ。『ペナルティが有ったほうが燃えるだろ?』という山葉校長の粋な計らいですよぉ」
豆撒き大会の実行委員会にはマリエルの他にも数名の生徒が関わっている。校長こと山葉 涼司(やまは・りょうじ)もその一人だ。彼は校長という立場上、大会を開くために委員会の主催者と言うことになっている。彼の許可があるからこそ、大会もご褒美のご馳走の準備も出来るのだ。
「ご馳走は勿論ですが、罰ゲームの内容も気になるですぅ」
由宇は勝利後の食事に思いを馳せて生唾を飲む。
「うーん、ご馳走のことは言えないんだけど、罰ゲームの事は言っていいかなぁ?」
マリエルが他の実行員会の生徒に目配せすると、それに仮設テントにいた生徒が大きく丸を描いたスケッチブックを掲げて答えた。話してもいいと許可が出たようだ。
「お! じゃあ罰ゲームについては発表しますよぉ。罰ゲームは! 蒼空学園校内全域の掃除です!」
「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」
参加者からドット不満の声が上がった。当たり前だ。ダタでさえ広い校内を参加者の約半数で掃除しなければならないのだ。だれだって嫌がる。
「うわ……なにそれ? 負けたら逃げようかな……」
ルナティエールはすでに逃げる算段を立てる。
「これから校内中に豆をばら撒くんですから、これくらいの罰ゲームは当たり前ですぅ! 要は勝てばいいんです。勝てば官軍っていうじゃないですか」
「マリエルさん。勝てば官軍とはそんな使い方しませんよ」
大地がマリエルに指摘する。
にしても、校内全域を掃除するのは辛い。2500人も生徒を抱えているマンモス校であるが故に、校内の全てを綺麗にするのにどれほどの時間がかかることか。
「では、こんな憎い罰ゲームを考えた山葉涼司校長に挨拶を! と、言いたいんですがぁ……、山葉校長は諸事情で出張してるんだよねぇ。昼前には帰ってくるそうです。校長に皆さんの実力を見せるためにも、最後まで勝ち残りましょう!」
マリエルが涼司について伝えている間、それを聞いている生徒たちの数名が薄気味悪い笑顔をしていた。
「それでは撃・豆撒き大会、開催だよ!」
First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last