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リアクション
『さて、『青鬼』はすでにフラッグへの遠距離攻撃を開始しましたが、『赤鬼』たちはどうでしょう?』
『赤鬼』たちの動きを見張るレティーシアにマリエルが聞いた。
『まだフラッグユニットを見つけられていないようですわ』
『捜索が特技の生徒がいれば見つけ出す事が出来るかもしれませんね』
解説するシズルの言うとおりだ。そして、『赤鬼』に捜索を特技とする生徒はいる。
「オルフェリアさん、フラッグは見つかりましたか?」
大地がそう聞いたが、彼女は頭を横に降った。
「残念ながら、でも早めに確保しておきたいですね」
「うーんそうね、当初の目的からくるちゃったからね……、仕方ないわね。陽太ちょっといいかな?」
祥子が困った顔をする。企みのある彼女としては何としても敵のフラッグの位置を突き止めておきたかった。
そこで、現在対スナイパースナイパーとして防衛を張る陽太を起用することにした。
「なんですか?」
祥子に呼ばれて陽太が貯水タンクの上から落ちてきた。
「あなた捜索が特技だったわよね? 敵のフラッグの位置を突き止めてくれないかな?」
「わかりました。この場は君に任せます」
陽太も狙撃をしながら、フラッグを探していたが見つけられなかったので丁度動こうと思っていた。
「それなら私らも影野についていくよ。罠解除できる奴が居たほうがいいだろう?」
キルティが司を連れて陽太との行動に名乗りを上げた。
「フラッグを見つけるってことは、そのまま攻撃するってことだよね。あたしもフラッグの破壊をがんばるよ!」
陽太には負けられないと意気込む司。
「なら俺様もいいかな。お団子頭のカワイ子ちゃんだけにいい格好はさせてやらないぜ」
「流石ヒュー様ですわ!」
セレナリスに褒められて鼻を高くするヒューリだが、内心は敵陣の女性陣を口説きに行きたくて仕方なかった。勿論見方のである『赤鬼』の女性へのフラッグ破壊というアプローチも含めてだ。
「意気込むのはいいけど、フラッグの破壊じゃなく“確保”を優先してね」
不安を持った祥子が念を押した。
「なんで破壊しちゃだめなんですぅ? 勝たないとご馳走が食べられないですよぉ?」
弾倉に込められた豆をつまみ食いしながら由宇が聞いた。ご馳走目当てに参加した彼女にとって敵フラッグの破壊を目的としないのは不本意だ。
「それははね……」
祥子がこの場の『赤鬼』たちに企てを明かす。
「あらあら、それは悪魔的に面白そうですわ」
祥子の案に唾を飲み込むアクア。悪魔、海洋公としての邪悪さが垣間見える。
「上手くいけば食事にもありつけるかなぁ……」
不安が残るものの、由宇も証拠の企てに一応賛同した。
「勝っても負けても、俺様のおごりで食事に連れていってやるよ。どうだい由宇ちゃん?」
「ヒュー様の下心が丸見えですわ……」
由宇を食事に誘おうとして、ヒューリがセレナリスに睨まれる。
「食事ならわたくしもご一緒したいわ」
ヒューリの誘いに食いつくアクア。由宇と共に欠食の彼女とっては魅力的な誘いだった。スカンピンになるまで奢らせようかと考える。
「それじゃ、フラッグを見つけ次第確保よろしく。私はここのフラッグを守っておくから」
祥子、由宇、アクアは防衛に残り、
陽太、司、キルティ、ヒューリ、セレナリスは敵のフラッグの捜索及び確保へと向かった。
「じゃ、あちきも別行動でフラッグ探してきますねぇ!」
《隠れ身》を使って近接応戦していたレティシアがお手製のスリングを回しながら現れて、直ぐに消えた。
「あ、置いてかれた……。仕方ないですからここからの狙撃でレティシアさんをカバーしていますわ」
レティシアのパートナーのミスティは再び伏せ撃ちの体勢に入る。レティシアの行きそうな場所はだいたい分かるので、ここから支援しても問題ない。その為にライフル型を借りてきた。先程の撃ち合いでも何人かの敵のメインマーカーを撃ち落せた
「じゃあ私も適当に……先に倒したいのがいるから」
話を黙って聞いていた『青い鳥』も一人階段へと向かう。
「おい、千雨さん何処に行くんですか?」
大地も『青い鳥』の後を追う。千雨――氷月千雨――とは彼女のが人型であるときの名前だ。
「防衛から出て行くなら、階段にえげつないトラップをよろしくですわ」
大地はアクアに言われたように、『青い鳥』の後を追いつつ、トラップを仕掛けて回った。
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