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【蒼空のフロンティア秋祭】秋のSSシナリオ

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【蒼空のフロンティア秋祭】秋のSSシナリオ
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リアクション


【近くて遠い、あの人へ−− 導入編】 〜 日下部 社&響 未来 〜 

 
「御上せんせぇ〜、お嬢さまぁ。お客さんですよぉ」
「お客様?」
「今日、予定入ってたっけ?」

 なずなの間延びした声に、顔を上げる御上円華

「先生、お嬢。昨日は、お疲れ様でした」
「ハァイ♪」

 そのなずなの後ろから、日下部 社(くさかべ・やしろ)響 未来(ひびき・みらい)が、ヒョコッと顔を出す。

「あら。社さんに未来さん」
「どうしたんだい、2人とも?」
「い、いや〜。実は……」
「マスターがね、2人に相談したい事があるんだって〜」

 何が楽しいのか、口元に手を当てて『ウプププ』と笑う未来。

「相談……ですか?」
「ま、立ち話もなんだから、とにかく座って」
「今、お茶入れますね。それとも、コーヒーがいいですか?」
「私コーヒー♪」
「あ、それじゃ俺も同じで」

 円華が馴れた手つきでコーヒーを入れると、狭い事務所内に、たちまち馥郁たる香りが立ち込める。
 最近、地球とパラミタの往復が多くなってきたため、円華は、空京に新たに事務所を借りていた。

「それで、相談って言うのは?」

 2人がひと心地着いた頃を見計らって、誘い水を出す御上。

「あ、あの〜ですね。その〜」
「うん?」
「えっと〜。なんと言ったらいいか……」
「何よ〜マスター、男らしくないわね〜。自分で言えないなら、ワタシが言っちゃうわよ?」
「う、うるさいっ!今言おうとしとるトコロやないかっ!いいから、お前はあっち行っとけ!!」
「ハイハイ、分かりましたよ〜だ!」

 社に邪険にされたのが気に入らなかったのか、ふくれっ面をして立ち上がる未来。
 そのまま、受付嬢をしているなずなの方へと去って行く。

「す、スンマセン。そ、それでですね、相談というのは−−」

 ようやく腹を固めたのか、ポツポツと話し始める社。
 その口から語られたのは、2人の予想だにしない話だった。


 一方その頃、未来はというと−−。

「全く、世話の焼けるマスターねぇ。しょうがない、ココは未来さんも一肌脱ぎますか!」

 世のカップルを偵察して、社の恋に役立てるべく、一人雑踏の中へと姿を消して行くのであった。