リアクション
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ボロボロと涙を溢す託は、僅かに痙攣するラナロックの上にいた。彼はチャクラムの刃に足を乗せていて、そしてそれは、彼女の両足を分断し、床に刃を食わせている。
「…………大丈夫か、託…………………」
「うっ…………うっく、何で…………なんで僕なんだ。なんで僕を選んだよ、ウォウルさん……………」
ただただ見開かれた瞳は、託を見ていた。が、その表情は決して憎しみでも、怒りでも、恐怖でもない。表情を失った彼女は、完全にその機能を停止しさせている彼女の体は、未だに小刻みに痙攣している。
「手…………かすよ」
「ごめん…………………ごめん………」
二人の様子を心配そうに見つめているのは、アレーティア、アニマ。そして佑也、アイン、ツヴァイ、ゼクスの五名。既にその場には、誰もいなくなっている。
「遺されれば――辛いのですよ。この惨劇だけは、止めたかった…………」
「ゼクスさん…………」
「私たちは――」
「今はよせ、姉上。今は何も――放つ言葉などないのだから」
と、彼等の元にセレンフィリティ、セレアナ、なぶらとフィアナがやって来る。
「終わっちゃったんだ、何もかも」
「…………またも、私は何も守れなかったのですか……………また」
「待って――」
なぶらとフィアナが力なく立ち尽くしている横で、セレンフィリティがラナロックへと近付いていく。
「まだ、終わってないと思う!!」
彼女の言葉に、なぶらが、フィアナが顔をあげた。当然それは、その場にいる全員に聞けているわけで――。
「ラナさん、生きてるの…………?」
ボロボロと涙を流す託も、聞こえていた。顔をあげて呟く。
「まだだよ!!! 誰か、担架の代わりになるものを!!! あと、飛び散ってるパーツ、ありったけ集めて!!」
「ラナ先輩の手!! ちゃんと持ってきたから!」
その声を聞いたのか、肩で息をしながら美羽たちがやって来る。
「なぶらさん………!」
「あぁ! まだ終わってなんかないんだ」
「フィアナ、塞ぎ込んでたって、何にも守れないのよ」
「セレアナさん………!」
「皆、ラナ先輩を助けてあげなきゃ!!」
美羽お言葉に彼等は最後にうごきはじめる。
台車に座る様にして乗せられているウォウルは、無表情のままに北都の押している台車へと頭を預けた。
「真司くん、託くんには恐らく、嫌われてしまったでしょうね――…………」
「…………」
北都は何も言わない。処か、その場の全員が沈黙していた。
「納得なんて、できるわけないじゃないです…………」
「衿栖、彼にも考えがあったのよ。あの子は無事じゃ、なかったけど」
「にしても――どうするんだ、これから」
衿栖が怒りを押し殺した声で呟き、朱里が弁明をする。その横で和輝がウォウルに尋ねた。
「あれはもう――」
「こんな事…………しましたけど、ラナは僕のパートナーです。そろそろをケジメつけに行きますよ……………」
ケジメ、と、ウォウルはそこを強調して呟いた。
「えっ? ラナさん、まだ生きてるの?」
驚いた様子の鳳明が声をあげると、ウォウルは事も無げに答えた。
「生きてますよ、彼女は。僕が彼女を殺す道理も理由もありませんからねぇ」
黙っていた綾瀬が、ウォウルの代わりに口を開いた。
「故の選択、ですわよ。加減してくれるだろう託様と、ショックを起こすときに局部のみを、託様に当たらない攻撃でラナロック様無力化出来る真司様。あの状況での判断とすれば、まぁまぁと言ったところしょうか」
「手厳しい、ですね」
そんなやりとりをしながら、ルカルカの案内で進んでいた一行の前にダリルが現れる。
「遅かったな、さて病院とも話をつけておいたし、行こうか」
ダリル、ルカルカにウォウルを引き渡した彼等は、大きく息を漏らすのだ。長かった一日はそこで終わるのだから。
この度は、シナリオ『古代兵器の作り方』にご参加いただきありがとうございました。
またしても皆様をお待たせする形になって、本当に申し訳ありません。また、素敵なアクションを反映させられなかった自分を呪いたいです。はい。
バトルもの、として戦闘シーンに力を注ぎ、自分の持てる全力を出してはみたのですが、イマイチでしたらすみません。
ちゃんと精進しないとですね。頑張ります。不気味な描写とかも、もっともっと頑張って良いものがかけるように、精進させいただきます。はい。
余談ですがこの話、次にあげようと思っているシナリオの伏線だったりします。もしも『何が伏線なのよ』と気になっていただけたり、『まーた暴れてやるか』と、思っていただけましたら、参加お待ちしております。
重ねて、期限をくれた事とアクションを採用しきれなかった事をお詫びさせていただきます。 すみませんでした。
では、またお会いできる機会がありましたら。