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リアクション
「では、ここで少し調理風景を覗いていきましょう! ではまずハラマタチームの方から行きましょう」
司会が各メンバーの元へと向かう。
「では、『秋を感じる一品』を担当している方々からいきましょう!」
司会者は始めにレティシア・ブルーウォーター(れてぃしあ・ぶるーうぉーたー)とミスティ・シューティス(みすてぃ・しゅーてぃす)の元に向かう。
「調理中のところすみません。少し見させてくださいね。これは、何を作っているのですか?」
「硬焼き秋刀魚のピリ辛揚げですよぅ」
秋刀魚を捌きながら答えるレティシア。
「おぉ! 秋ならではの一品ですね! 包丁捌きもすばらしい!」
「ありがとうございますぅ」
捌き終えたレティシアは捌いた秋刀魚の身に片栗粉をまぶし、フライパンに油をひき、両面を焼いていく。
「レティ、こっちは終わりました」
その間に盛り付けるネギと鷹の爪、合わせ調味料を作っていたミスティ。
「助かりますぅ」
「この合わせ調味料がタレになるんですね?」
「はい。とっても美味しいですよ。ご飯も進みますしね」
「おー! これは完成が楽しみです! お二方ありがとうございました! では次へ行ってみましょう!」
次に向かったのは佐々木 弥十郎(ささき・やじゅうろう)と真名美・西園寺(まなみ・さいおんじ)のところ。
「失礼します。少し覗かせてもらいますよ。えー、こちらは何を作ってらっしゃいますか?」
「アケビのしんじょ揚げです」
「最近注目されている。実も皮も食べられる食材ですね」
「そうですね。皮は苦味があるので苦手な方もいるかも知れませんねぇ。なのでカリっとなるように揚げようと思ってます」
その間に種をとり、半分にしたアケビの中にすった海老、片栗粉をまぶした玉ねぎや山芋等を加え、もう片方のアケビに片栗をつけぴったりと合わせて楊枝でとめる。
「なるほど、これでアケビを揚げるんですね?」
「はい」
「これは美味しそうです。そして、こちらは何を?」
黙々と作業していた西園寺の元へと近寄る。
「あ、えっとしんじょ揚げのつけ汁を作っていたんだよ。そのままでも美味しいけどね」
西園寺が作った二つのつけ汁を出す。
「梅肉を裏ごしして出汁で伸ばしたものと、紅葉おろしとてんつゆだよ」
「さっぱりしてそうで美味しそうですね! お二方ありがとうございました!」
「さて、こちらは……お、良い匂いがしてきますね! お邪魔します!」
次は瀬道 聖(せどう・ひじり)と幾嶋 璃央(いくしま・りお)の場所。
「こちらの料理は……?」
「鮭のちゃんちゃん焼きを作るところだよ」
鉄板にバターを溶かして鮭の身の部分に焼き色をつける聖。
「野菜切ったよー」
璃央が切った野菜をボウルに入れて持ってきた。
「ありがとさん」
それを、ひっくり返した鮭の周りに敷き詰めて、軽く塩コショウを振りって作っていた合わせ調味料をかけてからバターを乗せてフタをする。
「こんなもんかなぁ……。後は、火が通れば出来上がり……。鮭もう少し大きい方が良かったかなぁ。もう一個追加するべきかなぁ……」
「…………♪」
それを聞いた璃央は、何か閃いたようにこそこそと行動を始めた。
「ふむふむ、これまた良い匂いが……ん? なんでしょうこの匂い……?」
「……♪」
璃央が近くの調理場を借りて、調理をしていた。そしてそこから、漂ってくる不可解な匂い。
「あー……、璃央? なにをやっているのかなぁ……?」
聖が顔を引きつらせてつつ楽しそうに料理する璃央に声をかける
「聖が鮭が欲しそうだったから、なら私が! って♪」
「……ん?」
どうしたものか考えている聖の視線の隅でこそこそと動く影が二つ。
「そうだなぁ……。それ美味しそうだし、このまま追加するのはもったいないから……。璃央、手伝うからちょっと作ってしまおうかぁ」
「え? あ、うん!」
聖が少し手を加えて別の料理を作る。
「おっと、これは……ムニエルですか?」
「うん!」
「それで、せっかくだし、味見してもらおうかなぁ。あそこの人とかに」
聖が影でこそこそしていた二人を指差す。
「司会者さん、持って行ってもらっても良いですかねぇ? 差し入れって事で」
「は、はぁ……。まぁ、そこまで言うのでしたら。持って行きましょう。皆様、しばしお待ちを!」
「……何か妨害でもするつもりだったのかねぇ……?」
司会者を見送ったあと、聖がポツリと呟いた。この後、璃央が作った料理を食べた怪しい二人は病院送りとなったそうな……。
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