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リアクション
「さ、さぁ! 気を取り直して次へ行きましょう! 次は『肉料理』! こちらは一組だけなので続けて『可愛いデザート』も覗いちゃいましょう!」
食の恐怖を目の当たりにした司会者は顔を引きつらせつつも司会を続けていた。
「では早速お邪魔しましょう!」
向かったのは柚、三月、海の三人の場所。
「お邪魔します! こちらは何を作っていらっしゃいますか?」
「俺は、ミートパイと里芋と肉の煮物だ。せっかく狩りで獲って来てもらったから色々な肉を使おうと思う」
「私達は、絵本型のケーキですね。先ほどトニーさんに絵本を借りたのでそれを元に作っています」
「なるほど! 一緒に作ることでお互いに協力して時間短縮を図ろうということですね!」
「そういうこと。柚、器具持って来たよ」
「ありがとう」
「三月、鍋を見ていてくれ。その間にケーキの方のフルーツを切る」
「了解!」
「海くん、クリームの方もお願いして良いですか? その間に本の型にケーキを切りますので」
「任せろ。ほら、フルーツ終わったぞ」
「ありがとうございます」
お互いに指示をてきぱきとこなしていく二人。その動きに司会者も驚いている。
「見事な連携ですねぇ……。まるで夫婦のようです!」
「ふ、夫婦ってそんな……」
司会者の言葉に真っ赤になる柚。
「柚は海がいると張り切るからねぇ」
三月の言葉に興味津々な司会者。
「ほうほう! やっぱりあれですか!?」
「そうそう。まぁ海は気づいてないんだけどね」
「それは、大変ですねぇ」
「……何が大変なんだ?」
首を傾げる海。三月と司会者はお互いに首を振る。
「いや、なんでもないよ」
「いえ、なんでもないですよ!」
「……そうか」
納得いかなそうな顔をしつつも再び調理に戻る海。
「しかし、これなら完成品も楽しみですね! ではお三方ありがとうございました!」
「次で、ハラマタチームは最後となりますね」
最後に向かったのは九条 ジェライザ・ローズ(くじょう・じぇらいざろーず)とシン・クーリッジ(しん・くーりっじ)の場所へ。
「さて、こちらは何を作っているのでしょうか?」
「ん? あぁ、さつまいものチョコチップとりんごのうさぎアイスだよ」
葉っぱの形に揚げたさつまいもにチョコをつけるシン。
「シン、洗い物終わったけど、次は?」
「あぁ、すまねぇな。今は何もねぇから少し待っててくれ」
「わかった」
イスに座ってジーッとシンが作るのを見ているローズ。その間にも、シンはさつまいものチョコチップを作り終え、林檎味のアイスとイチゴジャムを使ってうさぎを模したアイスを作る。
「おー! 細かいですねぇ!」
その手際に司会者も感心する。
「そうか? 普通はこんなもんだろ?」
「いやいやっ! 男性でここまで出来る人は普通はあまりいないかと」
「そんなもんか?」
「うんうん。シンはすごいよ! これ良かったら家でも作って欲しいなぁって……」
「……いつかな」
ローズの言葉に照れるシン。
「よし、完成だ」
うさぎのアイスを完成させ、さつまいものチョコチップを添える。
「秋を感じさせる一品ですね。お二方ありがとうございました!」
メンバーの場所を回り終えたあたりから着々と料理を完成させていくメンバー達。
「さて、ハラマタチームと激人チームの方は料理を着実と完成させていますが、飛び入り参加の的場チームはどうなんでしょう? 少し覗いてみましょう!」
司会者が凪達のいる調理場へと向かう。
「失礼いたします! こちらの様子はどうでしょうか?」
「……どうしてこうなった」
立ち尽くす凪、目の前にはルーティスとその手には火を噴くフライパン。
「これはどうしたら……わっ! 良いのでしょう!?」
「えっと、なぜフライパンから火が噴き出しているのでしょう……?」
流石の司会者も状況を飲み込めず唖然としている。
「俺にもわからん……」
「凪様を驚かせようと思って料理をしようとしたんですけど……わわっ!」
「危ない! まずそれを置くんだルーティス」
「は、はい!」
フライパンを置くが、依然として噴き出す火。
「何をどう料理したらこうなるんだ……?」
「自分にも分かりません……」
「色んな意味で驚かせてくれましたね……っと、それよりも料理の方はどうなっておりますか? そろそろお時間となりますが?」
「それなら大丈夫だ」
凪は別の調理場を指差す。そこではミートンが料理していた。このハプニングが起きたため、別の調理場を借りていた。
「えー……フライパンの方はスタッフでどうにかしましょうまずは、あちらの調理場へ移動しましょうか」
ミートンのいる調理場へと移動する
「あ、みんな。丁度出来たところだよ」
「では、料理の方を紹介してもらいましょう!」
「えっと、『秋を感じさせる一品』は栗ご飯、『肉料理』は豚のしょうが焼き さつまいも添えで『可愛いデザート』は兎栗きんとんだよ!」
「栗ご飯など、シンプルですが秋をしっかりと感じられるラインナップで良いですね! これは良い勝負が期待できそうです!」
「さて、全調理組みの料理が出揃いました! 普段ならここから審査のお時間なのですが、その前にハラマタチームには各テーマ一品ずつ料理を決めてもらいます! 皆様しばしお待ちください! それでは、ハラマタチームの皆さんは料理の選定をお願いします」
司会者の言葉でトニーの元に調理班が集まる。
「それでは、試食をさせてもらうよ。君たちもそれぞれの人のを試食すると良い」
トニーの言葉に調理メンバーも各メンバーの作ったものを試食する。
「お、秋刀魚のピリ辛揚げうめぇな。ご飯が欲しくなるぜ」
「ありがとうございますぅ。そちらのさつまいものチョコチップとアイスの方も美味しかったですよぉ」
「アケビも美味しいですね」
ミスティの言葉に頷く弥十郎。
「あまり食べた事ない人が多いけれど、美味しい秋の食材だよ」
「何もつけなくてもいけるけど、このつけ汁につけてもさっぱりして美味しいです」
「このケーキ甘酸っぱい味が良いねぇ……林檎を使っているのかなぁ?」
「はい。そうですよ」
「この登場人物とかもしっかり作ってあってすごいわね……」
ローズがケーキの上にあるクッキーで出来た登場人物を見て感心の声を上げる。
「ありがとうございます」
「……このちゃんちゃん焼きも美味いぞ。鮭に塩分があると塩辛くなったりするが、ちゃんと調整されている」
海の言葉に頷く三月。
「うんうん。あ、海の里芋と肉の煮物も良い感じに出来ていて美味しかったよ」
「どれも美味しいよね!」
「そうだね……。私も今度作ってみようっと」
「だな、そうだ。後でレシピ教えてくれねぇか?」
「そうだねぇ。レシピ交換でもしようか」
「良いですねぇ」
「賛成です」
シンと聖の言葉に全員が頷いた。
「ふむ……決めさせてもらったよ」
みんながそれぞれの感想を言っている間、黙々と試食していたトニーが口を開いた。
「『秋を感じる一品』は硬焼き秋刀魚のピリ辛揚げ。『肉料理』は里芋と肉の煮物。『可愛いデザート』はこの絵本型のケーキだ。みんな良いかな?」
トニーの言葉に頷くメンバー。
「よし……! この勝負勝ちましょう!」
トニーはそれぞれのテーマの料理を持ち提出しに行った。
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