校長室
邪竜の眠る遺跡~≪アヴァス≫攻防戦~
リアクション公開中!
stage11 その裏で…… ミッツが病院に送られ、生徒達がそれぞれ帰るべき場所に戻って行った後。日が沈み、空が暗くなった頃。≪三頭を持つ邪竜≫の心臓が破壊された場所に、ジェイナスは戻ってきていた。 ジェイナスは懐から黒いお札を取り出すと、地面に投げ捨てた。 すると、風が起き起こり、周囲の草木が枯れ、地面が乾燥して亀裂が走った。 そしてお札が膨れ上がり、≪三頭を持つ邪竜≫の心臓となった。 「まぁ、こんな所か。後は巫女服があれば……」 ジェイナスは心臓に黒いお札を複数張り付けながら、宝箱に入っていた時よりも小さくなった心臓を見つめていた。 すると、闇黒の凍気が向かってきたため、ジェイナスは咄嗟に鋼の翼で飛翔して回避した。 「闇夜に不意打ちとは、どこのどいつだい?」 問い答えるかのように、ネロアンジェロを広げたグラキエス・エンドロア(ぐらきえす・えんどろあ)がジェイナスの前に飛来する。 「遺跡に書いてあった≪三頭を持つ邪竜≫が脅威的な再生力を持つって一文が気になったんでね。 ちょっと様子を見にきたんだけだったんだけどさ」 グラキエスはアクティースを取り出しながら、ニヤリと笑った。 「やれやれ、ヤル気みたいだけど、今は相手をする気はないぞ」 「そっちがなくてもこっちにはあるんでね」 ジェイナスはため息を吐くと、面倒そうに刀を抜いた。 そして刀を光り輝く月に向けると、翼を構成していた鋼の刃が刀に集まり、巨大な鎌になった。 ジェイナスは出来上がった鎌を片手で四方八方に振うと、横に薙ぎ払う構えをとった。 「来たまえ」 「では遠慮なく!」 グラキエスはジェイナスに向かって飛びかかる。 距離が近づき、攻撃可能範囲に入った所でジェイナスが巨大な鎌で薙ぎ払ってきた。 それをしゃがみ込んで回避するグラキエス。 ジェイナスは振り切った後で、反応できる様子がない。 ――もらった! グラキエスが距離を詰めた――その時。 いきなり何もない空間に、突然無数の刃が発生した。 「な――ぐっ!?」 肩と羽に負傷したグラキエスは、地面に落下した。 グラキエスは地面に叩きつけられた痛みに顔を歪めながら、上空のジェイナスに魔法を叩きこもうとした。 だが――グラキエスは苦しそうに口を抑え、魔法を放てなかった。 魔力を使いすぎたため、狂った魔力とのバランスが崩れ、今にも吐きだしそうな気分だった。 ジェイナスはそんなグラキエスを見下ろした後、遥か彼方へと飛び去った。 「まもなく俺の願いが叶う……」 月夜に笑い声が響く。 (終了)
▼担当マスター
虎@雪
▼マスターコメント
初めまして、またはお久しぶりです。 『邪竜の眠る遺跡〜≪アヴァス≫攻防戦〜』のリアクション製作を担当しました。虎@雪(とらっとゆき)です。 始めに、リアクション公開が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。 今後はより早くスッキリしたリアクションが書けるよう努力したいと思います。 次回はいよいよ≪アヴァス≫最終戦になります。 よろしければご参加ください。 後、いつものことながら素直な感想が聞ければ嬉しいと思っています。 機会があれば、またよろしくお願いします。 この度はありがとうございました。