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食べ物×合体!

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第5章 食べ物は、食べられてこそ

「見事な働きだったのう。茶でも飲んで一息つくかね」
 戦いの後の一杯。
 ルシェイメアが淹れたお茶を、全員に配る。
「それなら、僕の紅茶もどうぞ」
 羽純も負けじと紅茶を淹れる。
「おいしいお茶には、おいしいお茶請けがないと」
 歌菜がいそいそとサンドイッチの用意をする。
「皆も、食べてね」

「あ、私を、食べてくださいっ!」
「ああ、美味そうだな」
 柚が差し出した杏仁豆腐を海は受け取った。
 互いに、他意のない言葉。
 しかし。
「へー、柚も海も、意外と大胆なんだね」
「え」
「ん?」
 三月茶化したような言葉で、違う意味が生まれる。
「あ、杏仁豆腐よ(だ)!」
 二人の声が、揃った。

「ううううもうーっ! せっかくのご馳走なのに、こんな臭いじゃ全然楽しめないじゃないっ!」
「マーガレットさん、大丈夫?」
 美羽が吼え、コハクが心配そうにマーガレットに声をかける。
 トトリや甚五郎たちが行った臭気攻撃。
 その余波が残りまくって、ドクターJAMの周囲はとても物を食べられる状況ではなくなっていた。
 そんな臭気の中。
「う、ん……」
「誰かぁ……」
 物陰に隠れたまま倒れた透乃や陽子たちは、なかなか発見してもらえなかった。

「さあ、サンドイッチが出来た! 皆、お疲れ様!」
「あたしのも食べてね!」
 歌菜が完成したサンドイッチを差し出す。
 その隣で同じ様に皿を差し出したのは、セレンフィリティ。
「セレン、あなたまさか……」
 セレアナが、信じられないといった様子で声をかける。
「そうよ、あたしが作ったの! セキュリティプログラムさんもどうぞ!」
「わーい、ありがとう!」
「いただきまーす」
「あー……」
 セレアナの制止も間に合わず、セレンフィリティの料理を口にするセキュリティプログラム。
 そしてもう一つの惨劇は起こってしまった。


「……駄目、だな。コンピュータが全く稼働していない」
 ここは現実世界。
 蒼空学園の図書室。
 無事、戻ってきたエミンは無念そうに呟いた。
 ウイルスは倒したものの、セキュリティプログラムの謎のダウンでその日一日、コンピュータは使えなくなってしまったのだ。
「これじゃ調べられないね」
 ある調査のために図書館を守り抜いたエミンはがくりと肩を落とした。
「……まあ、また明日がある」
 エミンは明日に、希望をつなぐ。
 生徒たちがウイルスから守り抜いたコンピュータ。
 明日はきっと、再び元気に稼働するはず。


担当マスターより

▼担当マスター

こみか

▼マスターコメント

 こんにちは。
 「食べ物×合体!」を執筆させていただきました、アクションを読んでいたらやたらお腹が減った、こみか、と申します。
 様々な食べ物との合体、そしてそれを生かした衣装、必殺技の数々、とても楽しかったです。
 癖のある食べ物もたくさん出てきました。こちらは、勉強になりました。
 皆さんの活躍で、無事、図書室のプログラムは守り切ることができました。

 それでは、どうもありがとうございました。
 またどこかでお会いすることができれば、とても嬉しいです。