校長室
【第三次架空大戦】這い寄る闇
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「事はおしなべて良好です」 そういったのは鬼頭 翔(きとう・かける)だった。 「政界、財界および軍部の重要人物は避難していて損害なし。町は戦闘で壊滅。【爆弾】を使うまでもありませんでした」 「そうね……」 カミーユ・ゴールド(かみーゆ・ごーるど)はその報告を聞いて満足そうに微笑む。 「招待状は?」 「ポントー・カタナブレードツルギ(ぽんとー・かたなぶれーどつるぎ)を通じて配っています」 「そう。カシスさんと遊ぶのが楽しみだわ」 「まったくです。とりあえず、復興のための資金を流しますか?」 「少し、考えさせて」 「ははっ」 カミーユの言葉に、翔は慇懃に頷くとカミーユの私室から退室した。 そして―― 「報酬なら相場の10倍だすわよ?」 ポントーの言葉を、カシスは不機嫌そうに拒否した。 「相場の10倍……ねぇ。私を動かしたくば、さらに100倍持ってきなさいな。まぁ、どうせ踏み倒す気満々でしょう? 受ける気なんて最初からございませんでしたわ。相談する相手を間違えましたわね」 カシスはそう言って手をひらひらさせる。 「あら、つれないわね。それより、『ゲーム』の参加はそちら側でいいのかしら?」 「そちら側? 私はいつでもこちら側に居ますのよ」 「そうですか」 それを聞いて満足したのか、ポントーは意外とあっさり引き下がった。だが、カシスが拍子抜けしていると妹のフィサリスが封筒を持って部屋に入ってきた。 「えっと、おねぇちゃん。なんか招待状っぽいのが来てるんだけど……あ、遊覧浮遊船の招待状だって」 それだけで、カシスは何かを悟ったようだった。 「やれやれ、厄介ですわね……」 そして、物語は今しばらく、続くのであった。 エピローグ―― 死者の葬儀が執り行われた。合同葬儀だった。 学校の関係者はイーリャの遺影に次々と花を捧げる。 普段は陽気な美羽がベアトリーチェに付き添われながら静かに涙を流していたが、献花を終えてお手洗いに入ると、ベアトリーチェに抱きついて大声で鳴き始めた。 ベアトリーチェも美羽を支えながら、声を上げて泣いた。 フレイとアポロンは葬儀に現れなかった。国軍の基地跡で、瓦礫を片づけて体に鞭打つことで、悲しみを紛らわせようとしていた。 そして、ローザは国軍の司令官に面会を願い出て、ティル・ナ・ノーグについて知っていることを話した。 その結果、勇者たちはティル・ナ・ノーグへ行く。国軍はゲートをを監視しつつ防衛体制を敷く。一部の科学者と軍人は勇者に同行することとなった。 そして、そこで勇者たちは妖精の女王と面会することになる―― 続く……
▼担当マスター
樹 和寿
▼マスターコメント
お待たせしました。今回は早めに仕上がりました。 アクションとアクションの複合作用と相乗効果で思わぬ方向に進みました。 今回は次回のパワーップに向けて機体が壊れたりとかキャラクターが死亡したりとかのアクションが非常に多い回でした。 ですので次回はパワーアップ回、そしてその次が最終決戦かなと考えています。 またよろしくお願いします。