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空京警察特殊9課――解禁、機晶合体!――

リアクション公開中!

空京警察特殊9課――解禁、機晶合体!――

リアクション

 一通りの避難活動が終わり、人気の無くなったショップ階層は、寂しさが支配していた。
 人の声があるべき場所に、それが無い。崩れた壁や天井、床がその気持ちに拍車をかける。
 そんな中を騎沙良 詩穂(きさら・しほ)は一人で歩いていた。
 救助者が残っていないか、どうしても気になったのである。
 一人も残さず救う。それが彼女の信条だった。
 瓦礫を乗り越え、散らばった商品を避けながら、ゆっくりと進んでいく。
 シックスセンスをフルに生かし、影になる部分や折り重なった箇所を、注意深く見て回った。
 しばらくいくと、ずっと感じていた寂しさが消えた。

「そうじゃない、これは……人の声?」

 遠くなのか近くなのか、まだ判別できないが、かすかな声が聞こえてくる。
 詩穂は感覚を研ぎ澄まし、衣擦れの音すら立てないようにしながら歩き続けた。
 段々と音が大きくなる。
 はっきりと聞こえるようになると、詩穂は走り出した。

「ここね」

 目の前には崩壊した壁が横たわっていた。声は壁と床の間から聞こえてくる。
 詩穂は意を決して壁を持ち上げた。
 すると、そこには壁にめり込んだバズの姿があった。


エピローグ

「結局、犯人の正体はわかりませんでしたね」

 捕らえた共犯者たちを護送車に移すと、9課の機晶姫たちがエレーネの元に集まってきた。
 目の前では、スクラップに近い状態となった機晶重機やアンズーが、クレーンでイコン輸送用の車両に載せられている。
 輸送車両の数は足りるでしょうか? なんてエレーネが考えていたところに、ひとりの機晶姫が横に並んだ。
 気になる情報があるのですが、とエレーネに耳打ちする。

「襲撃を受けたと通報のあった空京ヒルズ55階の研究所ですが、どうやらダミー会社の登録だったようです。盗まれたとされるアンプルの中身も詳しいことは分かっていません。こちらは他の課で調査していくとのことです」
「わかりました。それで救助活動の方ですが……」

 課のメンバー候補生として任務にあたっていた契約者たちの活躍により、奇跡的に死者は無いという。
 暴走していたエメネアも、ティセラたちが連れ帰ったとの報告が入っている。いずれ詳しい情報が特殊9課にも降りてくることだろう。

「ありがとうございます。あなたたちも疲れたでしょう? あとの処理は一条さんがやってくれると言うので、私たちは早々にもどりましょう」
「えっ!?」

 聞いてないという表情で振り向いたアリーセを背に、エレーネたちは歩き出す。
 初仕事を見事に戦い抜いた機晶姫たちは、自信を胸に抱きながら凱旋するのであった。

担当マスターより

▼担当マスター

和泉 水晶

▼マスターコメント

 はじめまして、そしてお久しぶりです。和泉 水晶です。

 空京警察24時、ご覧いただきありがとうございます。
 え? タイトルが違う? ゴソゴソ。
 失礼しました。

 改めまして、空京警察特殊9課――解禁、機晶合体!――、ご覧いただきありがとうございます。
 今回のお話は『機晶合体』『謎の忍者(作中では犯人表記)』『納豆パフェ』と盛り沢山の内容でお送りしました。

 今回はいろいろな事情により、少し遅れての公開となってしまいました。
 皆様も健康には十分注意してください。
 普段はなんでもない当たり前のことなのに、無くなってわかる有難み。
 健康も同じですよね。

 上記の理由で、個別コメントを書くことが出来ませんでした。
 それと、称号抜けがありましたら言っていただけると助かります。

 それではこの辺で。また皆様にお会いできる時を楽しみにしております。

▼マスター個別コメント