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18)ラルク・アントゥルース(らるく・あんとぅるーす)

「ラルクさんは、
砕音先生とのご関係では、やっぱり、『攻め』なんですか?
『巨根』というお話も伺いましたし、ぜひ詳しく伺いたいわ」
挨拶もそこそこに切り出したトッドさんの発言に、
ラルク・アントゥルース(らるく・あんとぅるーす)は、盛大にコーヒーを噴き出した。

顔からコーヒーをしたたらせながら、
トッドさんが続ける。
「で、実際どうなのかしら?」
「何ていうか……その……これは放送的に大丈夫なのか?
大丈夫だったら別に答えてもいいんだが……」
「ご安心なさって。
音響さんがなんとかしてくれますから」
「それはそれで、すげえな。
えーと、答えるんだったら、
俺は生まれてこの方受けをしたことねぇな。全部攻めだ。
巨根に関してはまぁ、普通の奴よりは大きいと思うがあんま気にした事ねぇかな?
ちなみに砕音は入院中なんでそういう事は全然やってないんでご無沙汰って奴だな。
できればそのーまぁー激しくはしたいな。うむ」
伴侶の砕音・アントゥルース(さいおん・あんとぅるーす)についてもコメントする。
「まあ、『受け』をされたことがないということは、
では、ラルクさんは『バージン』でもある、ということですね?」
ラルクは再び盛大にコーヒーを噴いた。

「では、他の方からの質問もさせていただきますね。
アン・ブーリンさんからです。

殿方の皆様に。わたくしからも一つ質問よろしいかしら?

二人の女性を相手に男女の契りを結ぶ、所謂「二股愛」について、
どういった考えをお持ちですの?

特に、最後までどちらも選ばずに(どちらかを捨てたり裏切ったりせずに)、
両方の相手に対して誠意を貫くことは果たして可能かしら?
何せわたくし、浮気性の前夫に散々振り回された挙句、最後は汚い手段で
命まで取らr……コホン。
そんな私事はさておき、女性の立場から見れば、自分の預かり知らないところで
夫や恋人が余所の女に懸想をしたり、最悪隠し子まで作られたとなれば、
心中穏やかではいられないと思いますの。

つい浮気や二股をしたくなるのは何故か。
もし当の恋人から詰め寄られたり選択を迫られたらどうするか、
貴方自身の意見を是非お聞かせいただきたいわ」
「まず、浮気について許さない感じだな。
結婚という契りを交わしたんだったらそれを守るのが結婚した奴がする事だろ」
ラルクが毅然とした態度で言いきった。
ラルクが愛するのは砕音だけだから。
「まあ、では、いわゆる『総受け』については……」
「興味ねえよ!?」

「次の質問です。
匿名 某(とくな・なにがし)さんから。

恋人時代からの甘々ラブラブっぷりにさほど変化はないか、もしくは上昇したとして(ぇ
それ以外でその……恋人時代から変わったところってなんですかね
ちょっと漠然としてる質問ですいませんが、
さ、参考にまで聞いてみようかなと思いまして」

「えーっとまぁ、恋人時代から変わった事っていったらぶっちゃけあんま無いんだが
差し当たり家を持ちたいって思うようになった事だな」
「愛の巣、ということですね」
「まあ、そうだな」
ラルクがはにかむ。

「次の質問です。
国頭 武尊さんから。

契約者になる前は、地球で普通に学生やっていて
争い事なんかにゃ無縁だった人も居るだろうから敢えて聞くけどよ。
やっぱ、契約者になってその活動期間が長くなると
人を傷つけたり、時には殺めたりする事に、
抵抗感や不快感を持たなくなるのかね。
すっげぇ答え難い質問だと思うから、無視してもらっても構わないぜ」

「人を傷つけたり、殺したりは
実は俺はあんま罪悪感沸かない方だな。
元々パラ実で生きていく為には何でもしてきてたから
そういう余裕がなく育ったってのもあるけどな」
そうしなければ、生き延びられなかったという事情がある。

「では、次の質問です。
渋井 誠治さんから。

好きな食べ物は何ですか?
割とありがちな質問だけど、番組の中で時間があれば答えてくれると嬉しいな。
出身地が違うと食文化も違うだろうし、皆がどんなものが好きなのかちょっと気になったんだ。
パラミタだと地球の料理はなかなか食べられないかもしれないけど、
ここでアピールしておけば空京で流行っていつでも食べれるようになるかもよ?
なーんてね」

「好きな食べ物は肉類だな。巨獣の丸焼きとかまじで最高!!」
ラルクは低い声で豪快に笑った。

キュべリエ・ハイドンさんから、出演者全員に。

もし地球とパラミタどちらかが滅んでどちらかを救えるのだとすれば
あなたが救うのは地球?それともパラミタ?
両方救うという回答ではなく二者択一でお願いします」

「地球とパラミタどっちを救うって言う質問に対してはパラミタだな。
地球には俺の居場所はもうねぇし、何より大切な奴がいるしな」

「なるほど、では、今度は学校についての質問です。
青葉 旭さんから。

自身の所属校ってどの程度大事に思っている?
質問がアバウトですが、極端な例を挙げると、
王国が滅んでも学校を守る。
他の学校を全部潰して自分の学校1校だけにしたい。
友達よりは大事だけど、恋人よりは大事でない。
嫌い、早く転校したい。
全く大事でないどころか明日にでも破壊したいくらい嫌い。
といったところかな。

自分の学校のこういう点が改善されたらもっと好きになれるのに、
というのがあったらそれもお願いしたい」

「……学校自体は普通ぐらいじゃね?
研究機関としては高い設備を使わせてもらったりしてるし
いい環境で学ばせてもらってるってのはあるが、
死ぬほど守りたいって訳でもねぇな」

「ラルクさんはパラ実出身で、現在は空大在学で医学を勉強されているんですよね。
では、最後に、
弁天屋 菊さんから、
転校経験者全員への質問です。

転校して苦労した事は?
転校して良かった事は?」

「転校して良かったのは学び舎として最高の環境だって事だな。
苦労してる点は校長に用がある時基地じゃなく校長室に行っちまう事だな。
ある意味アレ、トラップだろ」

「今日は、たくさんお答えいただきありがとうございました」
「おう、俺も珍しい経験ができて楽しかったぜ」