|
|
リアクション
45)御茶ノ水 千代(おちゃのみず・ちよ)
御茶ノ水 千代(おちゃのみず・ちよ)は、人気番組出演にあたり、
恥をかかないようにしっかりメイク、
服装はパリッと国軍制服で登場した。
「千代さんは、
今年のクリスマスイブで四十路を迎えられるそうですね。
街がイルミネーションでいっぱいのこの季節、
どんなお気持ちか伺ってもよろしいかしら?」
「そうですね、年月が経つのは早いものです。
ん、クリスマス……街はイルミネーションで飾り付けられ、
幸せそうなカップルで溢れかえる」
千代は、カメラ目線になって言った。
「今年は彼氏もいるので全然寂しくも惨めでもありません」
キリッと擬音を立てる。
「まぁ彼氏がいなかったら、
今年のこの時期は任地のボーローキョーにこもりっきりで
寂しさを紛らわせていたかもしれませんね」
大人の女の落ち着いた笑みが、浮かぶ。
「日本からパラミタに来て早2年。
もう男性とお付き合いする事もないんだろうな……と言う漠然とした気持ちはありましたが、
こんな私を見初めてくださった、セシルくんには感謝の気持ちでいっぱいです。
いつも、明るい笑顔で私を励ましてくれる、セシルくん……
この場を借りて申し訳ありませんが『ありがとう』と」
「全世界へ向けて、愛を伝えられましたね!
きっとどこにいても届いたことでしょう。
続いては、
ローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)さんの質問が届いています。
千ぃ姐(御茶ノ水千代)へ
千代の元ヤンとか秘書だった時の経験って、
契約者になって冒険とかをしている際、どんな所で役に立っているなぁ、って感じる?」
「ローザさんいつもお世話になっております。
あまり深く考えた事はありませんけど、
行動にメリハリができている……とは思っております。
軍属として強気に出なくてはならない時は、
不良さん時代に培った『向こう見ずな心構え』。
ヒラニプラ南部での戦いでは、
この心構えで敵将と向かい合い良い結果に繋がったと思っております。
慎重になって行動しなければならない時は、
秘書時代に培った『一歩下がって冷静にという心構え』。
コンロン、ボーローキョーでの交渉の際は、
嘘偽りのない誠心誠意のこの心構えが亡霊王さまに伝わり
よい結果を出す事が出来た、と思っております。
相反する心構えなんでしょうけど、
TPOに合わせ自然に使い分けができているのかな、思っております。
まだまだ歳をとって落ち着いている場合じゃないんですよ」
「なるほど。
あなたも、あと30年したらわかることもありますよ。
楽しみにしてらしてね」
「それは、ぜひ」
トッドさんに、千代は笑みを返した。