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【マスター合同シナリオ】百合園女学院合同忘年会!

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【マスター合同シナリオ】百合園女学院合同忘年会!

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■大切な人と一緒に

忘年会会場にて。
ヴァイシャリー家の力により、百合園女学院の体育館は、
豪華なパーティー会場へと様変わりしている。

日本の伝統文化に触れてもらおうと、
宇都宮 祥子(うつのみや・さちこ)は、
パートナーのヴェロニカ・バルトリ(べろにか・ばるとり)を伴い、
ティセラ・リーブラ(てぃせら・りーぶら)を誘って、餅つきを行うことにした。

臼と杵を用意した祥子が、お餅についてのトリビアを、ティセラに説明する。
「今回、お餅をつくにあたって、改めていろいろ調べてみたの。
文献にある範囲だと、
お餅というのは奈良時代から存在するし、
平安時代にはお祝いの席で食べられるようになったそうよ。
鏡餅を神様にお供えし、
それを皆で分けることで神様からの祝福を得ようとしたといわれているわ」
「なるほど、では、どうして、丸いお餅を重ねているんですの?」
ティセラの問いに、祥子が立て板に水で答える。
「鏡餅はその丸さを神様が宿るとされた銅鏡に見立てて鏡餅と呼んだとか。
丸さが家庭円満を表して重ねた姿に
1年をめでたく重ねるっていう意味のほうが有名かしら?」
「興味深いお話ですわね。
日本とシャンバラは強く結びついた土地ですもの。
これからの1年も、さらによい年になるように願いを込めたいですわね」
ティセラは、祥子の話にうなずいた。

「ええ。円満を表す鏡餅を皆で作りましょう。
百合園の一般生徒でも契約者なら餅つきをする程度の力はあるはずだし。
遊び感覚が多分にあるけどちょっとした体験学習かしらね」
百合園のお嬢様であっても、
契約者であれば、普通の杵を持ち上げるくらいの力なら普通にある。
「古き良き伝統か。
格式張ったところで伝えるものが絶えては意味が無い。
現在風に楽しみながら体験する者や
伝える者が現れるのもまたきっと良いことなのだろう」
ヴェロニカがうなずいた。
「せっかくだから、2人で杵を持って、ついてもらってはどうだろうか?
良家の子女であれば、こうした力仕事に抵抗のある者もいるだろう。
だが、それなら、共同作業や、
ともに製作するという楽しみも増すのではないか?」
「たしかにそうね。
じゃあ、ティセラ、私達は2人でこねる役をやりましょうか」
「ええ。タイミングを見計らって、
お餅をこねるのですわね。
わたくし達なら、息があった連携ができそうですわね」
ヴェロニカの提案に、祥子が同意し、腕まくりをする。
ティセラも、エプロンを身に着けて、髪をまとめ、
餅つきの準備を整えた。

「【女王の加護】が降りますように! と祈りながらつけば
アイシャ様のご加護が宿ったりするのかしら?」
「ふふ、そうね。シャンバラの国家神はアイシャ様だもの。
シャンバラの五穀豊穣と平和も祈りましょう」

臼の周りには、すぐに、もの珍しそうに生徒達が集まってきた。

「力に自信のないものは、私が手伝おう。
パートナー同士で親睦を深めるいい機会でもあると思うぞ」
女王の騎士であるヴェロニカとともに杵を持てば、
力仕事をしたことのないものであっても、安心して餅つきに参加できる。

「こういうのはタイミングと息を合わせるのが大切だものね」
「そうですわね。そーれっ」
最初は祥子の見よう見まねだったティセラも、
掛け声を合わせて餅つきができるようになってきた。

人々の熱気と、蒸されたもち米の湯気が立ち込めるなか、
お雑煮や百合園に飾る鏡餅、
お土産用の鏡餅と、皆で協力して、たくさんのお餅が作られていった。

「本当はおもてなしされる側のはずなのにごめんね、ティセラ」
お餅を丸めながら、隣のティセラに謝る祥子だが。
(とはいえティセラにこういう普通の生活や行事参加をしてもらうのが
楽しみだったりするんだけどね)
そういうふうにも思っていた。
その気持ちは、もちろん、ティセラにも伝わっていた。
「こんなふうに、年越しができるのはうれしいですわ。
どうもありがとう」
「ふふ、お礼を言うのはこちらの方よ」
「あ、ちょっと待ってくださらない?」
ティセラが、ふきんを手に、お餅を丸めて粉をまぶしている祥子に近づく。
「え、なに?」
ティセラは祥子の額をふきんでぬぐった。
「粉がついていましたわよ」
「やだ、ありがと」
2人は、笑顔を交わし、楽しい作業をしながら、来たる新年に想いを馳せた。