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お月見の祭り

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お月見の祭り
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 ジュンコ・フローレンス(じゅんこ・ふろーれんす)マリア・フローレンス(まりあ・ふろーれんす)は、舟の上からお月見をしようと二人用の舟を借り、満月の元へと漕ぎ出した。
「とても美しい月ですわね」
 ジュンコが上空の月を見つめて、呟いた。
「ええ、本当に綺麗。こんな月を二人きりで見られて、本当に嬉しいわ」
 マリアも、ジュンコと同じ月を見上げて嘆息する。
 今日のジュンコとマリアは、浴衣姿だ。
 二人ともそれぞれの浴衣が似合っていて、この祭りの雰囲気にもぴったりと合っていた。
「そろそろ、池の中央かしらね」
 ジュンコとマリアは二人で舟を漕ぎ、池の中央へと向かっていった。
 水面に映る月と頭上の月がどちらも綺麗に見られる場所に着くと、二人は舟を漕ぐ手を止めた。

 今日は、ジュンコとマリアが夫婦になってからの、初めてのデートだ。
「穏やかな日で、良かったわね。池の上から見る月も、周りの景色も、とっても綺麗……」
 マリアは、舟の周りをぐるりと見回して、そう呟いた。月は優しく、そんな二人のことを照らし出している。
「……マリア」
 ジュンコがマリアの名前を呼んだ。
「いつも私の事を支えてくれたこと、心から感謝していますわ」
「こちらこそ、出会ってから夫婦になるまでいつも私のことを支えてくれて、本当にありがとう。私も、心から感謝しているのよ」
 ジュンコはマリアの言葉を聞いて、微笑んだ。
「一緒にいてくれてありがとう、マリア。愛していますわ」
「こちらこそ一緒にいてくれてありがとう、ジュンコ。愛しているわ」
 そう言ってジュンコとマリアは、どちらともなくお互いを優しく抱きしめた。

 ジュンコとマリアの記憶には、美しい月と周囲の景色とともに、この日の思い出が刻み込まれたのだった。