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パラくる!!

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パラくる!!
パラくる!! パラくる!! パラくる!! パラくる!!

リアクション


『パラくる!!』生放送開始!

パラミタ大陸のいろいろな思い出や
素敵な場所を伝える番組、『パラくる!!』。

その生放送が始まった!

記念すべき一番手は。

「押忍! イルミンスール武術部部長マイト・オーバーウェルム(まいと・おーばーうぇるむ)だ!」
イルミンスール武術部・部室で、
マイトがカメラに向かって正拳突きのポーズを決める。

「パラ実に入学予定だった俺だが、
手違いでイルミンに入学してしちまったんだ。
でも、魔法に対抗するための独自の武術を編み出せたし、
仲間もたくさんできた。
だから、結果オーライだぜ、ヒャッハー!」

「武術の訓練によさそうな環境ですね」
リポーターのジークリンデ・ウェルザング(じーくりんで・うぇるざんぐ)がうなずく。

道場には部員たちが日夜、修行を行っていることがうかがえる、熱気が満ちている。

「イルミンスール魔法学校校長のエリザベートに正式に認可されて、
シャンバラ大陸の各地に支部道場があるんだぜ!
もちろん、俺が師範代だ!
入部ならびに道場の参加は何時でも募集してるぜ!
もちろん、挑戦者や道場破りもどんとこいだ!
ヒャッハー!」

「うむ、ならば、俺様の挑戦も受け入れてもらおうか!」
そこに、突然、乱入してきたのは全裸に薔薇学マント、赤いマフラーの男であった。
言わずと知れた、変熊 仮面(へんくま・かめん)である。

「ちょっ!?
これ、生放送でテレビよ、テレビ!?」
もう一人のリポーター、高根沢 理子(たかねざわ・りこ)が慌てる。

そこに、補助輪のついた自転車に乗った、
にゃんくま 仮面(にゃんくま・かめん)が走ってくる。

「師匠! そのままじゃ、放送してもらえないにゃー!」
にゃんくま仮面の手には、黒い大きな丸のついた棒が握られていた。

「テレビ局は放送倫理規定が厳しいにゃ」
スライディングしたにゃんくま仮面は、
両手で2つの黒い大きな丸のついた棒で、
変熊仮面の……乳首を隠した。

「テレビは自主規制で乳首NGにゃ!」
「……」
その場が沈黙に包まれる。

そして、振り向きざま、ピースする変熊と一緒に、
にゃんくまは、ドヤ顔で宣言する。
「乳首隠して、アレ隠さず!」

「はーっはっはっは!
登場シーンも決まったところで、俺様と勝負だ、マイト!」
「ヒャッハー!
望むところだぜ!
俺のせっかくの見せ場、取られてたまるか!
こうなったら、俺の筋肉も見せてやるぜ、ヒャッハー!」
マイトも、道着をはだけさせつつ、
変熊に応戦する。

「何を言う!
この俺様の肉体美にかなうものなどない!」

マイトと変熊の大乱闘が始まった。

「【東シャンバラ・ロイヤルガード】でもある俺様の実力を見よ!」
「ヒャッハー!
そうは言っても、自分の股間はガラ空きだって噂だぜ!」
「って、こんなのいきなり放送できないじゃない!
イルミンでこんなことされたら困りますよ!」

そこに、遠野 歌菜(とおの・かな)が乱入し、
両手の槍で、マイトと変熊とにゃんくまをぶっ飛ばす。

「ヒャッハーーーーーーーーーーーーー!?」
「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
「いたいけな動物に暴力をふるうなんてにゃーっ!?」

「さあ、皆さん、こちらへ!」
「あ、はい」
「道場に穴空いてるけど……」

歌菜は、ジークリンデと理子の手を引いて行った。

そして、いきなり、画面が切り替わる。


次に紹介される場所は、
イルミンスール生徒会室である。

「イルミンスールの生徒会発足の話を聞いて、
いてもたってもいられず、立候補しました。
補佐の羽純くんに助けて貰いながら、頑張ってます!」

【イルミンスール魔法学校生徒会会計】の役職についている歌菜が、
パートナーの月崎 羽純(つきざき・はすみ)とともに並び、笑顔を向ける。

「明朗会計に尽力する、鬼会計とは、私の事ですよっ。
頑張る人達は全力で応援し、締める所はきゅっと締めるのです!」
歌菜は、帳簿を手にして、こぶしを握り締める。

「生徒会に立候補して、羽純くんはずっと私を支えてくれてます。
イルミンスールの為、これからも羽純くんと頑張っていきたいなって思います!」
「ああ、歌菜と二人で一緒にな」

生徒会役員として思い出を語る2人に、理子がうなずく。
「そうね、契約者の学生が主体で、
学校を作っていく。
それがシャンバラの学校のいいところね」

「そうなんです!
ニルヴァーナの開拓でも、
皆で町を作ることができてとても楽しかったです。
続いて、そちらのVTRをどうぞ!」

歌菜が笑顔とともにポーズを決めると、
画面が切り替わり、ニルヴァーナの映像が流れる。

映されたのは、歌菜が、羽純と一緒に作ったお店、
惣菜屋【笑顔の魔法】であった。

お店は、手作りのお惣菜とお弁当を買うために大勢の人でにぎわっている。

「得意の料理で、人を笑顔に出来るなんて、
魔法みたいに素敵だなって、そう思います」
「立ち上げには苦労したが、それも良い想い出だな」
歌菜の言葉に、羽純がうなずく。

「うーん、おいしい!
やっぱり和食を食べると、気持ちが安心するというか」
「お弁当、ボリュームもあって、しかも、品数も豊富で、
肉体労働をしている私みたいなフリーターも大満足ですね」
舌鼓を打つ理子とジークリンデを見て、
歌菜が笑顔を浮かべる。

「なんだかグルメ番組みたいですねっ!
おいしく食べてもらえて、私もうれしいです」
「歌菜の魔法で、
みんなが笑顔になっているのを見ると俺もうれしいな」
羽純も、微笑を浮かべた。

しかし、そんな中。

「うおおおおおお、うまいぜー!
ヒャッハー!」
「もぐもぐ、これは高貴な俺様にふさわしい高級料理だ!」

なぜか、マイトと変熊がお惣菜を食べている様子が映ったような……。

そんなところで、シーンが切り替わるのだった。