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リアクション
第1章 カンガンガニ争奪戦
■□■1■□■ カニとソーセージの歌
ヴァイシャリーの静香の宮殿に忍び込んだ瓜生 コウ(うりゅう・こう)は、
静香が蟄居を命じられた場所、蟄居の間の捜索を行っていた。
コウは女なので、もしカンガンガニに遭遇しても切られる心配はない。
「古来より様々な地方で動物のオスのアレが精力剤としてチン重されて来た。
そして宦官になった静香の大事なモノは見つかっていない……
もし蟄居させられた静香のアレがカニにチョッキンされ、
食べられてしまったのだとしたら、
そのカニの甲羅が金色に輝いたとしてなんの不思議があるだろうか?」
コウは、カンガンガニをどうしても探し出そうと、
近くにいた従者を捕まえて、言う。
「普通の甲羅のカンガンガニしかいないじゃないか!
金色のはどこにいるんだ!?
言わなければ、あんたも蟄居の間に閉じ込めて、カンガンガニをけしかけるぞ!」
「ひいいい、き、金色のカンガンガニは、
ヴァイシャリー湖畔の沼地にいるという話です!」
「なにっ、宮殿にはいないのか……」
コウは、従者を放す。本気で怯えている従者は嘘をついているとは思えない。
そこで、コウは、ヴァイシャリー湖畔の沼地に向かった。
★☆★
ヴァイシャリー湖畔の沼地で、
カンガンガニを探そうとする現在・静香達の前で、
コウは言う。
「地球には作者が不明のこのような歌が伝わっている。
これは予言の歌に違いない」
「予言の歌?」
小ラズィーヤが問い返し、コウは歌い始める。
ABCD海岸で カニにチンチンはさまれた
痛いよはなせ はなすもんかソーセージ
赤チン塗っても治らない
黒チン塗ったら毛が生えた
「『海岸』は『カンガン』の音写、
そして、考えてみれば、宦官がすべて超人になるわけではない、
この『毛が生えた』が『殖える力』と引き換えに人を超える樣を表しているのだとしたら……!」
「そ、そうなのか!?
では、『赤チン』『黒チン』とはなんのことだ!?」
自信たっぷりなコウに、小ラズィーヤが食いつく。
「それはオレにもまだわからない。
だが、きっと意味のあることに違いないんだ!」
「コウさん、正気度が下がってるよね……」
静香は、エキサイトするコウと小ラズィーヤに小さく突っ込む。
コウは、イルミンスール魔法学校クトゥルフ神話学科の学生である。
「でも、なんていうか、完全には否定できないよ……」
未来でいろいろなことが発生しているだけに、
もはや何が起こってもおかしくないと思う静香であった。
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