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リアクション
(・追加武装案)
長谷川 真琴(はせがわ・まこと)は、整備科に所属する生徒として、ある仕事を行っていた。
「真琴、パイロット科の教官長から預かってきたよ」
クリスチーナ・アーヴィン(くりすちーな・あーう゛ぃん)が、追加武装に関するリクエストの書かれたシートを持ってきた。
前もって、「整備科から」ということで希望を聞くために。整備科長曰く、「大概の武装ならプログラムの書き換えですぐに使用可能になるが、それを揃えるには時間が掛かる」とのことである。この二ヶ月でホワイトスノー博士が現行イコンの九割近くを解析し終えたらしいが、その言葉を聞く限りは本当なようだ。
「それにしても、イーグリットは装甲の強化が多いですね。機動力に優れる分、やはり装甲の薄さはネックになりますか」
「逆に、コームラントは接近戦用の武器が上がってるね」
主なものは以下の通りだ。
・追加装甲(肩部防弾装甲など)
・手榴弾(対随伴歩兵用)
・ビームシールド
・実体剣(日本刀型、サーベル型など)
・ビームアサルトライフル(イーグリット用)
・重機関銃
・遠距離狙撃用ライフル(実弾、ビーム式)
・ミサイルポッド(実弾ミサイル、コームラント用)
・ショートライフル
・拘束用装置(ロープとか機晶エネルギーをダウンさせる類のもの)
・ライアットガン(散弾銃)
・ビーム系武器への属性付与
・二丁拳銃
・投擲系武器(ブーメラン、チャクラム等)
・拡散バズーカ
・デコイ
・熱光学迷彩
・格闘用武器(実体式)
・長距離誘導ミサイル(イーグリット用)
・パイルバンカー
細かいものまで見ていったらキリがないが、イーグリット、コームラント別にリクエストをまとめていく。
「これに優先順位をつけていった方が良さそうですね。敵もいつ武装の追加をするか分かりませんし、現行で敵イコンに対して有利になるようにするには……」
鏖殺寺院イコンの解析資料集に目を通しながら、検討していく。
「コームラントの近接武器は一番必要かもしれません。元々長距離支援機ですが、万が一接近されたときに何も出来なくなってしまいますし」
「実体剣があるといいかもね。コームラントはビームでエネルギーを使うし」
「優先順位は高くしておきましょう。次に、現時点では少ないイーグリットの追加武装ですか。機動力を生かすなら、あまり重い武装は追加しない方が良さそうですね。ビームライフルをアサルトライフルにするとか、ライフルを二挺使えるようにするとかならすぐに出来るかもしれませんね」
その後は、やはり追加装甲か。とはいえ、これは機動力を下げることになるので、気持ちマシになる程度だろう。
イーグリット、コームラントでそれぞれ多いのはビームシールド(イーグリット)とミサイル系(コームラント)だ。
「とりあえず、整備に時間がかかる装備よりは、手間がかからないものがこちらとしては有難いですね。その方が整備不良なんて事態は減るでしょうから」
整備科目線で、リクエスト案のまとめを完了させる。
「さて、では提出しに行きましょう」
真琴は武装の開発とプログラムの書き換えを行っている、極東新大陸研究所海京分所へと向かった。
ホワイトスノーと整備科長、整備教官長の判断はあるだろうが、リクエストが多くあまり複雑ではない武装ならば採用される可能性は高い。
あとは何が採用されるか、それを待つだけだ。