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イコン博覧会(ゴチメイ隊が行く)

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イコン博覧会(ゴチメイ隊が行く)
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「さて、本日のメインイベントです。これより、三チームによる模擬戦となります。えー、ここで観客の皆さんに御注意です。模擬弾を使用と言ってあったのですが、皆さん容赦なく実弾を持ってきているみたいで……。流れ弾に気をつけてください。運が悪いと死ねます」
 シャレード・ムーンが容赦のない注意をするが、その程度で怯んで帰る観客など一人もいなかった。
「さあ、では参加機体とパイロットを御紹介しましょう。
 まずはAチームから。
 ララ サーズデイ(らら・さーずでい)さんとリリ・スノーウォーカー(りり・すのーうぉーかー)さんが乗るのは、ラルクデラローズです。ベースはアルマイン・ブレイバーとなっていますが、これは美しい。極限にまで機動性を高めた機体は、パールシルバーの美しい装甲に被われています。左肩から腕を被うマントを模したバインダーシールドが特に美しく、細身にカスタマイズしたマジックソードと相まって、そのシルエットはまさに中世のデュエリストを思わせます。補助兵器として、スナイパーライフルを装備しています。操縦方法はモーショントレースシステムを試験的に搭載しているということですが、はたして実際の戦闘でどの程度の効果を発揮するのでしょうか。
 さて、二番機は、平等院鳳凰堂 レオ(びょうどういんほうおうどう・れお)さんとイスカ・アレクサンドロス(いすか・あれくさんどろす)さんの乗るアイオロスです。機体その物はノーマルのイーグリット・アサルトのようですが、射撃武装はマジックカノンに換装されています。さらに、機動力が化け物のようです。両肩に装備したブースターで、通常のイーグリット・アサルトの1.8倍にもなる速度を出せると聞いています。はたして、その力を使って、切り込み隊長として先陣を切れるのでしょうか。
 さあ、三番機の御紹介です。ジガン・シールダーズ(じがん・しーるだーず)さんとエメト・アキシオン(えめと・あきしおん)さんとザムド・ヒュッケバイン(ざむど・ひゅっけばいん)さんの乗る晃龍オーバーカスタムです。ザムド・ヒュッケバインさんは魔鎧ですので、ジガン・シールダーズさんのパイロットスーツとして一体化しているようです。イコンの方は鋼竜をベースとして、様々なカスタマイズを施しているというふれこみですが、実際にはまだ改造途中のようですね。けれども、光条サーベルを搭載したり、浮遊機晶石によって空中機動も可能にしてあるなど、オリジナルの鋼竜にない要素を持っています。見た目だけで侮ると手痛い目に遭うかもしれません。
 では、Bチームを御紹介しましょう。一番機は、朝霧 垂(あさぎり・しづり)さんとライゼ・エンブ(らいぜ・えんぶ)さんの乗る是空です。雷火をベースとした機体ですが、これはまたすばらしく煌びやかです。その姿は、まさに将軍と呼ぶにふさわしいでしょう。深紅の機体に漆黒の追加装甲。陣羽織を思わせる後方に長くのびた草摺が印象的です。光条サーベル、マジックソード、鬼刀と三本の刀を持ち、小型飛行ユニットで敵に迫ります。
 二番機、柊 真司(ひいらぎ・しんじ)さんとヴェルリア・アルカトル(う゛ぇるりあ・あるかとる)さんの乗るイクスシュラウドです。イーグリットをベースとした機体ですが、まるでコームラントのような重装備となっています。頭部のアイアンホーンが特徴的ですね。正式名称はCHP003‐Ex‐Sイクストローディナリー・シュラウド・イーグリットとありますが、開発コードか何かでしょうか。基本的にボディはちゃんとイーグリットですが、複合装甲ユニットシュラウドと自らが呼んでいる追加装備のために、かなりボリュームのあるシルエットとなっています。特に肩のフライトユニットは増設バッテリーと一体化され、まるでミサイルランチャーのように肥大化しています。また、脚部の強化も著しく、参加イコン中最大級の装甲厚を持っています。これらの装甲に内蔵された姿勢制御用スラスターのおかげで、最大の回避性能をも有しているそうです。
 さあ、三番機です。鳴神 裁(なるかみ・さい)さんとアリス・セカンドカラー(ありす・せかんどからー)さんの乗るゴッドサンダーです。イーグリットをベースとしていますが、ほとんど原型は残っていません。むしろ雷火に近いコンセプトの鎧武者然としたシルエットとなっています。蛇腹剣とマジックカノンという武装の組み合わせで、こちらもホバーユニットで、ある程度の空中機動を可能としています。最大のエネルギー量を持ち、継戦能力は高そうです。
 では、Cチームを御紹介しましょう。
 まずは、無限 大吾(むげん・だいご)さんと西表 アリカ(いりおもて・ありか)さんの乗るアペイリアーです。イーグリット・アサルトをベースにした機体で、装甲を強化し、参加機体中、圧倒的な耐久力を誇ります。武装は攻防のバランスを考えた物が多く、敵の攻撃をある程度受けとめることが可能なように刀身の周囲にビームブレードを展開する幅広のビーム双剣クロスブレイカー、ガトリングガンとシールドが一体化したガトリングシールド、肩のスプレッドグレネードランチャー、左腕のシールドと多彩です。
 二番機は、桜葉 忍(さくらば・しのぶ)さんと織田 信長(おだ・のぶなが)さんの乗るイーグリット・アサルトです。白銀の機体には、織田さんの家紋の描かれたマントを羽織っていますが……。ちなみに、その都度いろいろ換装しているそうで、マジックソードとマジックカノンとシールドを追加した現在のバランス型はブレイブハートと呼んでいるそうです。
 さあ、最後の機体です。御剣 紫音(みつるぎ・しおん)さんと綾小路 風花(あやのこうじ・ふうか)さんの乗るゲイ・ボルグ アサルト。イーグリットをベースとした機体ですが、こちらもまたかなりの改造が施されています。全機体中最高の機動力と回避性能、そして命中率を誇る、名づけてCHP003―AS/C、イーグリットゲイ・ボルグアサルトストライカーカスタムだそうです。コームラント用のビームキャノンを改良した大型ビームキャノンを携帯し、両肩にはマジックカノンを二門装備したスナイパーを思わせる実にスリムな機体です」
 
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「さあ、はったはった! どのチームが優勝するか、ここが勝負時やで」
 大久保 泰輔(おおくぼ・たいすけ)が、すかさず昼ご飯を賭けたトトカルチョを開始していた。
「そうですねえ、僕の予想だと……」
 フランツ・シューベルト(ふらんつ・しゅーべると)が予想屋として、大久保泰輔をサポートする。
「うーん、やっぱりイーグリットはいいぜえ。さっき戦ってたのはセンチネルだったらしいけど、すっぴんのセンチネルは不格好だからなあ。今度エントリーしてるのはってえと……。イーグリットと、アルマイン……? イルミンスールの虫メカか。それに蒼空学園のパチモノイーグリット、教導団のゴッツいの、葦原の武者イコンと……」
「なるほど……。うーん、だったら、白い奴が勝つね」
 シリウス・バイナリスタ(しりうす・ばいなりすた)サビク・オルタナティヴ(さびく・おるたなてぃぶ)が、無邪気にどれが勝つかを談議する。
「イーグリットは二機いるけど、どっちだ?」
「だから白い方」
 サビク・オルタナティヴの言葉に、だからどっちなんだとシリウス・バイナリスタが考え込む。
「いいや、じゃ、オレはBチーム、サビクはCチームな」
 そう言うと、シリウス・バイナリスタが大久保泰輔のトトカルチョに参加した。
「それにしても、なんだかんだで飛べるようにしたイコンが多いわよね。うーん、これは撃ち落としがいがあるじゃない? 何か騒ぎが起きるまでは、撃墜シーンを堪能したいものだわ」
 なんだかんだで全機一応の飛行能力は有しているようなので、派手な撃墜シーンを期待してシルフィスティ・ロスヴァイセ(しるふぃすてぃ・ろすう゛ぁいせ)がちょっとわくわくした。一応、リカイン・フェルマータからは有事に備えて周囲を警戒しろとは言われているが、それと模擬戦を楽しむのとはまた別問題ではある。
「頑張るのだ、主様。やっつけるのじゃ!」
「風花も気張るのじゃぞ」
 アルス・ノトリアとアストレイア・ロストチャイルドが、御剣紫音の乗るゲイ・ボルグ・アサルトに声援を贈った。