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結成! ショートカット同好会!!

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結成! ショートカット同好会!!

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4.多忙!

 部室でラルフは全生徒リストをチェックしていた。
 シャーロットのおかげでショートカットの女の子を全て把握していた。今度はそれを使って、コンテストの出場者を探しているところだ。
 現在、勇や里也も協力して出場者を集めに行っている。

 プリントを手にしたヤチェルが廊下を走っていると、突然道を塞がれた。
「廊下は走っちゃあかんで、ショートカット同好会の会長さんよぉ」
「だ、誰ですか?」
「ウチはツインテール同好会の桜井雪華(さくらい・せつか)や」
 雪華の後ろには、同じくツインテールに結んだパートナーのヘルゲイト・ダストライフ(へるげいと・だすとらいふ)がいた。
「ショートも可愛いけどな、ツインテールの方がより可愛いと思わんか?」
「勧誘、ですか? 今忙しいんで」
 と、ヤチェルは強行突破しようとするが、雪華が邪魔をしてくる。
「おっと、そうはさせへんで」
 ヘルゲイトが申し訳なさそうな目でヤチェルを見ていた。
「人の話はちゃんと最後まで聞いてもらわんと」
「すみません、コンテストの準備があるんで」
 と、ヤチェルはヘルゲイトの方へ向かう。
「ごめんね、通らせて?」
「あ、どうぞ」
 ヘルゲイトが道を開けたおかげで、ヤチェルはその場を去ることに成功した。
「ちょ、何逃がしとんねん!」
 雪華はヘルゲイトをハリセンで叩く。
「ご、ごめ……すんまへん」
「せっかく正面切って話せると思っとったのに!」
 雪華は苛々していた。
「で、でも、コンテストだなんて、おもろそうやないですか?」
「阿呆か!」
 と、再びハリセンで叩かれるヘルゲイト。
 すると、一部始終を見ていたらしいどりーむが声をかけてきた。
「ツインテール、良いよねぇ」

「はー、やっと終わったよ」
 と、勇はラルフの隣へ腰を下ろす。
「お疲れ様です」
 ラルフはそう言ってリストから目を上げた。
「さすがに、全員に声をかけるのは疲れるね」
 そう言いながらも、勇は楽しそうに笑っている。
 ラルフは机に置かれた勇のカメラに手を伸ばした。
 勇が不思議そうにラルフを見る。ラルフは彼女へ向かってカメラを構えた。
 そしてパシャリとシャッターを切る。
「……え、ちょ、何で撮ったの?」
「ショートカットの女の子なら、あなたも入るでしょう?」
 ラルフはにっこり笑った。
「その髪型、似合ってて可愛いですよ」
 勇は顔を赤くし、そっぽを向く。その場に居合わせた京たちが呆れた視線を二人へ向ける。
「コンテスト、出たらどうですか?」
「そ、そんな……ボクは別に」
 すると勢いよく扉が開かれた。
「会場が決まったわ!」
 ヤチェルである。
 お菓子を食べていた京とりをが、篤子が歓声を上げる。
「おめでとう!」
「おめでとう、会長!」
「ようやく、コンテストが開催できますね」
 篤子は内心、うきうきしていた。自分を真のショートカットとして認めさせるのに、最も有効だと思っていたからだ。
「こちらも、出場者揃いました」
 と、ラルフも報告をする。ヤチェルは目をキラキラさせた。
「やった! ありがとう、みんな!」
 今にも飛びつきそうな勢いだったが、こらえて会長席へと移動する。
「あのね、勇ちゃんには悪いんだけど、やってほしいことがあるの」
 そう言ってヤチェルは勇を見た。
「何なに? ボクで良ければ協力するよ」
 先ほどのことがなかったように、勇は元気な声で聞き返す。
「当日、写真を撮ってほしいの。里也ちゃんにも頼もうと思ってるんだけど」
「それならボクに任せて!」
 勇の返答にヤチェルはにっこり頷いた。
「それで、賞品は何にするか決まったの?」
 と、ふいにりをが問う。
「うん、そのことなんだけど……」
 ヤチェルは京を見た。
「それでいいと思わない?」
 今にも口に入れられようとしている、それを。