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■饅頭こわいにゃー!

閉会式にて。

全身凍傷&骨折してギプス姿の美央に、
似たような姿のイングリットが、
葵に饅頭を要求してもらう。
「というわけで、雪だるま王国饅頭一年分をグリちゃんにあげてほしいの」

「わかりました……。
あなた方にはこの雪玉饅頭を差し上げましょう!」
美央が用意したのは、雪でできた饅頭の山であった。

「にゃー!? さすがに寒いにゃー!」

「葵さんたちも遠慮することはありませんよ。
アル・アジフさんとあわせて3人分、
雪玉饅頭1年分味わうといいのです……」

「ど、どうしてあたしまでー!? ……不幸ですぅ」
やはり包帯だらけのアル・アジフが涙目で言う。
「美央女王様が、また、雪だるまの暗黒面に落ちちゃったよ!?」
葵は、昨年の夏の雪山での出来事を思い出す。


「ジョセフとクロセル騎士団長にも、雪だるまの慈悲を……毎食、雪玉饅頭を食べさせてあげます」
「オーノー!?」
「ちょ、赤羽へーかー!?」
こちらも包帯ぐるぐるのジョセフとクロセルも悲鳴を上げる。

「マイトさん、夜空さん、当然、この雪崩の原因を作ったあなた方もですよ」
「赤羽の女王様!? 目が座ってるぜ!?」
「って、なんでもありっていったじゃんか!?」
マイトや夜空も戦慄する。
「まあ、いいや。あたしの分は皐月に食べさせるから」
「ちょ、おま!?」
夜空の発言に、皐月が慌てる。


「こうして、雪だるま王国史に残る、圧政が敷かれたのです……」
エリセルが、後世の歴史家っぽくモノローグを語るのであった。