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最終日

 最終日になった。
 この日の予定としては空港へ向かって、帰ること。
 午前中からメンバーはバスに乗って、ホテルに別れを告げていた。
「自分はもう少しここにいるでありますよ」
 葛城 吹雪(かつらぎ・ふぶき)はそう言って、バスに手を振っていた。相変わらず、彼女の和服姿は様になっていた。


 帰りのバスの中は、行きと同じく楽しげな空気に包まれていた。
「旅行、楽しかったね、お母さん!」
「そうねぇ。いろんなものが見れて、楽しかったわねぇ」
 佐野 悠里(さの・ゆうり)佐野 ルーシェリア(さの・るーしぇりあ)も、そうやって楽しそうに話している。
「また時間ができたら、旅行、行きましょうねぇ」
「本当!? やったー! ねえお母さん、一つ聞いていい?」
「なーに?」
「どうして、男の人のみんなは疲れた顔をしているの?」
「……悠里。世の中にはね、知らないほうがいいこともあるのよ」
「?」


 が、男たちは昨日の説教やらなにやらで、グロッキーになっていた。


「あはは……みんな、大変だったね」
「北都が巻き込まれなかったことは、幸運でしたね」
 偶然にも助かった清泉 北都(いずみ・ほくと)クナイ・アヤシ(くない・あやし)が言う。
「てめえら……」
 二度も説教を受ける羽目になったアンタルはそう口にするが、大きく息を吐いてそのまま椅子に頭を預けた。
「紫苑がなかなか泣き止まなくて、助かったというか」
「ふふ、この子はパパの危機を救ったんですわね」
 神崎 優(かんざき・ゆう)神崎 零(かんざき・れい)は、神崎 紫苑(かんざき・しおん)が泣き止まずに巻き込まれなかった。
 無意識にパパを救った紫苑は、今日はきゃっきゃと窓の外を見てはしゃいでいた。
「ボクたちが更衣室にいたせいで、えへへ……ちょっと悪いことしたかな?」
「面白かったみたいだから、いいんじゃないかしら?」
 神月 摩耶(こうづき・まや)クリームヒルト・オッフェンバッハ(くりーむひると・おっふぇんばっは)も言う。
「ところで、後ろのバス、行きってあんなに空いてた?」
 夏來 香菜(なつき・かな)桜月 舞香(さくらづき・まいか)に聞く。
「さあね。北海道の水が気に入って、そのまま泳いでるんじゃない?」
「こんな時期に泳ぐわけないでしょ。おかしいわね。宿泊者の数は合ってるんだけど……」
 香菜が参加者一覧と宿泊者一覧を見て言う。
 あとでわかった話だが、ハーパーエロス皆口虎之助始め、「モテない組」の面々は正規の方法でこちらに来たのではないらしかった。裏になにがあることやら。
「フハハハ! あの地は制覇した! 次に来るときは、この地を我らの最大の拠点とするときだ!」
「ハデス師匠、必ずやこのデスストーカー、師匠のお役に立ちます!」
「兄さん……」
「デスストーカーくん、いい加減にしなさい!」
 一応ツアーに参加していたドクター・ハデス(どくたー・はです)一行はバスに。覗き云々は許されたらしい。許されたというか、二日目の騒ぎでうやむやになったというか。

 
「ね、見て!」
 騎沙良 詩穂(きさら・しほ)がなにかに気づいて声を上げた。何事かと皆が外を見ると、
「雪だあ」
 外には真っ白い結晶が、ひらひらと舞い降りてきていた。
「そっか、もうそんな時期なんだね」
 九条 ジェライザ・ローズ(くじょう・じぇらいざろーず)は外を見て言う。
「冷たっ」
 窓を開けて手を出したセレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)が言う。
「セレン、北海道弁ではね、『冷たい』を『しゃっこい』って言うんだよ」
「へえ、そうなの」
 ロゼの指摘にセレンはもう一度手を伸ばす。
「しゃっこい! ……なんか違和感」
「方言だからね」
 セレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)が笑って言う。
「さようなら、我が故郷ってとこだね」
 ロゼは後ろに振り返って、外を眺めていたハイコドと目を合わせた。
「そして、北海道のお別れの挨拶といえば、ね?」
「ん? ああ、あれだな。はは、確かにそうだ」
 二人は笑い合って、三日という短い期間を過ごした、彼らの故郷に向かって言った。


「したっけねー!」


 北海道弁で言うところの、「またね」と。

担当マスターより

▼担当マスター

影月 潤

▼マスターコメント

 

 と、いうわけで、初めましての方は初めまして。お久しぶりの方には、いつもありがとうございます、と。

 影月潤です。今回、僕のシナリオに参加していただいて、ありがとうございました。

 今回はかなりの北海道びいきシナリオです。寒いとか雪かきしないといけないとかいろいろ問題もある土地ですけど、北海道っていいところなんだなー、と、少しでも感じていただければ幸いです。


 また、今回のシナリオを書くにあたって僕が疑問に感じていたこととして、


「女湯のガールズトーク」

 についてです。

 ヤローだけで温泉とかに行って話したことはあっても、女の子同士の会話なんて知らない。

 漫画とかでは「胸おっきくなったね(もみもみ)」「やだ、もう、やめてよ」みたいなネタが多くありますが、実際にそんなことがあるのかすら疑問。

 というわけですので、リアクションを具体的に書いてくれて、ありがとうございます。それと、相談に乗ってくれた友人やいとこには感謝を。特にいとこなんて、相談したとき変な目で僕を見ておりまして、それ以降は話をしてないような気もしますが、とりあえず感謝を。

 
 
 また、男性の方は大抵がひどい目に遭っております……おかげでシナリオは無理やり盛り上げたけど、いやーあはは、すいません。


 いろいろと気に入らなかった点やちょっとツッコミたい点なども、多くあることでしょう。

 もし、僕に対してご意見があれば、是非ともお気軽に、ご指摘ください。

 ご感想なども、いつもいつも様々な感想をいただいて、本当に感謝です。

 みなさんの言葉の一つ一つが、僕を勇気づけてくれております。



 次回シナリオに関しては未定ですが、次回シナリオとは別に、クリスマス前後に公開する予定のシナリオを考え中です。

 もちろん、内容はクリスマスにちなんだ内容。せっかくの年に一度のお祭りなので、ぜひともチェックしてください。



 http://www.geocities.jp/junkagezuki/  


 僕のHP、『影月 潤の伝説の都』です。もしよろしければどうぞ。






 以下オリキャラ考察



・土井竜平(どい りゅうへい) またの名を「瞬速の性的衝動(バースト・エロス)」

 
 僕のシナリオの恒例キャラと化した彼。今回は後輩が出てきます。

 今までは「バーストエロス」と記載していたのですが、今回は「竜平」との記載が多かったです。次回作への布石。

 ちなみに彼の主張するグラビアアイドル云々に関しては……僕の個人的な考えとは違います。

 僕の考えはどっちかというとハイパーエロスに近いのかな? どうでもいい? ですよね。




・皆口虎之助(みなぐち とらのすけ) またの名を「絶大なる性的欲求(ハイパー・エロス)」


 バーストエロス土井竜平の後輩。

 名前の由来は「竜虎相打つ」という言葉から。後輩で、立ち位置も似てますが、ライバルです。

 今後のシナリオでは騒ぎを起こす側として出てくるのでしょうか、それとも、もしかしたら、彼にもいいところが?

 どうでもいい? デスヨネー。


 
 『モテない組』


 実在する組織です。
 恋人のいない連中、現時点では男のみで集まって、クリスマスやバレンタインなど、恋人たちのイベントの日に予定がない奴らが集まってカラオケ大会をするなどの活動をしております。

 僕が代表です。<ドヤッ

「来るもの拒まず、去るものは追う」をモットーに今日も活動を続けております。


 シナリオみたいな、そんな組織じゃないよ?

 覗きとか盗撮とかの悪いことはしません。絶対にしません。

 ただモテない連中で集まって世の中の憂いをマイクを通じて発散するだけです。

 隊長とか参謀とかとも呼びません。スーパーバイザーはたまにいるけど。

 ま、僕は「モテない組のエース」って呼ばれてるけど! やだなあ泣いてないよ。
 



 以下は個別コメントは、皆さまへの簡単な感謝の言葉とアクション等への感想となります。
 それと、皆様に称号を贈らせていただきました。
 まだまだ面白い称号をつけられないのですが、喜んでいただきますと幸いです。