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結成、ガーディアンナイツ!

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結成、ガーディアンナイツ!

リアクション

「見つけたぞ、カメレオン怪人!」
 と、カサブランカの騎士団が捜しているミスターカメレオンと対じする正義。
 正義の声を聞いて近くにいたガーディアンナイツのメンバーも駆けつけてきた。
「観念するんじゃのう、ミスターカメレオン」
 大型の弓・ロングボウでミスターカメレオンに狙いを定め、そういうのはツインテールの女の子・アシュレイ・ビジョルド(あしゅれい・びじょるど)
「わるい人はゆるさないですよ!」
 びしっとミスターカメレオンを指差してそう言うのはヴァーナー・ヴォネガット(う゛ぁーなー・う゛ぉねがっと)
 長い髪を頭の横で一本にまとめた透き通るような白い肌をした美少女だ。
「もう逃げられないぜ」
 トミーガンの照準をカメレオンに合わせ、そういうのは橘カオル(たちばな・かおる)
 本来は優しそうな瞳を鋭くしてミスターカメレオンを睨みつける。
「りゃあっ!」
 と、ミスターカメレオンを守るようにしてにいたザコを手にしたブロードソードで斬り倒す少女――カオルのパートナー、マリーア・プフィルズィヒ(まりーあ・ぷふぃるずぃひ)
 彼女はピンクの髪を振るとミスターカメレオンに言った。
「もうキミの部下は近くにいないよ」
「その通りだぜっ!」
 とマリーアの後ろから顔を覗かせてそういうのは銀色の狼――カオルのパートナーであるランス・ロシェ(らんす・ろしぇ)
 普段は人型をしているが、今は獣の姿に戻ってマリーアをサポートしていた。
「カメッへ――なんだなんだ正義の味方がひとりを囲んでイジメるのかぁ?」
「散々人々を虐げてきたお前が何を言うッ! 行くぞ!!」
 と、正義が光条兵器シャンバランブレードを手にカメレオンに斬りかかる。
「サポートするぜ!」
「わても手伝うとするかのう!」
 カオルはトミーガンで銃弾を、アシュレイはロングボウから弓矢を放ち、正義の行動をサポートする。
「カメッへ――!」
 だが、カメレオンは3人の攻撃をかわすとその姿を消してしまった。
「くっ……姿を消すとは卑怯だぞ! んっ、そうか! 心の目で見ればいいんだな!!」 とそう言って瞳を閉じるのは正義。精神を集中し、心の目を開いて敵の動きを感じ取る。
 そして瞳を閉じたままの正義は剣を振り上げると叫んだ。
「見えたぞ、そこだァッ!」
 シャンバラブレードが何もない空間を一刀両断。
「フッ――終わった!」
「むむむ〜! あっ、あぶないです! うしろですよ!」
 と、本当に何もない空間を斬っただけだった正義に向かってスキルを駆使して位置を感じ取ったヴォネガットが叫ぶ。
「うそぉっ――!?」
「カメッへッへッ! 本当だよ馬鹿がぁっ!」
 姿を現したカメレオンは大鎌を振り下ろし正義を容赦なく斬り倒す。そしてまたその姿を周囲に溶け込まして消えた。
『カメッへッへッ……お次はどいつかな?』
 カメレオンの声が不気味に響き、ガーディアンナイツの面々は周囲を警戒する。
 と、アシュレイの視界の死角からミスターカメレオンがその姿を現した。
「次はおまえだ!」
「ムッ!?」
 女王の加護により危機に気付いたアシュレイは、とっさにカメレオンの攻撃をさけることができた。
 そして運良く後ろに回り込むことが出来たアシュレイはとっさにミスターカメレオンのチャックを手で掴む。
「抜かったなミスターカメレオン。ゆる族がこのチャックをあければどうなるか――知らんわけはないじゃろう!」
「カッ、カメッへっ!? や、やめろォッ!!」
「終わりじゃあっ!」
 そう言うとアシュレイはミスターカメレオンのチャックを下ろした――と思ったのだが。
「ムムっ、どうなっておるんじゃ!? チャックが下りん!?」
「カメッヘッヘッ! 弱点であるチャックを握られて焦るなど下級のゆる族のすることよ! 俺様はこんなこともあろうかと瞬間接着剤で強力固定してるから全然平気なんだよぉ!!」
 カメレオンはそう言うとアシュレイの手を振りほどき、彼女を今度こそ大鎌の餌食とした。
 そしてカメレオンはまた姿を消す。
 と、カメレオンの攻撃で倒れたアシュレイの元に近くにいたヴォネガットはすぐに駆けつけた。
「だいじょうぶですか!? いま治してあげますね」
 そしてヴォネガットは天使の救急箱を使ってアシュレイの傷を癒す。
「どんなキズでもこれをつかえばだいじょうぶです、いたいのいたいのとんでいけです♪」
「くそ、どこだ……」 
 周囲を警戒しながらカオルがつぶやく。
 と、その背後にミスターカメレオンが姿を現した。
「そこだぁッ――!」
 とその瞬間、軽身功を駆使して飛龍の如く現れた霧雨透乃がミスターカメレオンに向かって燃える拳を叩き込む。
「せりゃあッ! 爆炎波!!」
 そして凄まじい衝撃と炎がミスターカメレオンを貫き、その体を遥か遠くへと吹き飛ばした。
「あっ、あのーっ……大丈夫ですか?」
 と、空飛ぶ箒に乗った緋柱陽子は倒れている正義に近寄ってそう訊ねた。
「ひっ、ひーるぅ……!」
 ぷるぷると震える手を伸ばしながらそう言う正義に陽子はすぐさまヒールをかけてあげた。
「ありがとう、助かった」
 と、カオルは危ないところを助けてくれた透乃にお礼を述べる。
「なぁに、イイってイイって――それよりあいつの透明化、なんとかしたいんだよね」
「それならいいものがある。話は聞いていたからコレをツァンダで手に入れておいたんだ」
 そういうとカオルは背負っていたバックパックからペイントボールを取り出した。
「そっか、ペンキをかけて色をつけちゃえば透明になっても居場所がわかるね」
「そう願いたいところだな」
「あっ、そのペイントボールあたしにもくれる?」
 そう言う透乃にカオルはペイントボールを渡す。そしてふたりは話し合い、カメレオンが動きを止めた所を狙ってペイントボールを投げつけることにした。
「ぼっ、ボス! 大丈夫ですかぃ!?」
 と、先ほどいた場所からかなり後方で地面に倒れ伏していたミスターカメレオンの元に部下達が集まってくる。
「――くっ、クソ野郎がぁっ!」
 カメレオンは怒りで体を赤く変色させながら起き上がる。
「皆殺しにしてやる――行くぞ、野郎ども!」
 オオーッ! と怒号を上げるミスターカメレオン一味。
「いいえ、ここで消えていくのはあなた達の方ですわ」
 と、そんなカメレオン一味の前に現れたのはカサブランカの騎士団。
「なんだてめぇらは!」
「なんだかんだと言われたら、答えてあげますのが世の情け――私たちはカサブランカの騎士団。あなた方を成敗させていただきます! 皆さん攻撃開始ですわ!」
 亜璃珠の号令と共にカサブランカの騎士団はミスターカメレオン一味に向かっていく。
「カメッへ! カサブタだかなんだかしらねぇが、ガーディアンナイツに味方するなら俺様の敵よぉ! おめえら、ひとりも生かしておくんじゃねぇぞ!」
 怒号と共にカメレオン一味はカサブランカの騎士団を真っ向から迎え撃つ。
「最初の一発行くよ!」
 明子は上空からファイヤーストームを放つとカメレオン一味の足を止める。
「遠距離攻撃部隊、撃てぇーっ!」
 敵の足が止まったところで亜璃珠がそう命令を下すと、後ろに控えて火術の呪文を詠唱していた無銘祭祀書、諸葛弩に矢をセットして弦を引くエノン・アイゼンが一斉に攻撃を開始した。
 紅蓮の炎が敵を焼き、次々に速射される弓矢が敵を射抜く。
「止まるなぁ、進めぇ!」
 そんな中ミスターカメレオンが味方を鼓舞して、進軍を後押しする。
「小夜子さん、行けますわね?」
 亜璃珠が隣にいた冬山小夜子にそう聞くと小夜子はニッコリ笑って「もちろんですわ」と言った。
 そして地を蹴って敵部隊に真っ向から向かっていった。
「行きます!」
 小夜子は敵の動きの先の先を読み、ガントレットで覆われた拳を次々と敵に叩き込んでいく。
 そして軽身功を使用した軽やかな動きで敵を踏み台にして天高く舞い上がった。
 そんな小夜子の姿に敵も思わず攻撃の手を止めて上空を見上げる。
「ここです! 則天去私!!」
 と、天から舞い降りた小夜子は拳を地面へと叩きつけた。
 すると小夜子を中心として凄まじい光の衝撃波が生じ、周りにいた敵たちを襲う。
 衝撃波に飲み込まれたものたちは、一斉に空高く吹き飛ばされかと思うと次々に地面へと落下して動かなくなった。
「くっ、くそぉっ!」
 部下を次々と倒されて顔を歪めるカメレオン。
「ミスターカメレオン、いざ覚悟!」
 と、上空から誰かの声。
 ミスターカメレオンが空を見上げれば、九條静佳が高周波ブレードを突き出して小型飛空艇から飛び降りてきた。
「へッ――!」
 と、カメレオンは透明化してその攻撃をかわす。
「どこにいったんだ?」
 着地した静佳は素早く態勢を整えると相手の殺気を頼りにミスターカメレオンの姿を捜す。
 と、ミスターカメレオンはそんな静佳の死角から忍び寄るように姿を現した。
 そしてゆっくりと大鎌を振り上げる。
「ハッ!」
 殺気に気付いて振り向いた静佳だったが、大鎌はそんな静佳を無常にも斬り裂いていく。
「静佳っ!」
「カメッへっ、おまえも降りて来い! 俺様の鎌で斬り裂いてやらぁっ!!」
 と、カメレオンは口を開いて長い舌を上空にいる明子に向かって伸ばす。
 そしてカメレオンの舌は空飛ぶ箒に絡みついた。
「えっ!? ――きゃああああっ!!」
 カメレオンは舌を使って空飛ぶ箒ごと明子を地面へと引き寄せて叩きつける。
「明子さん!?」
 それを見た亜璃珠が叫ぶ。小夜子も助けに行きたいがまだ残っているザコがそれを邪魔していた。
「ううっ――」
「カメッへっ、すぐにおまえもさっきの奴と同じ地獄に送ってやるぜぇ!」
 ミスターカメレオンはダメージを受けて動けない明子に向かってそう言うと、大鎌を振り上げる。
 明子は覚悟して目を閉じた。
 と、その時――。