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ミッドナイトシャンバラ放送中

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    ★    ★    ★
 
「こんな物買っちゃったコーナー♪ パート・ツー♪
 こちらは、お便りのこんな物買っちゃったコーナーです。
 ペンネーム、アイドル修行中さんの買っちゃった物です。
 シャレさん、こんばんは〜♪
 暑い日が続きますね〜
 暑い時はネバネバした食べ物を食べるといいそうですが、シャレさんはネバネバした食べ物は好きですか?
 納豆とか、意外に好きですよー。
 オクラとか、とろろ芋とか。
 特に暑いと、長芋のお刺身とかはさっぱりしていて美味しいですよねー。
 地球の日本では、オクラやめかぶ、納豆…というネバネバ料理が体にいいって評判らしいですよ。
 わーい、お仲間ですね。
 そんな訳で、私もネバネバした食べ物を買ってきてみました!
 とある魔法学校の購買で買ってみたんですけど…
 折角パートナーさん達に食べて貰おうと思って用意したのに、ダレ一人食べてくれないんですよ!
 ヒドイと思いません?
 うんうん。それはひどいですねー。
 それで、何を買ったのかしら。あれっ? どこにも書いてない気が……。
 なんでしょうねえ。消印はイルミンスールですから、魔法的なネバネバ……!?
 なんだか、ちょっと怖い考えになってしまいました。
 まさか、スライム食べてるとかしてないですよねえ」
 
    ★    ★    ★
 
「しまったあ。肝心なこと書くの忘れてたんだもん。遠野 歌菜(とおの・かな)、一生の不覚!!」
 ラジオを前にして、遠野歌菜が頭をかかえて叫んでいた。
 今現在、口の中はネバネバとろとろだというのに、この美味しさを誰にも伝えることができない。
 せっかく、シャレード・ムーンにネバネバ友達とまで言わせたのに。
「見てくれがあれでも、これは絶対美味しいんだもん。絶対に、世界樹の名物料理にしてみせるんだから。よおし、今度はちゃんとレシピを書いて投稿よー」
 気合いを入れなおすと、遠野歌菜は懲りずに投稿しようとハガキを手に取った。
 ねば〜ん。
 ハガキについたネバネバが、長ーく糸を引く。
「よおし、ネバネバ絶好ちょー」
 
    ★    ★    ★
 
「さて、放送もそろそろ終わりに近づいてきました。
 そう、真夜中のポエムコーナーです。
 一つ目は、ラジオネーム、Navyさんのポエムです。
 
 『素直になって私』
 
 恋をしてしまったの。
 誰が、ではなく其れは他ならない私。
 誰を、なんて無粋な事は言わせない。
 貴方以外に、誰が居るの?
 ……か、勘違いしないで。
 惚れたのは私。
 あくまで、私の方。
 だから、私を――
 愛して下さい
 
 かわいいツンデレポエムですね。
 さて、今日は特別にもう一編……。
 ラジオネーム、QEさんのポエム……。
 
 統べる者の胸三寸
 
 涙は流さない。
 涙は後悔の証。
 私の通った道に後悔はない。
 でもどうしようもなく哀しむべき時、心の中でそっと泣く。
 心の中で一人涙を流しても、それに気付く者はいないのだから
 
 でも、いつかきっと、それに気づいてくれる人がそばに現れますよ」
『ミッドナイト・シャンバラ〜♪』
 
    ★    ★    ★
 
「むむむ、どうやらポエム勝負は引き分けのようね、ライザ」
「ええ、残念なのだが、そのようであるな」
 深夜喫茶で耳をラジオにくっつけるようにして自分たちのハガキが読まれるのを待っていたローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)グロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダー(ぐろりあーならいざ・ぶーりんてゅーだー)は、額をくっつけ合うようにしながら言い合った。
 本当は、読まれなかった方が、読まれた方に奢るという勝負だったのだが、二人とも読まれてしまったのでは引き分けだ。ここはこのまま割り勘にするしかない。
「それにしても、思いっきり食べたわね」
「あら、ローザもであろう」
「負けるつもりはなかったからね」
「わらわもなのでな」
「それにしても、お涙ちょうだいに走るとは安直な手に訴えたものね」
「愛してくださいよりはましだと思うがな」
「はっはっはー」
 二人とも声を揃えて乾いた笑い声をあげる。絶対に自分が勝つと思っていただけに、二人とも、引き分けは凄く不本意であったのだ。
「あのー、お客様、コーヒーのお代わりは……」
「ちょうだい!! それから、ケーキもお代わり!!」
 空になったコーヒーカップを揃ってさし出すと、二人は息もぴったりにメイドさんにむかって叫んだ。