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カノンを取り戻せ『完結編』

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カノンを取り戻せ『完結編』

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The END of END



「さあさあ、みんな、集まって―」
 ルカルカがカメラをセットしながらメンバーに呼びかける。
「よーし、あ、端っこの人もうちょっと真ん中詰めて、よし、いくよー」
 デジカメのタイマーが動作して記念写真が取られた。
「平等院鳳凰堂レオ、設楽カノン、並びに強化人間たちには1週間の停学処分を与える」
 コリマ校長がそう宣言する。すると、教室全体に安堵の溜息が漏れた。
「はあ……停学か……」
 レオがなんとも言えない表情をすると、ダリルが
「形式は必要だしな」
 と言ってレオの頭をワシワシっと乱暴に揺らした。
「オルフェはみんなが戻ってきてくださって嬉しいのですよ。ぜひお友達になりましょうね♪」
 オルフェリアは強化人間一人ひとりに握手をして回る。
 パートナーを殺すという手法で生み出された特殊強化人間たちの心は硬くて解けない。その出自のせいかもしれない。
 それでも、オルフェリアの笑顔と温もりは確実に彼らの心を癒したのだった。

 それから、S@MPのメンバーの演奏をBGMに家庭科室で料理を作ると、そのままパーティーが始まった。
「兄貴、たべていいか?」
 狐狼丸はヨダレを垂らしながら真一郎に尋ねる。
「ああ、好きなだけ食いな」
「ルカルカの姉貴もたべるべしべし!」
「あー、はいはい」
 ルカルカは苦笑して答える。
「さて、設楽カノン、体調は大丈夫か?」
「問題ありません、校長」
 コリマの言葉にカノンはきっぱりと答える。
「本当に大丈夫か? カノン」
「うん。私はもうだいじょうぶだよ、涼司くん」
「そっか。おーい、S@MP、俺にも一曲歌わせろ!」
 涼司がそう言うと加夜がずっこけた。
「ちょ、ちょっとこの場ではやめておいたほうがいいんじゃないかな?」
「そうか……」
 しょぼーんとしている。
 
 こうして、設楽カノンを巡る話はひと通りの決着を迎える。
 ミレリア・ファウェイとリリア・シュレインはアルコリア嬢にひどく感謝したが、そのまま刑務所に投獄されることになった。なお、容疑については明らかにされず密室裁判となり、ミレリアと鏖殺寺院の関わりが知られることはなかった。また、ミレリア自身が投獄されたことも一部の関係者が知るだけであった。これは影響の大きさを考慮した各国政府上層部の合意のもとに行われた処置である。
 今後残された懸念は、漏洩したかもしれない特殊強化人間作成技術の行方である。イアンの存在を考えると漏洩したと見てかかるべきであった。したがってこれからの天御柱学院の戦いはそういった強化人間との戦いがメインになるのかもしれない。
 鏖殺寺院の基地を破壊しカノンと強化人間を取り戻したため学校側は鏖殺寺院をすべて倒すことをせずに引き上げた。
 その際は和希が殿を務め見事な戦いぶりを示したという。
 また、次回のS@MPの活動は、今後大規模な作戦が起きないと考えられることから、シャンバラ復興チャリティーコンサートと決まった。
 なお、ルカルカ・ルー、アレックス・キャッツアイ、赤城 花音、富永 佐那の4名とそのパートナーが楽団員となった。



END



担当マスターより

▼担当マスター

樹 和寿

▼マスターコメント

 お待たせしました。遅れるかもしれないと予測してお客様にそう連絡しておりましたが(締切りはオーバーしましたが)なんとか早めに上げることができました。
 友人の一周忌だったり帰ってきたらメインマシンのCドライブが壊れていたりと今回は散々でしたが、なんとか復旧して書き上げることができて嬉しく思っております。
 なお、マスタールームにも書いてあったと思うのですが、アクションをかける際に事前準備が少ない方、MCとLCの会話のみでアクションがほとんど成り立っている方、アクションが一行など薄いアクションの方は総じて描写も薄くなる傾向にありますのでご注意ください。
 涼司とカノンがメインのシナリオはこれ以降あまり書かなくなると思います。おそらく私の手を離れて他のマスターが自由に動かすことになると思います。
 今回、平等院鳳凰堂レオさんとカノンとの恋仲は進展しませんでしたが、今後進展があるかと思います。また、鏖殺寺院に縛り付けて他のシナリオに参加できない状態にしていたことをお詫びいたします。
 それから、イコンに関する要望などはアクションでマスターに書くより運営に送ったほうが早いですのでこれからは運営にメールでお伝え下さい。

 それでは、参加いただきありがとうございました。