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【第二話】激闘! ツァンダ上空

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【第二話】激闘! ツァンダ上空

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第五章

 同時刻 テマノス・コンコルディア 医務室

 医療用大型飛空挺テマノス・コンコルディア
 ルカルカからの許可で、この医療用大型飛空艇は彼女の要塞である機動要塞Arcemに随伴していた。
 その医務室でレオン・ラーセレナ(れおん・らーせれな)は負傷者の救助に当たっている。彼のパートナーである城 紅月(じょう・こうげつ)高峰 結和(たかみね・ゆうわ)の飛空艇――ドール・ユリュリュズに乗って戦場から救助してきた負傷者を救護するのが今の彼の役目である。
「大丈夫ですか? 少し我慢してくださいね。今――骨を繋ぎます」
 骨折したパイロットに優しく語りかけながら、レオンは的確に治療していく。
 治療の間、絶えずレオンはは痛みに心が萎え、苦しむ人が本来の姿を取り戻せるように祈り続けていた。それに加えてレオンは医者の基本は『コミュニケーション能力』であることを自らに言い聞かせ続けている。大切なサインや真実を見落としてしまわぬよう、とにかく話を聞き、治療していくのが彼のスタイルだ。
 それだけではない。救護活動はもちろん、レオンは土佐とドール・ユリュリュズの調整を取る連絡係に加え、現場指揮統括及び薬の管理の代行までやってのけている。
 一方、レオンと同じく紅月の仲間であるシャルル・クルアーン(しゃるる・くるあーん)もすぐ近くで救護活動に携わっていた。
「そんな顔するな。ちゃんと治るからさ」
 そう言って患者を励ますシャルルの胸には確たる決意がある。
(シャンバラ未来医療救命救急センターの外科医となるべく研修医として勉強中の身だが。俺にできることなら、何だってやるぜ)
 紅月から指揮権を移譲されたレオンは忙しそうにしているのを見たシャルルは、救護の合間を縫って彼へと声をかけた。シャルルとしてはレオンが気になって仕方ないのだ。
「俺の力でできることは手伝ってやる。指導や患者の管理は任せろ」
 するとレオンは信頼に満ちた笑みを浮かべ、シャルルに向けて頷く。
「では、お願いします。何としてもこの難局を乗り切りましょう」
 シャルルもレオンに頷き返すと、二人は救護を再開したのだった。