天御柱学院

リアクション

　
　同時刻　ツァンダ市街
　
『……』
『……』
　
　ツァンダ市街の一角。
　ただ黙して立つイコンが二機。
　鍛竜と漆黒の“シルト”。
　
　時折襲い来る銀色の“シルト”の攻撃を事も無げに身体で受け止め、反撃の拳一発で返り討ちにする。
　その僅かな動作以外は身じろぎせず、まるで岩山のように静かに佇む二機。
　
　そんな機体のコクピットで少女達が思わず声をもらす。
　
『……あぁ、もぅ！　ちょっとは何か喋んなさいよ！　ここまで無言だと、通信機が壊れたかと思うじゃない！』
『舞衣ちゃん、気にしたらダメだって。この人達が無口なのは今に始まったことじゃないし』
　
　言葉を交わす松本　可奈（まつもと・かな）と舞衣。
　そうしている間にも、鷹村　真一郎（たかむら・しんいちろう）と享は各々の愛機を駆り、次々と銀色の敵機を倒していく。
　
　――そして。
　
　ほどなくして金色の敵機も、二機の拳を受けて沈黙した。