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クリスマスデートの待ち合わせ


 早朝、まだカーテンの騎沙良 詩穂(きさら・しほ)はベッドで目をぱちりと開けた。
 カーテンの向こうはまだ薄暗く、目覚まし時計を確認すればセットした時間よりも大分早かった。
 せっかくの休日なのだから二度寝でもしようかとも思ったが、時計を確認するために半身を起こしてしまってそんな気分は吹き飛んでいた。
 それに今日は、約束の日だ。意気込んでいるわけではないけれど、寝過ごすよりはいい。
 詩穂は体を起こすと、準備に取り掛かった。
(……ここまでとても長かった)
 今日は恋人の吸血鬼の少女 アイシャ(きゅうけつきのしょうじょ・あいしゃ)と初めて一緒に過ごすクリスマス。
(会ったら、「ずっと待ってた、というか待たされた(笑)」と言って、今日くらいはいじわるしてみよう)
 待ち合わせはヴァイシャリー。景色が綺麗だしクリスマスのイベントもあるという。
 机の上の読みかけの観光パンフレットをパラパラめくると、華やかに飾り付けられた名所やスペシャルメニューなどが並んでいた。
 それを詩穂はおもむろにぱたんと閉じる。
 行ってみるつもりもあるけれど、予定をこれと決めるつもりもなかった。
 したいことは沢山あった。でもそれも今までのこと。
(あまりにも長い年月を待ちすぎてクリスマスになにがしたかったか忘れちゃったけどまぁいいや)
 いつも通り気取らず過ごそう。
 詩穂はゆっくりいつも通り身だしなみを整えて、必要なものを鞄に入れていく。
(何処へ行くかとかどんな日だとかどんなイベントがあるかとどうでもいいんです。
 どんなときでも誰と行くか、なにがあっても楽しむかだと思います。
 そしてどんなことで共に感じ……共感できるか)
 アイシャちゃんはプレゼントくれるかな、今日も楽しい一日になるかな。
 きっと、じゃれあってくすぐりあって笑いあって……キスされたらこちらからもおかえししちゃおう。
 冬だけど、とてもあったかいだろう。
 ――そんなことを思いながら、詩穂は準備を整えて鏡の前で最終チェック。
「うん、よし」
 鞄を手に、詩穂は部屋を出る。
 恋人とのクリスマスを過ごすために。