校長室
東西統一記念ロイヤルガード合コン
リアクション公開中!
■□■5■□■ 微妙な多角関係 湖からあがったつぁんだの前に、 緋桜 ケイ(ひおう・けい)が現れた。 「つぁんだ、また便乗してお金儲けをしようとしているようだが、 ちゃんと偉い人に許可はもらってるのか? というか、反対側のロイヤルガードとして参加するなら 5万G払えだなんて、暴利を貪り過ぎだ! しかも、支払えなかったらヴァイシャリー湖に突き落とすだなんて…… まるでジャパニーズマフィアじゃないか!」 「大丈夫、今回、湖に突き落とすことになった人はいないよ!」 「そういう問題か! 前の宝くじの時も、大勢の人が涙を流したんだ。 貰えるのはたった50経験値だし、 福袋のアイテムは購買には売れないし、オマケに参加には必要経費も掛かるし…… 俺の家にはまだまだ大量のドロワーズが!」 「使えばいいんじゃないの? 僕はクリスマスのドロワーズ使ってるけど」 「使い切れるかー!」 ケイの隣で、【パラミタ美食倶楽部】として、 パーティーの料理を楽しんでいた悠久ノ カナタ(とわの・かなた)は。 「ところで、つぁんだよ。 おぬしが徴収する5万Gは、一体何のための金なのだ? パーティーの経費にでもあてるつもりなのか?」 「さっきも他の皆に説明したけど、 シャンバラ全体の被害を受けた地域に援助して、 恩を売る予定だよ。 こんなに善良なことをする地祇は僕くらいだよ……って、痛い!」 「また自分の私腹を肥やす気か!」 カナタはつぁんだをしばく。 「また宝くじと同じか!」 ケイも詰め寄りつつ、ハッとする。 「そ、そういば……未来の俺は、 こんな風に詰め寄って、勢いのあまりにつぁんだを転倒させて、 事故を起こしてしまったんだったな……」 「僕は未来に行ってないからわからないけど、 殴り殺したって噂を聞いたような……」 ケイは、つぁんだのツッコミはスルーして、言う。 「とにかく! こうして大切な人と想いを遂げようと勇気を出した人たちに、 こうやってみだりにお金を求めるのは良くないことだと思うぞ」 「いまさらそんなこと……」 「……それに、折角のパーティーなんだ。 つぁんだもこんなところでお金なんて数えてないで、 俺たちと一緒に踊って楽しもうぜ!」 ケイは、つぁんだをダンスに誘うが。 ジャーン! ジャーン! メニエス・レイン(めにえす・れいん)が、 周囲の物を派手に破壊して、登場した。 「げぇっ、メニエス!」 曹操 孟徳(そうそう・もうとく)っぽい驚き方で、ケイは空を見上げる。 「ケイ。貴方なんでこんな所に居る訳? まさか合コン、参加する気じゃないでしょうね……?」 メニエスは、すごい勢いでケイに詰め寄って行った。 その様子は、 ヴァーナー・ヴォネガット(う゛ぁーなー・う゛ぉねがっと)も目撃していた。 「ケイがつぁんだちゃんとなかよくしてるです。 でも、あれはメニエスおねえちゃん? おうさつじいんのひとのはずなのに、ケイとなかよくしてるです? それともケンカしてるんでしょうか?」 ヴァーナーは、首をかしげていたが。 「俺は、ロイヤルガードだ……し……!?」 メニエスは、おもむろにキスをしてケイの口をふさいだ。 その様子は、パーティーに参加している者達が大勢目撃していた。 「メニエス・レインが、ケイと!?」 つぁんだが至近距離で呆然とキスの様子を見る。 「なーんだ、やっぱりケイとメニエスおねえちゃんはなかよしだったです♪」 キスやハグは日常的な愛情表現と考えており、 さらに、恋人も人気があってうれしいと考えるお子様思考のヴァーナーは、 その場で唯一安心していた。 「ふむ。百合と見せかけて、NLか……」 カナタは、そんな冷静な分析を行っていた。 キスを終えたメニエスは、ケイを小脇に抱えると、 「あたしがロイヤルガードでなくなったとしても、 あたしたちの関係はロイヤルなままよ!」 叫んで、ケイをお持ち帰りする。 「わわっ!」 慌てたケイは、近くにいたつぁんだの手を引っ張るが。 「ちょ……ぎゃあああああああ!?」 空飛ぶ箒に乗ったメニエスは、ケイをつぁんだごと運んでさらって行った。 「こんなのいらないわ!」 「わー!?」 しかし、途中でメニエスはつぁんだを湖に突き落とした。